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運命の肝試し

CAST中瀬 梨里中瀬 梨里

作者:じゅりな

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.08.16

夏。





私は、あの夏休みを
思い出す。





そう、それは
いまから8年前・・・









*・*・・・*・・・*・*





「さようなら!」





「さようなら!」





皆の元気な声が、
教室に響いた。





元気な声のウラには、
一大イベントへの
ワクワクがあるんだろうな!

















・*。・ 下校 ・。*・





あ、言い忘れてた、
私の名前は中瀬リリ!





みんなからはリリって
呼ばれてるよ!





「リリ、一緒に帰ろ!」





あ、リコだ!





「うん!」





リコは、小学校からの親友。
いつも一緒なんだ!





「ねぇ、リコ、
明日から夏休みだよ!」





「そうだねー、楽しみ」





「でもさー、
夏休みといえば、
やっぱあれだよね」





「うん! あれね」





あれ、とは、毎年夏休みに
生徒会が企画してる一大イベント!





肝試し。





男女ペアになって、
夜の学校でミッションを
達成するんだ。





「リリ、ミサキくんと
ペアになれるといいね」





「ちょ、リコー」





リコが言った通り、
私の好きな人はミサキくん。





ホントはペアになれたらいいな、
なんて思ってるんだ。





「でも、リリカが心配だな」





「リコ、やめよ」





「そだね、ゴメンね・・・」





エラそうなこと言って、
実は私も心配。





リリカちゃんも、
ミサキくんのことが
好きらしいの。





「じゃ、またね、リリ!」





「ばいばーい」

















・*。・ 数日後 ・。*・





ざわざわ。





参加者全員が集まった校庭。





『これより、ニコラ学園
肝試し大会を始めます!』





わぁ! っと、歓声がわき起こる。





いよいよ、クジ引きだ!





「行こ、リリ!」





「うん!」





女の子たちが、並び始める。





ミサキくんと、
ペアになれるかな?





私は思い切って
クジを引いた。





【K‐5】





そう書いてあった。





そして、ペア探し。





「K‐5の人、誰?」





聞き覚えのある声だった。





「あ、リリ? よろしくな!」





「ミサキくん・・・」





やった・・・!
ミサキくんとペアだ!





「よかったじゃん、リリ!」





「リコ! ありがと」

















*・*・・・*・・・*・*





『Kグループ、どうぞー』





いよいよだ。





やばい、キンチョーして
手が震える。





「どうした、リリ?
怖いのか?」





「ううん、だいじょうぶ」





首を振ったら、突然、
ミサキくんの手が
私の手に触れた。





「・・・え」





「今だけだぞ」





私は、ぎゅっと
ミサキの手を握った。





ダメだ。
胸が、苦しい。





「・・・ミサキ」





「ん?」





「私ね、ミサキのことが・・・」





好き、と言おうとした瞬間。





下駄のかかとを踏まれた。





「危ない!」





ぐいっとミサキくんが
私の腕を引っぱってくれた。





「だいじょうぶか? リリ」





ミサキくんが
私の顔をのぞきこんだ。





「あ、ゴメンね、リリー」





リリカちゃん!





そして、こしょこしょ話で
話しかけてきた。





「何いい雰囲気になってんの、リリ?」





ひぇー!





「ご、ごめんなさい・・・」





ど、どうすればいいのかなぁ?





「ちょっと、リリは悪くないよ!
あやまるのは
リリカの方だと思うけど」





リコ・・・





「あぁ。
俺にはわざとに見えたぞ、リリカ」





「そ、そんなことないし!」





ミサキくんも・・・





「それに、そんなことしたって、
俺はお前を好きにならないぞ」





ミサキくんがそう言うと、
リリカちゃんは悔しそうに
去っていった。





「ゴメンね、ミサキくん、リコ」





「いや。
そうだ、リリ、ケガないか?」





「ううん。ありがと」





私とミサキくんが話していると、
リコが静かに去っていった。





ミサキくんは、前にリリカちゃんに
告白されたらしい。





それを断ったんだって。





だから、俺は好きにならないって
言ってたんだね。





「そうだ、さっき
リリが言いかけてたことって、何?」





あ、私、勢いで
告白しようとしてたんだよね。





「あ、やっぱなんでもない」





「何だよ、気になる」





どうしよ・・・





「俺のことが・・・?」





「・・・ミサキくんのことが、好き」





やば、言っちゃった。





「実は、俺も、リリのこと好きだよ」

















*・*・・・*・・・*・*





8年後。





「行ってらっしゃい、ミサキ」





「行ってきます、リリ!」





私たちは、結ばれたんだ。





いま、幸せ。





私たちを結んでくれた、
あの肝試しを忘れないよ!







*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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