実ったのは君のおかげ

CAST町田 恵里那町田 恵里那

作者:まりんご

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.02.01

沙良「恵里那ちゃん、
純也君が好きなんだってぇー?」





恵里那「えーーーーーー!?」





いつもの部活中に
沙良先輩の放ったひと言。





私はニコラ中2年で
吹奏楽部に入っており、
ホルンを吹いている。





沙良先輩はキャラ者大好きの
天然な先輩。





いちお(笑)
ホルンのパートリーダー。





星華「なになに?
恵里那ちゃんの好きな人!?」





今のは草野星華先輩。





お笑いが大好きの
ムードメーカー。





星華先輩がいないと
ホルンは静か、っていうくらい(笑)





恵里那「違いますからねぇー?」





まのか「あー! 恵里那ちゃん
照れ隠しっ?」





広瀬まのか先輩。





大人しくておっとりしてる、
優しい先輩。





まぁ、ホルンでいるときは
騒がしいんだけどね(笑)





遙「えー恵里那、初耳だぞぉ。
あ、ちなみに純也はバスケ部!!」





平澤遙。
言動自由人な変わり者。笑





あ! ちなみに同い年ね。





こともあろうにホルンの先輩は
私の好きな人が純也だと
思ってしまった。





あ! 私は町田恵里那!
韓国が好きなんだあー。











―――――― キリトリ ――――――





言われてみれば、
好きな人なんて
考えたことなかった。





だって、中学生のうちに恋しなくても
高校生になれば必然的に
付き合うものだと思っていたから。













―――――― キリトリ ――――――





純也と言えば
天然モテ男子。





クラスでは中心キャラ。





私からは話しかけることのできない、
そんな存在。





LINEで極たまに話したりするけど、
それは私の一方通行。





なにか聞いても
「うん!」とか「はーい」しか
返ってこないのが悲しい。





ん・・・?





なんで悲しいの?





私、純也のことなんて
好きじゃないのに?





私、先輩との話で純也のこと、
意識してるのかな。





でも確かに
純也といる時は楽しい。





話してても
自然に笑えるし。





・・・好き、なのかな?













―――――― キリトリ ――――――





いつしか私の楽譜は
先輩の落書きの
「わたえじゅんや」で
埋まっていくのであった。













*。・ 体育祭 ・。*





星華「純也、何に出るの?
種目」





同じテントにいた星華先輩に
そう聞かれた。





恵里那「幅跳びとリレー」





星華「リレーかあ。
選抜メン?」





私の学校は
少し変わっている。





幅跳びや高跳びを始める
フィールド。





100m、200mの
短距離。





1000mや
1500mなどの長距離。





クラス対抗の
2人3脚リレー。





クラスから速い人
男女計15人で走る
選抜リレー。





あとは応援合戦などがある。





ちなみに私は200mと
選抜リレーに出る。





恵里那「そーそー。
純也早いからさあ」





星華「あー!! なんで
そんなこと知ってるの?
もしかして好きだから?
うふふっ」





恵里那「もー!
星華先輩ぃぃぃ」





でも実はそうだったり、
するのかな。





先生(アナウンス)「2年生、
選抜リレーに出場する人は
門に集まって下さい」





星華「あ! 純也行くじゃーん。
頑張れって言ってあげてよー!」





恵里那「先輩何言ってんですか?笑
私も走りますよー笑」





星華「嘘でしょぉ!? 何走目?
純也も!!」





恵里那「14走目ですよ!
ちゃんと目を見開いて
見ててくださいねー!
ちなみに純也は15走目です!!」





そう、純也は私の次なのだ。





星華「きゃー!!
恵里那ちゃんの次なんて!!
運命だ! 運命運命!!!」





恵里那「もー星華
先輩興奮しすぎ(笑)
じゃあ行ってきますね!」





星華「頑張れぇぇぇ!」





もちろん、頑張って走る。





純也に1位のまま
バトンを渡したい。





そして気づいたこの気持ちを
伝えたい。





先生(アナウンス)「On Your Marks.
Set,
Go!」





1走目がスタートした。





私達のクラスのハチマキは桃色。
桃色は3番だ。





2走目、速い。





1気に1番に躍り出た。





私の前で多少順位が変わるも、
バトンを手にした時は1番だった。





絶対に。





絶対に・・・





その思いはグラウンドを
駆け上がって行くごとに
強くなる。





風が強く吹いてきた。





向かい風だ。





でも負けない。





負けたく、ない。





・・・好きだから。







砂の匂いがする。





あれ、砂って
どんな匂いだっけ。





そんなことを考える。





前を見た。





純也がいる。





大きく、手を振っている。





行け!! 私。





恵里那「好きーーーーーーー
頑張ってーーーーーー!」





バトンを渡した。





聞こえたかな。





聞こえてるといいな。





純也はまるで私の気持ちに
応えるようにニコッと笑い、





全速力で走り出した。









ゴールテープを切った。





純也の笑顔が輝いている。





目が合った。





微笑んだ。





嬉しかった。





純也は朝礼台に登った。





あれ?
こんな光景あったけ?





皆がそのような顔をする。





もちろん私も。





マイクからキーーンと
高鳴りがした。





思わず耳を塞ぐ。





純也「俺、言いたいことあるんです」





なにそれ?





今までリレー教えてくれた先生に
「ありがとうございました」
って言うとか?





そーいうの定番だよねぇ。





純也「俺が1番でゴール出来たのには
訳があるんです」





あっ、やっぱ先生?





純也、アンカーだし。





先生に1番教わってたよね。





純也「ある人が声、
掛けてくれたんです。
『がんばれ』って。
その言葉で救われた気がするんです」





あーやっぱ純也はクラスでも
中心キャラだし?





先生に言われるのも
当たり前だよねぇ。





そんなことを思っているのは
私だけなのか?





周りが騒がしくなってきた。





とくにホルンの皆なんて。





沙良「純也ー。
恵里那ちゃんに
告白ですかあ?」





星華「両思いとか?
うふふっ」





まのか「恵里那ちゃん
おめでとー!」





遙「リア充うらやまぁー」





決してホルンの皆の声を
聞こうとしてる訳ではないのに。





ホルンの皆が
叫ぶ声ばかり聞こえる。





え、告白って。笑





そんなことないでしょ。笑





あの”純也”に限って・・・





てか、周りに聞こえるの
恥ずいからやめてぇー。





純也「俺、好きです。
好きな人がいます」





女子「キャー!!」





天然モテキャラの純也だ。





狙ってる女子も多い。





歓声が聞こえる。





純也「2年2組の」





その途端、先生を含めた皆が
2組のテントをガン見した。





星華先輩はジャンプをして
私に何か伝えている。





歓声が大きくなりすぎて
もう先輩の声は聞こえない。





U I O?





ういお? ? ?





意味が分からない。





周りは叫んでいる。





ん? なにか視線を
感じるような・・・





純也「グラウンドにいる君。
うしろを見てほしい」





ん? うしろ?





うしろ?





!!!





星華先輩が言っていたことは
“うしろ”?





振り返ると――――――





君がいた。





あの笑顔の君がいた。





純也「俺の好きな人はこの人。
町田恵里那です」





そこでまた
女子の歓声が上がる。





視線が怖いような
気もする。





純也「恵里那、
付き合ってほしい」





沙良「恵里那ちゃん!
OKって言うんだよー!!」





そんな声が聞こえた。





「どうして私じゃないの!?」





泣き出す女子もいた。





誰になんと言われようと
答えは始めから決まっている。





もちろん、





恵里那「お願いしますっ!!」







*END*

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