6月の雨

CAST町田 恵里那町田 恵里那

作者:ちょこれーと

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.06.01






梅雨って憂鬱。





湿気はすごいし、
湿気で髪はまとまんなくて
「何か嫌!」ってなる。





皆とは多分”違う意味で”、
私も梅雨が嫌い。





あれから3年。







☆__________☆





こんにちは!
中1の町田恵里那です!





今日から中学生です!







*。・ ニコ学のクラス発表 ・。*





恵里那「えーっと・・・
私のクラスは、、」





「1年2組か!
お母さん、2組だって、
はやく行こ!!」





母「まだ時間あるから
走らないで!
恵里那!」



















*。・ 1年2組 ・。*





ガラガラッ
(ドアを開ける音)





恵里那「お母さん、
私の席どこ?」





母「黒板に書いてあるじゃない、
出席番号順だって。
恵里那何番?」





恵里那「26番だけど・・・
あー、そこか!」





ふぅ・・・





母「お母さん、お父さんと一緒に
入学式の会場に行ってるから。
じゃあ、またあとでねっ♪」





恵里那「はぁーい、バイバイ!」





さて・・・





?「えりなー!」





恵里那「へっ??
あ、真奈!」





親友は私の親友!
見た目は大人っぽいけど
中身はすごいお茶目で
可愛いの。





真奈「同じクラスだよー!
よかったぁ!」





恵里那「ね!
席はちょっと
離れちゃったけど、
これからも一緒だね!」





真奈「うん!」





ガラガラガラッ
(ドアが開く音)





先生「おはようございます」





生徒達「おはようございます!」





真奈「じゃ、あとで!」





恵里那「うん!」





先生「もう少しで
入学式が始まります。
体育館入口に移動しますから、
今の席順通りに
後ろに並んでください」





生徒達「はい!」





―――あれ?
あの席空いてるのに。
先生気にしないんだ・・・













*。・ 入学式後、ホームルーム ・。*





先生「・・・はい、ということで。
明日からよろしくね。
では今日は終わり。
起立してください。
さようなら」





―――どうしたんだろ、
あの席の子。





真奈「恵里那!
恵里那のお母さん達
待ってる。一緒に帰ろ!」





恵里那「う、うん!」













☆__________☆





翌日もその次の日も
4月が終わって、
5月になっても、
“あの席の子”は来なかった。





先生も話題に触れないし、
みんなも気にしてない。





私は意を決して放課後、
先生に聞いてみることにした。





恵里那「先生っ!」





先生「町田さん、
どうしたの?」





恵里那「あの、今誰も座ってない
空いてる席が
あるじゃないですか、
あの席の子は
どうしたんですか?」





先生「・・・」





先生は少し戸惑ってた。





生徒に話していいことなのか
分からなかったのだろうか。





恵里那「先生?」





先生「あ、ごめんね。
私も詳しくは話せないんだけど、
町田さんと同じ小学校だった、、
野口義斗くん。分かる?」





恵里那「はい、小学校は
普通に来てたんですが・・・」





先生「まぁ、ちょっと
色々あってね。・・・
あ、私会議があるの、ごめん。
気を付けて帰ってね」





恵里那「はい、さようなら」





―――義斗かぁ。
迷惑だと思うけど気になるし、
あと、義斗の机にプリント
溜まってたし
家寄ってみるか・・・





―――そういえば義斗って
私は仲良かったけど、
いじめられてる感じ
しなかったけど。













*。・ 義斗の家 ・。*





ピーンポーン
(チャイム音)





義斗の母「はい。
あ、恵里那ちゃん・・・
だったっけ?」





恵里那「はい、町田恵里那です。
プリントを届けに来たのですが、
義斗くんはいらっしゃいますか?」





義斗の母「あ、いるわよ、
ちょっと待っててね」





―――よかった。いるんだ・・・





義斗「よっ!」





恵里那「めっちゃ元気じゃん。。
どうしたの?」





義斗「いやー、
ゲーム依存みたいな?(笑)」





恵里那「いや、学校来なよ(笑)
これ溜まってたプリント」





義斗「さんきゅ。
ま、気が向けば行くわ」





恵里那「待ってるぞっ(笑)
じゃあねー♪」





義斗「おぉ!」





―――なんだ、普通じゃん。
義斗は義斗のままじゃん。













*。・ 6月 ・。*





生徒達「誰?」





「ニコ小の?」





「義斗だ!」





男子達「おい、義斗!
なんで学校
来なかったんだよ!(笑)」





義斗「久しぶりー、
んと、ゲーム依存」





男子達「俺らも
ゲームしてぇんだぞ!(笑)」





「そうだ、そうだ!」





義斗「わりぃ!
ごめんな!(笑)」





女子達「え、待って、
待って、待って。」





「かっこいいんだけど」





「やば、イケメンだ!」





恵里那「真奈おはよー!
なんでこんな騒いでる・・・」





真奈「恵里那!
義斗!!」





恵里那「ホントだ!」





真奈「めっちゃ
久しぶりだわー」





恵里那「そーうだね!」





その時、
義斗と目があった。
こっちに来るようだ。





義斗「よっ!
久しぶりだな!」





真奈「だねー懐かしー」





恵里那「それなーぁ!」





キーンコーンカーンコーン♪
(チャイム音)





義斗「やべっ、」





みんなそれぞれの
席に着いた。













*。・ 放課後の帰り道 ・。*





義斗「恵里那って
部活入ってないんだ?」





恵里那「私ダンス続けるために
帰宅部にしたから
特には入ってないけど・・・」





義斗「お前さ、
LINEやってるよな?」





恵里那「うん」





義斗「じゃ、交換しよ!
俺スマホやっと
買ってもらえたから!(笑)」





恵里那「いいよー♪」





義斗「俺、今日お前の家行くわ!
4時(16時)くらいには行く。
じゃあな!」





恵里那「じゃあね!」













*。・ 恵里那宅 ・。*





―――あれ?
義斗に私の家教えたっけ?





外出てみるか・・・





スマホをポッケに入れて
住宅街を走り出した。





―――今は、、





「4時50分(16:50)。
もう5時(17:00)じゃん」





またポッケに入れて
走り出した。





角を曲がったとき、
人影が見えた。





恵里那「義斗だ」





ハァッ、ハァッ、、





恵里那「義斗、
家分かんなかったでしょ?(笑)
教えてなかった、ごめん(笑)」





義斗「いや、こちらこそ、
走らせて悪い」





恵里那「全然・・・あっ!
LINE! 交換しよ!」





義斗「あぁ!」





―――異性を一生懸命に
追いかけるとか。





私の中でだんだん義斗が
“友達”から”好きな人”に
変わってゆくのが分かった。





そんなある日、
急に学校に来なくなって、
連絡も取れなくなった。





けど、今日





《どうしたの?》





って入れてみた。。





何分経っても
何時間経っても
義斗からの連絡は
来なかった。





ある日、お母さんから
言われた。





母「恵里那、
義斗くん来てる?」





恵里那「義斗、、?
前来てたけど
最近来てないよ。
何かあった?」





母「今日、親戚のおばさんの病院に
お見舞いに行って来たの。
そしたら義斗くんっぽい人がいて、、」





恵里那「え?!
どんな感じだった!?」





母「おばさんが205病室で
その隣の病室でチラッと
見えただけだけど、
結構辛そうだったかな」





恵里那「待って、ニコ病院だよね?
ちょっと行って来て良い?!!」





母「え?!」





恵里那「義斗が
苦しんでるから!
行って来る!!」





―――義斗、義斗、!





私は全力で走った。





じめっとした空気の中、
雨がパラパラと
肩に落ちてる。





病院に入った瞬間に
看護師さんに、





恵里那「義斗!
あ、野口義斗くんのお見舞です。
病室棟はどこの方面ですか?!」





看護師「お見舞いですか?
えっと・・・
あちらのエレベーターで
3階に上がってもらって、
右手に病室棟がありますよ。
・・・大丈夫?
濡れてるけど、」





恵里那「大丈夫です!
少し雨が降ってただけなので。
ありがとうございました!」





―――えっと、205の隣・・・





あそこだっ!





ガラッ(ドアの音)





恵里那「義斗っ!」





義斗と義斗の家族が
目を丸くして私を見た。





義斗の母「恵里那ちゃん・・・」





義斗「・・・えり、な」





恵里那「ぇ・・・」





苦しそうに私の名前を呼ぶ
義斗をみて、涙が出てきた。





義斗「ごめん、、最期に、
1つ、だけっ、
聞いて欲しい・・・」





私は泣いたまま、
義斗の目をきちんとみて
頷いた。





義斗「俺、さ、、
小学校の時から・・・
お前が好き、だった、、」





恵里那「・・・ありがとう、、」





義斗「俺は死ぬ、
けど、俺のこと・・・
忘れないで、くれるか、、?」





私は、涙を拭って言った。





恵里那「私も、義斗が好き。
大好き。
もちろん、忘れない。
離れてても
ずっと一緒だから」





義斗「え、りな、
みんな・・・
ありが・・・とう、」





そういって義斗の目が
閉じていった。





義斗の家族「義斗ーー!」





「義斗、、」





恵里那「義斗・・・」













☆____________☆





帰っても
私は何も言わず
部屋に入って、
1人で泣いた。





そのとき、机の上に
1通の手紙があることに
気づいた。





義斗からだ。





すぐさま封筒を
開けてみた。





*******************************************@
恵里那へ
突然だけど、俺の寿命はあと2日。
言い出せなくて、ごめん。
恵里那のLINEが来たとき、どうすれば良いか
分からなくて、見れなかった。
あと、俺はお前が好きだ。
小学生の時から、ずっと。
俺のこと、忘れないで欲しい。
今までありがとう。
                義斗より
*******************************************@





短い文章の中に
義斗の気持ちが
全部入ってた気がして、
もっと涙が溢れ出てきた。





義斗、、ありがとう。













☆_______________☆





あれから3年。





私は高校1年生になった。





梅雨は嫌い。





だけど、義斗との思い出が
たくさん蘇ってきて、





義人への思いが
どんどん強くなっていく。







外には雨が降っていた。







*end*

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