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恋するかんなちゃん

CAST葵 かんな葵 かんな

作者:リヴ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.07.13

幼なじみ同士が両想いで
結ばれるなんて、
現実ではとても難しいことなの。





それなのに、ワガママな私の想いは
簡単には消えてくれない・・・





私は、葵かんな!
これだけは負けないってものがある。





それは・・・リュウくんへの想い。





あっ、リュウくんっていうのは、
竹内リュウトのこと。
幼なじみなんだ。





ずっとずっと、好きなの。





・・・リュウくんは、
私のことなんて好きじゃない。





きっと、手のかかる幼なじみって
思われてるだけ。





幼なじみって関係がなかったら、
一生話すことなんて
なかったかもしれない。





私と違って、リュウくんは頭もいいし、
かっこいいから、すごくモテる。





ライバル多すぎるよ!
ってぐらい、モテてる。





・・・だから、この想いは
届かなくてもいい。





今のままでいい。





好きになるのは、好きでいるのは、
自由だもんね。





ひかる「かんな! おっは~」





かんな「ひかる、おはよう。
あれっ、大野くんは?」





ひかる「今日は朝練あるから
先行ってるの。
ハル、次の大会近いから、
練習で忙しいみたい」





かんな「そうなんだ~。
応援行ってあげなよね!」





この話の流れでわかると思いますが、
ひかるは隣のクラスの大野くんと
付き合ってるの!





天使フェイスの美少女・ひかると
優しくて運動神経抜群の
大野くんのカップルは、





本当にお似合いで
見てるほうがうらやましくなる。





かんな「あっ、リュウくん!
お、おはよっ」





リュウト「あ、かんな。おはよ」





リュウトのこと、
「リュウくん」
って呼ぶのは私だけ。





小さい頃からずっと
リュウくんって呼んでるから、
そのクセが抜けない。





ひかる「あーっと、あたし、
ハルの朝練見てみたいから、
先行くね!」





にやにやしながら、
ひかるが手を振る。





私の気持ちを知っているのは、
親友のひかるだけ。





・・・気をつかわせちゃったかな?
あとでお礼言っとかないと。





リュウト「あいつら、マジで仲いいよな」





かんな「だよね~。すっごいお似合いだし。
この学校のベストカップルだね」





ねえ、リュウくんは
知らないんでしょ?





こうやって今までと
同じように話してるだけで、
私がどきどきして
おかしくなりそうなこと。





舌かみそうなぐらい、
緊張してること。





リュウト「最近、カップル増えたよな」





かんな「そうだね。いいなあ」





心の声がもれちゃった。
言ってから、ヤバッと口を押える。





リュウト「へえ。
いいなあ、なんて思うんだ」





にやにやした笑顔。
幼なじみだからわかる。





リュウくんは今、完全に
私をからかっている。





かんな「わ、悪い!?
私だってお年頃だもん。
恋に憧れたりもしますーっ」





リュウト「ふーん。好きな人がいるの?」





かんな「ええっ。い、いないよっ」





嘘。いるんだよ、目の前に。





こうやって、どんどん嘘を重ねていって、
秘密もいっぱい作るようになった。





昔はなんでも話していたのに。
私たちも少しずつ変わっていく。





リュウト「ふーん。つまんないな」





かんな「ちょっと!
つまんないって何よー」





リュウト「そのまんまだよ」





かんな「失礼ね!」





話がそれたことにほっとしながら、
リュウくんとどうでもいいようなことを
話して、笑って。





そんなうちに、学校に着く。





さくらこ「あっ、リュウト! おはよう」





教室に入った瞬間、さくらこちゃんの
甘~い挨拶が響く。





さくらこちゃんがリュウくんのことを
好きだということが、
いやでもわかる声だった。





リュウト「ああ、畠、おはよ」





さくらこ「あーっ、なんかそっけなーい。
そんなことしたら、私すねちゃうよ?」





さくらこちゃんがリュウくんに
軽くボディタッチ。





やめて! リュウくんに
近づかないで!!





なーんて、言える立場じゃないから、
黙ってる。





心の中で、何度も叫んでも、
実際にそう言えるわけがない。





だって、私はリュウくんの
「幼なじみ」で
「彼女」ではないのだから。













*。・ 昼休み ・。*





さくらこちゃんはずっと
リュウくんの側を離れない。





モテ女のさくらこちゃんが
ライバルなんて、
私が勝てるはずないよ・・・





泣きたい気分だった。





ひかる「さくらこちゃん、
竹内くんのことが
そーとー大好きみたいだね」





ひかるが苦笑する。





かんな「ほんとだよーっ。
どうしよう・・・
さくらこちゃんがライバルだなんて、
お腹が痛いよ・・・」





ひかる「こーら。心折れかけてるよ!
弱音をはかない!
かんなには『幼なじみ』っていう
肩書があるんだよ!
それだけですごく有利なんだから」





かんな「そんなことない。
だって、女子として
見られてないんだもん」





ひかる「まさか。竹内くん、
かんなのこと女子として
見てると思うよ?」





かんな「だって・・・」





リュウくんの側にいられるなら、
フラれて傷ついてしまうくらいなら、
幼なじみという関係でいい。





・・・本当は、彼氏彼女の関係に
なりたいけど、
なりたいんだけど!





叶わない夢は
見ないほうがいい。





傷ついてしまうのなら、
これぐらいのことはガマンする・・・













*。・ 放課後 ・。*





下駄箱で、急に声をかけられる。





リュウト「あ、かんなじゃん」





かんな「リュウくん!」





リュウト「ひとり?」





かんな「うん。
ひかるは大野くんの部活が
終わるの待ってから、
一緒に帰るんだって」





リュウト「ふーん・・・じゃあ、」





さくらこ「リュウト見っけ!」





リュウくんの言葉をかき消す、
さくらこちゃんのうれしそうな声。





さくらこ「今から帰るのぉ?
わたしもね、今から帰るんだ!」





甘えるような、可愛らしい声。





私なら、恥ずかしくて
絶対できない「甘える」行為を
さくらこちゃんは平気でやっている。





この時、もう勝ち目なんて
ないと悟ってしまった。





その瞬間、心臓が切り裂かれるように
痛かった。





リュウト「あ、ああ」





さくらこ「うーん?
なんだかお顔が赤いぞ?」





かんな「わ、私、先帰るね!」





リュウト「え、あ、かんな!?」





リュウくんの声を無視して、
私はふり返らずに駆け出した。





今までにないくらい、
心が痛くて、悲鳴を上げていた。
つらかった。





何も見たくなかった。
何も聞きたくなかった。





・・・もう、リュウくんへの気持ちなんて、
なくなってしまえばいいと思った。





リュウト「おい、かんな!」





かんな「リュ、リュウくん!?」





リュウくんは肩で息をしていて、
苦しそうだった。
私のために、走ってきてくれたんだ・・・!





リュウト「お前、なんで、急に消えるんだよ」





かんな「ごめん。でも、ああしないとダメな
雰囲気だったでしょ?
リュウくんとさくらこちゃん、
お似合いだしね。
2人は最近仲良いし」





しゃべっていないと
泣きだしてしまいそうで、
私は無理やり明るい調子で言った。





ねえ、リュウくん。察してよ。
私、今とても苦しいの。





彼女でもないくせに、
嫉妬なんかしてるんだよ?





こんなみにくいところ、
リュウくんに知られたくないんだよ・・・





リュウト「は? 何言ってんだ?」





かんな「さくらこちゃん、
一緒に帰りたがってたし、
早く戻ってあげなよ。
私は大丈夫だから」





ねっ、と微笑んだ。





上手な笑顔だったはずなのに、
リュウくんの顔はこわいままだ。





リュウト「なあ」





しばらくして、リュウくんが
ゆっくり口を開いた。





リュウト「お前、幼なじみなめすぎ」





かんな「え?」





リュウト「俺、お前の幼なじみ
何年やってると思ってんの?
お前の大丈夫が
大丈夫じゃないことぐらい、
よくわかってるし」





かんな「そ、そんなことないっ」





リュウト「ほら、それもそう。
俺がそう言ったら、お前は決まって
『そんなことない』って
答えるだろ。お見通しだよ」





そう言って、リュウくんは
にやっと笑った。





リュウト「本当のこと、言えよ。
どんなことでも、聞いてやるから」





かんな「・・・聞いたら、
私のこと嫌いになるよ」





リュウト「ならないよ」





かんな「なるよ! だって、私・・・」





そこまで言って、私はぐしゃっと
顔をゆがめた。





泣いたら負けだと思っていたのに、
涙が止まらなかった。





私が顔をおおって泣き出したから、
リュウくんは少し
戸惑ったみたいだった。





そして、ゆっくり手を上げて
私の頭を不器用になでてくれた。





驚いて顔を上げたら、
ばっちり目が合った。





リュウくんがにっこり笑う。





・・・昔と変わらない、
優しい笑顔だった。





リュウト「俺さ、かんなのこと
嫌いならない自信は十分にあるんだ。
だって、かんなは俺の初恋の相手で、
その初恋は今も続いてるから」





??????????





かんな「い、今、ななな、なんて?」





わ、私が初恋の相手?
どどどど、どういう
意味なんですかそれは!!!





リュウト「だーかーら!
何度も言わすなって。
いいか、これが最後だからよく聞け」





照れた様子で笑うと、
リュウトは両手で私の頬をはさんで
無理やり目を合わせた。





リュウトの瞳は、本当に
優しい色をしていた。





かんな「ちょっとリュウくん!
何するの!?」





リュウト「黙れよ。
お前は俺の初恋の相手で、
今も好き。
俺と付き合う気、ある?」





かんな「リュウくん・・・」





夢、じゃないよね?
現実だよね?





リュウくんが今、私に言ったこと
本当だよね?





かんな「本当なの・・・?」





リュウト「ああ」





かんな「私なんかで、いいの・・・?」





リュウト「かんながいいんだよ」





私は、また泣いてしまった。





さっきまでの涙とは違う、
幸福の涙だった。





もう、言ってもいいんだ。





かんな「私も大好きだよ」







*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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