ヴァンパイア∞リバイバル

CAST町田 恵里那町田 恵里那

作者:ユモfl&picc

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.03.14






エリナ「カナミ~?
早くしないと
遅れるよ~?」





カナミ「待って!
あと1分!」





ふーーー・・・
新学年早々、
毎度の如く
やってくれますね。





私は町田エリナ。
この春から
中学3年生です。





今日は、新学年
初の登校日。





そんな大事な日から、
ギリギリの生活を送る
彼女の名前は、
小林カナミ。





中学3年生で、
私の幼馴染。





私たちの幼馴染は、
あと2人いるんだけど・・・





エリナ「カナミー!
1分たったー!」





カナミ「え、あ、あと30秒!!」





はあ・・・これは、
ダッシュ登校になりそう。











*。・ 通学路 ・。*





はあっはあっ・・・





――まもなく~、1番線から、
電車が発車しま~す――





ガシャン!





カナミ「はあ、
間に合った・・・」





私たちは、ギリギリで
電車に駆け込んだ。





エリナ「まったく・・・、
勘弁してよね」





カナミ「ごめーん」





端の車両だったからか
案外すいていて、
私たちは席に座った。





エリナ「ねえ、カナミ」





カナミ「うん?」





エリナ「朝は、タカトくんと
一緒に行かなくていいの?」





カナミ「うん!
タカトにも
朝は絶対エリナと行くって
言ってあるし。
帰りがあるしね」





エリナ「へえ~。
相変わらず
なかがいいねえ」





カナミ「茶化さないでよ照」





タカトくんというのは、
大倉タカトっていって、
私たちの幼馴染3人目。





すごく気さくで
誰とでもすぐ
仲良くなれちゃうような人。





そしてなんと、
今年の冬からカナミと
付き合ってるんです。





付き合い始めた時の話は、
なぜだか知らないけど
絶対に教えてくれないんだよね。





でもふたりとも、
嫉妬っぽい性格じゃないから
こうして今でも私も普通に
タカトくんと話したりしてる。





カナミ「でもそういうエリナだって、
レオンと仲いいじゃん」





エリナ「それは
幼馴染だからだよ」





レオンくんこと
丸田レオンが、
幼なじみ4人目。





カナミ「でもエリナは
好きなんだよね?
レオンのこと。
レオンだって、エリナと
話してるとき
すごい楽しそうだし」





エリナ「だからそれは、
幼馴染だから
話しやすいって
だけだと思うよ」





そう、私は
レオン君が好き。





ちょっとクールだけど
優しくて。





でも・・・、彼は、
多分カナミが好きなんだ。





いっつも、私の隣の
カナミの方を見てるし。





カナミは明るくて、
みんなから好かれてるけど、
私は大人しくて
融通が利かない性格だから・・・





朝から、勝手に
落ち込んでしまった。













*。・ ホームルーム ・。*





私の学校は2クラス制だから、
生徒数はそんなに多くない。





私とレオン君はA組、
カナミとタカトくんは
B組だった。





先生「はい、みんな
席について~。
進級おめでとう。
早速なんだけど、
転校生を紹介するわ」





先生の隣には、
ひとりの女の子が。





メアリ「林メアリと申します。
よろしくお願いします」





林さんは、清楚に
お辞儀をした。





(やっば、めっちゃ美人)





(かわい~)





(天使って感じ~)





教室のあちらこちらで
上がる声。





転校生なんて
珍しいな。





先生「今日は、始業式の後、
課題を出して
終了なんだけど、
その後林さんに
学校を案内して欲しい。
町田さん、
お願いしてもいいかな?」





エリナ「えっ、私ですか?」





先生「うん。町田さんは、
去年もクラス委員だったみたいだし、
いろいろ教えてあげて欲しいんだ。
もし1人で不安だったら、
誰か一緒に連れてってもいいよ」





メアリ「よろしくお願いします」





天使のほほえみを向ける、
林さん。





エリナ「はい、
私で良かったら。
お願いします」













*。・ 放課後 ・。*





放課後、私は林さんに
校内を案内している。





やっぱり1人だと不安だから、
同じく去年クラス委員だった
レオン君にも
ついてきてもらった。





まあ、無口だから、
特に説明に参加している
わけではないけど。





エリナ「うん。
これで2階は終了。
あとは1階だね」





メアリ「はい!」





カナミ「あれ、エリナとレオン、
こんなところで
なにやってんの?」





階段を降りようとすると、
カナミに声をかけられた。





エリナ「カナミこそ。
あ、タカトくんも一緒?」





タカト「よ」





カナミ「あ、もしかして、
エリナも転校生の案内?」





エリナ「エリナも、
ってことは?」





カナミとタカトと一緒に、
ふたりの女の子が
居ることに気づく。





カナミ「こちら、
B組に転校してきた、
加藤サキちゃんと、
若林マホちゃん!」





サキ「ちはーっす」





マホ「どうも・・・」





加藤さんは、指に髪の毛を
巻きつけながら、
スマホをいじりながら答える。





なんか、
パリピって感じ。





若林さんは
ストレートの髪が綺麗で、
凛々しい印象。





すまし顔だけど、
すごくかっこいい。





エリナ「こちらは、
林メアリちゃん」





メアリ「よろしくお願いします」





林さんは、
おしとやかにお辞儀。





カナミ「わー、めっちゃ
女子力高そう!
守ってあげたくなる
女の子って感じー!」





いきなりグイグイくる
カナミにも
可憐な笑顔で
対応する林さん。





カナミ「しっかし、
いきなり3人も
転校生が来るとは~」





エリナ「ほんとだね」





タカト「せっかく
一緒になったことだし、
今からは一緒に
案内しないか?
俺ら後1階だけ
なんだけど」





エリナ「私たちも
1階だけだよ」





カナミ「よし!
ほんじゃ、
一緒に行こー!」





私たち7人は、
階段を下りた。







【???】





???「・・・いよいよだわ」





謎の少女は、
監視カメラの映像を見て
微笑む。





少女がいる部屋は
放送室。





赤い飲み物が入った
ワイングラスと
テーブルが1脚、
2つの椅子が
置かれている。





???「あの日の屈辱・・・、
絶対に晴らしてやるんだから。
この3ヶ月、
いろいろな準備を重ねて、
用意万端。
・・・待っててね、タカト」





写真に写る男子を見て、
少女は意地悪く微笑む。













*。・ 1F ・。*





カナミ「ここは、玄関だよ。
ってみたらわかるよね笑。
このおっきなテレビは
いっつも学校の教育方針とかを
エンドレスで流しているけど、
生徒はこんなの見てません!」





私たちは
昇降口にいる。





説明役は、
おしゃべり上手なカナミに
任せることにした。





カナミ「この奥は職員室と
放送室しかないから、
職員室に行って
案内終わったって
先生に報告・・・」





パッ





そのときふいに、
廊下の電気が消える。





エリナ「え、何?」





レオン「停電?」





タカト「でも、
あっちの住宅街は
電気づいてるぞ」





あたふたしてたら、
昇降口のモニターがついた。





でもそれは、
学校案内などではなくて・・・





カナミ「放送室・・・?」





確かに写ったのは
放送室。
でもなぜ?





その時、
音声が流れた。





???「ごきげんよう、みなさん」





画面の中に
女の子が現れる。





ゴシックな衣装に
身を包んだ、
綺麗なんだけど
怪しい雰囲気の女の子。





エリナ「誰?」





レオン「制服じゃないし・・・、
うちの学校の生徒じゃ
なさそうだな」





転校生3人は、
何が起こったのか
わからない様子。





ふと、カナミとタカトに
視線を移すと、
なぜかすごい顔で
固まっていた。





カナミ「なんで・・・」





???「ハアイ、タカト。
元気だった~?」





タカト?
この人タカトくんの
知り合いなの?





タカト「お前は・・・、
あの時の・・・」





すると、
画面の中の女の子が
にやっと微笑んだ。





???「お久しぶりね。
あら、はじめましての方も
多いかしら?
私はマナ。
ヴァンパイアよ」





・・・ヴァンパイアって、
あのヴァンパイア?





吸血鬼ってこと???





・・・ダメだ、全然
話についていけない。





マナ「あら・・・、
まだこの女と
一緒にいるの?
もうそろそろ
縁も切れたかなーなんて
思ってたんだけど」





そう言いながら、
ちらりとカナミの方を見る
マナさん。





カナミとも
知り合いなのかな?





カナミはマナを
きっと睨んだ。





どうやら良好な関係では
ないみたい。





エリナ「あ、あのさ、
カナミとタカトくん。
このマナさん?
っていうヴァンパイア? さんと
一体何があったか
教えてくれない?」





私がそう聞くと、
ふたりは苦々しそうに
話し始めた。





余りにも壮大で
ナガーイ内容だったので、
箇条書きに
まとめることとします。





・今年の冬のある日、いきなり怪しい館に
迷い込んでマナとあった





・マナはタカトのことが好きみたいで、
鬼ごっこ勝負をして負けたら血を吸われて
タカトはマナの彼氏に、カナミはしもべになる
という約束で無理やりゲームに参加させられた





・いろいろあって捕まってしまい、
いざこざの末になんとカナミが
タカトに愛の告白
タカトはオーケーした





・それにキレたマナがカナミを襲うが、
激闘の末マナを撃退し、館から脱出した





まさか、こんなところで
ふたりの付き合い始めた
きっかけが聞けるとは
思わなかった。





ていうか、
想像以上の大波乱。





カナミ「マナは・・・、
私たちを騙してタカトを
自分のものにしようとした、
卑怯者なの・・・」





マナ「まあ、何とでも
言ってくれて結構よ。
そしてあなたがタカトと
まだ一緒にいてくれて、
こっちにとっても好都合。
あの日の悔しさ、惨めさ・・・、
思い出すだけで
吐き気がするわ」





マナは顔を歪める。





マナ「万全の準備を整えて・・・、
いま復活を果たすとき。
こんどこそ、タカト。
あなたは私のものよ」





タカト「ふん、また
あのズルだらけのゲームに
巻き込むつもりか?」





マナ「そんな言い方されちゃ、
たまらないわ。
それにほら、
今回は前回と違って、
舞台は学校・・・、
どちらかといえば、
あなたたちの方が
よく知ってるでしょ?
前回は油断して
取り逃がしたから、
もう容赦はしないわ」





マナの口元で、
キランと牙が光る。





私たちは
1歩後ずさった。





マナ「そうねえ・・・
制限時間は2時間。
その間逃げ切れたら
あなたたちをここから
出してあげるわ。
捕まったら・・・、
どうなるかわかるわよね?」





マナ「範囲はこの校舎全体。
では・・・
よーい・・・、スタート」





マナが言い終わると
画面が消える。





かわりに『1・00』という
文字が浮かび、
少しずつ数字が減っていく。





・・・あまりの展開に
きょとんとする一行。





サキ「・・・だっる。
早く帰りたいんだけど。
その昇降口からでりゃ
いいだけの問題でしょ」





レオン「無駄だ。
全部鍵がかかってる」





レオンが
扉を引っ張る。





マホ「あの・・・、これ、
逃げなきゃまずいんじゃ」





カナミ「うん・・・、
こうなった以上、
まずは放送室から離れなきゃ」





そう、放送室は
目と鼻の先。





エリナ「でもさ、職員室の先生に
言ったほうがいいんじゃない?
放送室勝手に使ってるみたいだし」





タカト「多分ダメだ。
ここは学校であるようで異空間。
さっきちょっと覗いたけど、
職員室には誰もいなかった」





メアリ「そんな・・・」





表示を見ると、
残り30秒。





タカト「とりあえず
上に上がろう!
話はそれからだ!」





タカトくんの掛け声とともに、
みんなは一斉に
階段を駆け上がった。







【ゲームスタート】





私たちは2階に上がり、
図書室に駆け込んだ。





タカト「とりあえず
入口は塞いだ。
みんな奥の
本棚の陰にいてくれ」





私たちは本棚の奥で
息を潜める。





小声でとなりの
カナミに質問する。





エリナ「ねえ、マナさんって、
ほんとにヴァンパイアなの?」





カナミ「うん。
あの牙は本物だよ。迫力も。
この前は運良く牙が刺さるのは
免れたけど、
もし噛まれてたら・・・」





想像したのだろうか、
カナミが身震いする。





あの牙にかかったら、
無感情になって、
マナのしもべのヴァンパイアと
化してしまうのだろうか・・・





レオン「大丈夫」





レオンくんが
不意につぶやく。





レオン「幼馴染を危険な目に
合わせたやつに、
屈してたまるか」





レオン君の瞳が、
強く輝く。





いつもクールだけど、
ここぞという時は
熱くなる姿に、
私の心は
見事に射止められた。





カナミ「エリナ、顔赤いよ」





エリナ「え、そんなことないよっ」





レオン「?」





ガシャン!





わああっっっ!





気がつくと
入口のバリケードが
壊されようとしてる!





カナミ「来た・・・!」





サキ「どーすんの!?
入口あそこしかないじゃん!」





タカト「心配ご無用!
みんな!
もっと奥にいけ!」





そう、うちの学校の図書室は、
奥の扉が有り、
となりの小さな館に
つながっているんだ。





もっとも転校生の皆さんは、
こんなこと
知る由もないけれど。





不安そうに
みんなは奥に行く。





レオン「いくぞ」





図書室を
飛び出した。





カナミ「相変わらず
勘が鋭いんだよ、アイツ!」





カナミが
走りながら言う。





マホ「話してる声・・・、
割と漏れていた」





若林さんが
冷静に突っ込む。





マホ「あれじゃ、
ここに隠れてるって、
教えているようなもの」





エリナ「すみません・・・」





申し訳なくなって謝ったら、
わかればいいって感じで
若林さんは
少し口角を上げた。





次に逃げ込んだのは、
4階の多目的室。





かなり走ったので
息が切れた。





でも、タカトくんが
図書室に組んでくれた
バリケードにマナさんも
苦戦したらしく、
追いかけてくる気配は
感じなかった。





メアリ「はあ、はあ、はあ、・・・」





エリナ「大丈夫?」





メアリ「はい、お気遣い
ありがとうございます」





もともと細くて
ふんわりしてた声が
さらに細くなって帰ってくる。





カナミ「こんだけ、逃げれば、
平気でしょ・・・」





細心の注意を払って、
みんな小声で話す。





サキ「ていうか、これ
ウチラ関係あんの?
あんたらの問題でしょ?」





加藤さんが
カナミとタカトを
見ていう。





タカト「確かに原因は俺たちだ。
すまない。
でも、あのヴァンパイアは
ここにいる人間にあったら
誰でも構わずヴァンパイアにする気だ。
ここから解放される方法はただ1つ、
全員で2時間逃げ切ることだ。
そのためにはここにいる全員の
協力が必要なんだ。
だから、協力してくれ。
このとおりだ!」





タカトくんは
深々と頭を下げる。





真剣に頼み込まれた
加藤さんは、それ以上は
何も言わなかった。





マナ「ごきげんよう~」











気づくとマナさんが
目の前に現れた。





マナ「さあ、覚悟はいいかしら?
我が下僕となる、覚悟は・・・」





レオン「えいっ!」





そのときレオン君が、
近くのホワイトボードにあった
ペンなどを大量に投げつけた。





マナ「くっ!」





マナが一瞬怯んだその隙に、
反対側の扉から
急いででる一同。





その後私たちは
いろいろな場所に
逃げ込んだ。





美術室、理科室、
被服室・・・





でも、どれだけ走って
マナさんと距離を取っても、
あっという間に
見つかってしまった。





その度に、逃げて、
逃げて、逃げて・・・





私たちは今、
2階の図書室に
戻ってきた。





タカトくんの、
「1回隠れた場所に
また隠れてるなんて、
あいつだって思わないだろう」
というナイスな提案のもとで。





エリナ「なんなの・・・」





周りを見ると、
みんな体力の限界のようで、
サッカー部のタカトくんでさえ、
肩を上下させている。





タカト「完全に黙ってたって
すぐに見つかるんだから・・・、
たまったもんじゃない」





カナミ「ほんとそれ。
なんなのあの勘は・・・
いくらなんでもヤバいって・・・
まるで、そう・・・
私たちの様子を、
ずっとそばで
見てるような・・・」





そこまで言って、
カナミが
はっとした顔になる。





エリナ「どうしたの、カナミ?」





カナミは私の顔を、
真面目な顔で見る。





そして、制服のポケットを
なにやらゴソゴソし始めた。











そして・・・、
ポケットから
取り出したものを、
私の目前に掲げた。





エリナ「・・・えっと。
それは・・・、
ペンダント?」





私の目の前にあるのは、
銀色のペンダント。
小さな十字架がついている。





カナミはしばらく
それを私に見せたあと、
ふーっとため息をつき、
安心した顔になった。





レオン「なんだそれ」





タカト「うん?」





近づいてきたふたりにも
カナミはそのペンダントを
掲げる。





タカト&レオン「?」





きょとんとしている
ふたりを見て、カナミはまた
安心した表情になった。





エリナ「カナミ、
さっきから
何してるの?」





タカト「そのペンダントって、
確か・・・」





カナミ「うん。これは冬に
マナに襲われた時に
持ってたペンダントだよ」





カナミはペンダントを
眺めながら話す。





レオン「でもどうして
今そんなものを?」





カナミ「それは・・・、
ちょっとあの3人に
聞かれないように
小声で話すね」





カナミは少し離れたところに
座り込んでいる、
林さん、加藤さん、
若林さんを
横目で見ていった。





カナミ「さっきからマナは、
随分離れたところに
私たちが隠れても、難なく
私たちを見つけ出してる。
流石にちょっと
おかしいと思わない?
まるで、私たちが
どこにいるのか最初から
わかっているみたい。
と、言うことは・・・」





エリナ「と、言うことは?」





カナミ「この中に、マナに
私たちの居場所を教えている、
スパイ――――
マナの仲間のヴァンパイアが
いるってこと。
だから、吸血鬼が恐れる
十字架のペンダントを
とりあえずみんなに
見せたってわけ。
その結果、3人は
ヴァンパイアじゃないってことが
わかった。
もちろん私も、ほら」





そういって、カナミは
自らペンダントを見た。





タカト「・・・んなバカな。
じゃああの3人の転校生の中に、
マナの仲間が居るって
言いたいのか?」





エリナ「3人とも、
そんな風には
見えないけど・・・」





レオン「いや、ない話では
ないかもしれない」





不意にレオンくんが
口を挟む。





レオン「1番最初に
あのヴァンパイアが
テレビを使って俺らに
話しかけてきたとき、
放送室に、学校の備品では
ないものがいろいろ映っていた。
その中に椅子があったんだが・・・、
2脚置いてあったんだ」





エリナ「え!?」





レオン「あの椅子が
仲間用の椅子だったとしたら、
すべて説明がつく」





エリナ「じゃあ、
その話が本当だとして・・・、
どうするのカナミ?」





カナミ「まだ残り時間は
20分ぐらいある。
そのなかで、こっちに
仲間が紛れてたらすごく不利。
だから・・・、
今からこのペンダントを見せて
あぶり出す!
大丈夫!
このペンダントを見せれば
ヴァンパイアは
向かってこれないから
心配することはな・・・」





マナ「本日何度目かの
みーつけた♪」





わあっ!





またもやいちはやく、
マナさんは現れた。





マナ「まあよくもちょこまかと
逃げ回ってくれたこと。
でももう体力の限界のようね」





あははははっ、と
高笑いをするマナさん。





微塵の疲れも
感じさせない。





マナ「さあ、大人しく
負けを認めて・・・」





ひゅーーーーっ、ガンっ





そのとき、マナさんの頭に
1冊の本が直撃。





レオン「逃げろっ!」





みると少し離れたところに
レオン君が立っていた。





どうやら私たちとマナさんが
対峙してる間に距離を取って、
本を投げつけたみたい。





私たちは一斉に
奥の扉へと走り出す。





マナ「よくもやってくれたわね!」





マナさんは怒りの矛先を
レオン君に向けた。





レオン君はいま
入口の扉側にいる。





奥の扉に行くには、
マナさんを
かわさなければならない。





レオンくん・・・!





私は思わず
立ち止まった。





マナさんがまっすぐ
レオン君に向かっていく。





それはもう
素早い動きで。





レオン君は、
真奈さんの動きを
瞬時に見極め
すっと避けた。





マナ「なっ・・・!」





レオン君はバスケ部。





選抜選手に
選ばれるくらい、
腕前も抜群。





数々のディフェンスを
かわしてきたレオン君に
はこれくらい造作もない。





その勢いのまま
レオン君はこっちに来る。





エリナ「レオンくん!
よかっ」





レオン「なにしてんだ、
早く来い!」





ぎゅっ





レオン君が
私の手を掴む。





えっ・・・





そのまま
ものすごい勢いで
みんなの後をおい始めた。





レオン「なに、ぼーっと、
してたんだよ・・・」





走りながら
聞いてくる。





エリナ「だって・・・、
心配、だったから・・・」





私がそう答えると、
レオン君は
少し黙り込んで・・・、
サンキュ、と呟いた。





ドクっ、ドクっ、
ドクっ・・・





胸の鼓動が高鳴る。





たどり着いた先は
体育館。





しかし、みんな疲れていて
マナさんを引き離すことは
できなかった。





マナ「これでもうおわりね・・・
結構手を煩わせて
くれたじゃない?
楽しかったわ」





マナさんは
意地悪く笑う。





マナ「ゲーム終了まであと5分・・・、
茶番はおしまいよ。
これでタカトは私のもの。
残りは全員、
私のしもべとなりなさい」





サキ「くっそ・・・」





メアリ「どうしましょう・・・」





マホ「なすすべなしか・・・」





カナミ「いーや、
まだ希望はある!」





カナミが
胸を張った。





そうだ、
あのペンダント。





ヴァンパイアの
マナさんに見せれば
動きを止められる!





カナミ「私には、この
必殺武器が・・・、・・・」





エリナ「どうしたのカナミ、
もったいぶらないで
だしなよ」





カナミ「・・・ない」





タカト「え?」





カナミ「落とした・・・」





がっくり
膝をつくカナミ。





え、ええええええ!





タカト「まじかよ」





マホ「何?」





サキ「なんのことか
わからんけど」





メアリ「何かあったんですか?」





一同、大ピンチ。





タカト「いや、あと5分
俺らが逃げ切ればいいだけのこと。
疲れてると思うけど、
最後の力を振り絞れば、
きっとにげき」





タカトくんの言葉は
途中で途切れた。





思わずタカトくんの方を
振り返ると・・・、





首に手を回され、
身動きがとれなくなってる
タカトくんが。





「はい、捕まえた。
これで逃げられないね」





タカトくんの動きを
封じているのは、
林さんだった。





エリナ「・・・林さん?」





メアリ「はー、素で話せるって
スッキリする。
かったいお嬢様キャラは
どーにも疲れるんだよねー」





そこにはもう天使の面影はなく、
マナさんによく似た
妖しいほほ笑みを
浮かべている。





サキ「まさか、あんた・・・」





マホ「あのヴァンパイアの、
仲間・・・?」





メアリ「気づくのが遅いよ」





嘲笑って
林さんはいった。





メアリ「林ってのは偽名だから、
メアリって呼んでね。
マナに頼まれて、
この復讐に協力したの。
みんなの居場所をぜーんぶ
マナに教えてたんだ」





レオン「なんでそんな
まどろっこしいことをしたんだ?
そんなことをしなくても
いつでも俺らを
捕まえられたんじゃないのか?」





メアリ「私、人が追い詰められてく
姿が好きなの。
マナに任せる前に、
存分に疲れさせようとおもってね」





笑顔で語る林さん
―――メアリに
恐怖を覚えたのは
私だけじゃないはず。





メアリ「抵抗したって
無駄だよ、タカトくん。
人間じゃ私たちには
敵わないわ」





タカトくんは
なんとか逃れようと
頑張っているけど、
見事に押さえ込まれている。





そしてそのまま
マナの前へ
連れて行かれる。





カナミ「タカトを離して!」





メアリ「ほら約束どおり
つかまえたよ。
後でちゃんとお礼はしてね」





マナ「ええ、とっても
感謝してるわ」





エリナ「お願いはなして!」





マナ「あ、メアリ、
あいつらうるさいから、
ちょっと黙らせてきてくれる?
集中できそうにないから」





メアリ「了解。
でもしもべはいらないから、
喋れなくなるくらい
痛めつけてやるわ」





次の瞬間、すごい勢いで
メアリが私たち5人に
向かってきた。





わっ





すんでのところで
避ける。





レオン「みんな散らばれ!」





レオンの掛け声で
一斉に散らばる。





タカト「みんな逃げろ!」





マナ「人の心配をしてる場合?
あ、それとも、私の彼になるの
満更でもないとか?」





タカト「冗談言うのも
そこらへんにしとけ・・・」





マナ「焦らなくても大丈夫よ、
メアリは優秀だから、
5人をすぐ捕まえてくれるわ。
それで静かになったら、
確実にあなたを仕留めてあげる」





メアリ「どんどん逃げて、
私を楽しませて頂戴!」





サキ「こいつ
正気じゃねーだろ、
うわっ!」





レオン「逃げることに
集中しろ!」





マホ「あんたもだ、
て、おっと!」





カナミ「あと2分!」





エリナ「あと、少し!」





私とレオンくんは
2階のラウンジに逃げ込む。





メアリ「へー、なるほどね!
でも、私、階段
使わなくったって、ほら」





メアリはなんと
ジャンプして3階のヘリをつかみ
手の力を使って
ぴょんとラウンジに飛び乗った。





エリナ「!」





私とレオンは
二手に分かれる。





体育館の周りを
1周する構造になっている
ラウンジ。





早く、降りなきゃ・・・!





メアリ「ねえねえ、町田さん」





メアリは私の方に
向かいながらいう。





メアリ「学校案内してくれて
ありがとう。
おかげでいろいろなことが
わかったよ。
図書室の扉のことも、
意外な通り道も」





ここにきて、
私のメンタルまでも
削ってくるメアリ。





メアリ「この作戦は、
あなたの協力なしでは
成し遂げられなかったからね」





グサッ。





言葉の刃が
容赦なく私を貫く。





私が一瞬気を取られたとき。
メアリが私に飛びかかる。





バランスを崩した私は・・・、
ラウンジの手すりから
落ちてしまった。





すんでのところで、
片手で手すりをつかんだものの、
そのままぶら下がってしまった。





レオン「エリナ!」





レオンが血相を変えて
向かってくるのが見える。





メアリと、
戦ってるのかな・・・





ああ、メアリが
1階まで落ちていく・・・
でも見事に着地。





もう1回上がろうとするところを、
加藤さん、若林さんが抑えて・・・





ダメ・・・、
意識が朦朧としてきた・・・





手すりのほうの手に、
レオン君が触れてくれている。





でも、もう、
限界だよ・・・





タカト「エリナ!」





マナ「メアリ!
何やってるの!
早くとどめを刺しなさい!」





カナミ「人の心配をしてる場合じゃ、
ないっ!」





マナ「ぐわ!?」





カナミ「隙有り!」





タカト「カ、カナミ・・・」





カナミ「礼は後!」





レオン「エリナ!
手、離すなよ!
今引き上げる!
諦めんな!
引き上げたら、お前に、
伝えたいことが・・・」





あのレオン君が、
こんなに大声で
叫んでくれている。





でもさすがの
レオン君でも、
1人じゃ無理だよ・・・





伝えたいことって
なんだったのかな・・・





そのとき、
あたり一面が
光に包まれる。





『ゲーム終了』





そんな声が
聞こえた気がした。





レオン「・・・ナ、・・・リナ、
・・・エリナ!」





エリナ「・・・、レオン君?」





レオン「エリナ!
気がついたか」





私が今いるのは、
体育館。





しかしそこに、
ふたりのヴァンパイアの
姿はない。





エリナ「あれ・・・、
なんで・・・?
私どうしたんだっけ・・・」





レオン「あそこのラウンジから
落ちそうになってたんだが、
ちょうど2時間がたって、
ゲームが強制終了したみたいだ。
あのヴァンパイアたちは、
気づいたらいなくなってた」





エリナ「そっか・・・
タカトくんは、
無事だったの?
ほかのみんなは?」





レオン「タカトのことは、
カナミがマナってやつを
押し倒して助けた。
相変わらずあいつは
向こう見ずっていうか・・・
無事だったから
良かったものの・・・
今はほかのやつらと
帰ってる途中だろうよ」





エリナ「そう、良かった・・・」





みんな無事だったのが
何より。





エリナ「・・・ねえ」





レオン「なんだ?」





エリナ「わたしに
いいたかったことって、
なに?」





レオン「え?」





エリナ「言ってたじゃない。
言いたいことがあるって。
言ってみなよ。
レオン君、普段
あんまり喋らなくて、
何考えてんのかわかんなくて・・・
あ、もしかして、
学校案内の説明
下手だったよーとか?
それともラウンジでコケて
転落するなんて
ドジだなーとか?
それとも・・・」





レオン「違う。
そんなんじゃない」





え、なんでそんなに
真剣に見つめるの?





そんな目で見られたら、
期待しちゃうじゃん・・・





レオンは
ひと呼吸おいて、
言った。





レオン『好きだ。エリナ、
俺と付き合ってくれ』





期待が、現実になる。





エリナ「・・・だって、レオン君は、
カナミが好きなんだよね?
いつもカナミのこと見てるし」





私がそう言うと、
レオン君は
驚いた顔になる。





レオン「俺が、カナミを・・・?
結論を言えば、見てたつもりはない。
どちらかといえば見てたのは、
いつもカナミの隣にいる
エリナの方で・・・、って、
全くなんてこと言わせんだよ・・・」





そういうレオン君の顔は、
真っ赤。





え、じゃあ、
ほんとに・・・





エリナ「本当に、
私のこと、好きなの?」





レオン君は、
恥ずかしそうに、
でも力強く頷いた。





ああ、幸せだ。
なんて幸せなんだろう。





いろいろあって疲れたのに、
今この瞬間は、
すべての疲れが
吹き飛んだ感じ。





レオン「それで・・・、
できれば、
答えが欲しいんだが・・・」





レオン君の瞳が、
まっすぐ私を見つめる。





私はひと呼吸おいて、
言った。





エリナ「・・・もちろん、
OKだよ。
・・・大好きだよ、レオン」





カナミ「おお、エリナが
レオンを呼び捨てにした!」





タカト「おいカナミ、
あんまり乗り出すと
ばれるぞ2人に」





カナミ「あら、
命の恩人にむかって
その言い草はなあに?」





タカト「む・・・
まあ助かったけどよ。
サンキュー。
しっかしまたカナミに
助けられちまって、
まじでいいとこなしじゃねーか、
俺・・・」





カナミ「なーに、言ってんの!
タカトがあの場をしきってなきゃ、
私たちも、既に帰路に着いてる
転校生2人も、
あっという間に
やられてたんだよ?
もっと自信持ってって!
まー、これであのお2人さんも
めでたく結ばれて、
これで世の女子憧れの、
ダブル幼馴染カップルデートとか、
できちゃうね!
わー、楽しみ!」





タカト「お前のポジティブ思考には、
ホント頭が上がんねーな・・・
しかし、またいつあいつらが
襲って来るかわからない。
また今回のように
関係ない奴らも巻き込むかも
知れないし・・・」





カナミ「なんとかなるって!
悪いのはあいつらなんだし
気にすることないよ!
いざとなったら、
また私が助けてやるから!」





タカト「・・・ほんと
お前ってすげーな。
・・・お前がいて、
本当に良かったよ(ボソ)」





カナミ「え、なに?
なんかいった?」





タカト「いや、なんでもねーよ」







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