幽霊の君は僕を好きだった。

CAST八神 遼介八神 遼介

作者:スター

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.07.23

君の名前も・・・





どこの学校かも・・・





どこに住んでるのかも・・・







全て知らない。









言えば僕と君は
赤の他人。





なのに・・・





なのに・・・







なぜ君が頭から
離れないのでしょう?











・・・。・・・。・・・。*





午後6時。





いつも通りに
僕、八神リョウスケは
塾に向かう。





僕が通ってる塾は
少し特別で
生徒と先生が
個別に授業をする。





要するに、
個別授業をする塾だ。





そのおかげで、
勉強では成績優秀。





でも、
唯一あれだけが・・・





僕はあの教科以外は
成績優秀だ。





あの教科って?
英語だよ。
全く理解不能だね。





何だよ、
疑問詞って。
be動詞って何?
そんな感じだ。





だから、
塾に行って
教えてもらってる。





今日もだ。
階段を登り、
扉を開く。





カランカラン。





「こんにちは」





塾長が挨拶する。





リョウスケ「こんにちは」





そう言い、
僕はいつもの席に向かう。





席に座り、
英語のドリルを開く。







5分後・・・





ギブ。
見てるだけで
気持ち悪い。
吐き気がする・・・





すると、
隣に誰かが座る。





見ると、女の子が
座っていた。
同い年ぐらいだろうか?





彼女は鞄から
数学のドリルを出し、開く。





そして、
物すごい勢いで
解き始める。





す、すごい・・・
よくも、そんな・・・





すると、
彼女が振り向く。





見られていることに
気がついたようだ。





彼女はニコッと笑う。
そして、
また解き始める。





か、可愛い・・・





その瞬間、
僕は君に恋をした。







一目惚れだろうか?





名前も、学校も、
どこに住んでるのかも
知らない君に。













*☆・・・。・・・。・・・。





次の週、
僕は君に
話しかけようとした。





話しかける内容は
何個も考えてきた。





そして、いよいよ
口を開く。





リョウスケ「あのー・・・」





反応した。





辺りを確認して
私だと理解したらしい。





??「はい。
なんですか?」





めっちゃ可愛い声!
天使のようだ。





一瞬、何していたかを忘れる。





はっとなり、冷静に戻る。





リョウスケ「す、数学
苦手なんですか?」





はーい、
ここで見知らぬ人に
話しかける時に使える
簡単なポイントを教えるよ!





ポイント1!
まずは、名前じゃなくて
身近な事から話しかける!
親近感を持てるよ!





脳内でテレビ番組が始まる。





この時、僕って
馬鹿だな~と思う。





??「え?
あっ、はい・・・」





リョウスケ「そうなんだ~」





??「君は?」





リョウスケ「僕は英語。
全く分からなくて・・・」





??「そうなんだ~」





はーい、
ここでポイント2!





次に名前を言う!
こんな感じにね!





リョウスケ「あっ、
自己紹介忘れてたね!
僕は八神リョウスケ」





??「私は、川原ミアン」





リョウスケ「へぇー、
ミアンちゃんって言うんだ~!
宜しくね!」





ミアン「こちらこそ、
宜しくね。リョウスケくん!」





これで、会話は終了。





よくやった、俺!





来週は、
学校について聞こう。
と、内容を考える。













・・・。・・・。・・・。*





次の週、僕はミアンちゃんに
学校について
聞いてみることにした。





今日もミアンちゃんは
僕の隣に座る。





リョウスケ「あのー、
ミアンちゃん!」





反応する。





小動物みたいで可愛い・・・





ミアン「あっ、リョウスケくん!」





良かった~!
名前覚えてくれてた~!





ミアン「どうしたの?」





彼女は手を止め、
僕に方向を向ける。





何とも気配りが
できる子なんだろう・・・
と、感動する。





すかさず内容に戻る。





リョウスケ「ミアンちゃんって、
どこ中なの?」





ミアン「新潮中だよ!
リョウスケくんは?」





リョウスケ「ぼ、僕はニコラ学園」





ミアン「そうなんだ~!
結構、近いね!」





よし、このまま
どこに住んでるのかも
聞いちゃえ!





僕はすかさず聞く。





リョウスケ「どこら辺に
住んでるの?」





ミアン「新潮スーパー分かる?」





リョウスケ「うん、
あの○○通りに
あるのでしょ?」





ミアン「うん、そうそう!
そこら辺に住んでるんだ~!」





リョウスケ「えっ、結構近い!」





あまりの近さに驚く。





ミアン「えっ、
リョウスケくんって
どこに住んでるの?」





リョウスケ「僕は、
新潮小の近く!」





ミアン「えっ、近っ!」





う、嬉しい・・・
家も近くて、
こんなに話せるなんて・・・
感動!





あっという間に
時間は過ぎ、
先生が来た。





ミアン「じゃあね~!」





リョウスケ「じゃあね!」





その日はそれで
終了だった。





来週は何話そう?













*☆・・・。・・・。・・・。





次の週になった。





僕はいつも通りに
塾に向かう。





ミアン「あっ、リョウスケくん!」





リョウスケ「ミアンちゃん!」





向こうから
声をかけてくれるなんて・・・
感動!





僕はいつもの席に座ると、
ミアンちゃんの
方向に向いた。





ミアン「あのー、
リョウスケくん・・・」





リョウスケ「ん?」





初めて
ミアンちゃんの方から
話しかけてくれた!
感動!





ミアン「いつも、
ちゃん付けで呼んでるけど、
ミアンでいいよ!」





おー、ついにここまで・・・
感動!





もう、今日は
感動の連鎖だ!





リョウスケ「分かった!
じゃあ、僕も
リョウスケでいいよ!」





ミアン「了解!」





か、可愛い・・・





なんで君はこんなに
可愛いんだ?







その日は色々話した。





学校のこと、
勉強のこと、
家のこと。





とにかく
沢山話した。





そして・・・





ミアン「リョウスケって、
英語が苦手なんだよね?」





リョウスケ「そうだよ」





ミアン「じゃあさ、
私ね英語得意だから
教えてあげるよ!
こう見えても英検2級
持ってる人ですから」





リョウスケ「えっ!?
英検2級!?
す、すごい・・・」





頭も良くて、
しかも可愛いなんて
君は本当に天使だな~。
感動!





リョウスケ「でも、そしたら
ミアンが勉強・・・」





ミアン「いいの、いいの!」





本当にそんなんで
いいのかな~?





あっ、そうだ!





リョウスケ「じゃあ、
僕がミアンに
数学教えるよ!」





ミアン「いいよ、いいよ!
悪いから!」





リョウスケ「ミアンが
教えてくれるんだから、
それなりにはしなきゃ!」





ミアン「じゃ、じゃあ・・・
お願いします」





よし!
これでまた一歩
距離が近づいた!





皆には分からないかも
知れないけど、
これはデートにでも
誘った感じのようなものなんだ!





もう、感動!





本当に今日は
感動祭りだ!





ミアン「じゃあ、交互に
教えるのはどうかな?」





リョウスケ「いいね、それ!」





ミアン「私が誘ったから
次の週は私が教えて、
その次の週は
リョウスケが教えるのでOK?」





リョウスケ「了解!」







その日はこれで終了。
はー、楽しかったな!





顔には出さないけど、
脳内は
お祭り騒ぎなんだよねぇー。













・・・。・・・。・・・。*





次の週から
僕たちは
勉強を教え合った。





ミアン「ここは、
疑問詞だから・・・」





リョウスケ「whatになるのか!
なるほど!」





ミアンは
教え方が上手い。





ミアンみたいに
教えれるか
心配になってきた(汗)





英語も得意になれそう!





いつも君のことを
考えてしまう。





君のことが
夢に出てきてしまう。





君に運命を
感じてしまう。





君のことが
大好きです。







決めた。
告白する。













*☆・・・。・・・。・・・。





次の週に
なりました。





今日は僕の念願の
告白する日です。





いつも通りに
塾に向かう僕は
何を言おうか
悩んでる最中です。





リョウスケ「やっぱり、
率直に好きですかな?
それとも、もうちょい
カッコよく?
もう分かんねぇよ!」





はっとなる。





辺りを見回し、
周りに誰もいないことを確認し
ほっとする。





リョウスケ「良かった~」





階段を登り、
扉を開く。





「こんにちは」





塾長だ。





「こんにちは」と言うと
いつもの席に向かう。
ミアンを呼ぼうとした。





でも、君はいなかった。





気になって、
塾長に聞いた。





リョウスケ「今日、ミアン
休みですか?」





すると、塾長は
困った顔をした。





リョウスケ「何かあったんですか!?」





すると、塾長は
困った顔で。





「ミアンちゃんは
もういないよ」
と言った。





え?
ミアンがもういない?





辞めたの?
そんな、馬鹿な・・・





リョウスケ「辞めたんですか!?」





気になって
聞いてみる。





塾長はついに
観念したみたいで
口を開き、こう言った。





「ミアンちゃんは・・・」





そのあとは僕は・・・





泣いた・・・







塾長はこう言った。







「ミアンちゃんは・・・
もうこの世にはいない・・・」













君のことを
考えてしまう。





君のことが
夢に出てきてしまう。







君は僕の初恋だった。







君に僕は
一目惚れをした。







君に言いたかった。





大好きだよって。







なのに君は・・・





行ってしまった・・・







また君に会いたい・・・





会いたい・・・







「会えるよ」





へ?





僕は声のする方を向く。





リョウスケ「ミアン・・・」





ダメだ。
大好きすぎて
幻まで見えてきた。





「幻じゃないよ!」





リョウスケ「本当に
ミアンなのか?」





「うん!」





リョウスケ「ミアン・・・」





僕はミアンに
抱きつこうとした。





でも・・・
出来なかった。







ミアン「やっぱり、
幽霊だと
触れないのか~」





僕の手はミアンを
すり抜けていた。





「誰と喋ってるの?」





振り向くと塾長が
ビックリしたような顔をして
僕を見ていた。





リョウスケ「え? ミアン・・・」





ミアン「私はリョウスケ以外には
見えないよ」





はっとなり、
「なんでもないです」
と言う。





塾長が「そう」と言い、
その場を離れると
僕はミアンに向き直った。





リョウスケ「久しぶり」





ミアン「1週間ぶりだけどね(笑)」





リョウスケ「あっ、そうだった(笑)」





待って、待って。
目の前にいるのは
ミアンなんだよね?
幽霊だけど・・・





伝えられるじゃん!
気持ち、伝えなきゃ!





リョウスケ「ミアン!
僕、言いたいことがあるんだ!」





ミアン「え、何?」





リョウスケ「ミアンのことが・・・」





ミアン「好き!」





リョウスケ「へ?」





今、好きって言ったよね?





それって、
両思いだったってこと?





え? めっちゃ
嬉しいんだけど・・・





ミアン「付き合えないけど、
私のこと
ずっと好きでいてくれる?」





リョウスケ「うん!」





幽霊の君は
僕を好きだった。







*END*
*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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