売り切れチケットLOVE入手!?

CAST上妻 美咲上妻 美咲

作者:ほの

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.11.05

「本日の『KIRA☆RIAN』
LIVEチケットは完売いたしました」





私の目の前の看板に書かれた
大きな赤い文字。





ミサキ(ウソでしょ??
せっかく銀座まで来たのにぃ)





私の右手にはハンドバッグ。
左手には「KIRA☆RIAN」の応援うちわ。





LIVEに行く気満々だった。
のに・・・





「KIRA☆RIAN」は、今人気絶賛の
バンドアイドルグループ。





世界にも進出してるんだけど、
今日と明々後日(しあさって)限定で
ここ、銀座でLIVEが開かれるんだ。





私、ミサキは大ファンで、
塾のお休みとって来た。





でもLIVEチケットは当日販売で、
私も7時半に家を出て来た。





ミサキ(なのに売り切れなんて・・・)





私の不運症が顔を出したか・・・。。





目の前の長蛇の列では、
皆ワクワク、





時々「チケット買えたね?」
という声も聞こえる。





ミサキ「いいなぁ・・・」





思わずつぶやいちゃう。





仕方ない。
私はクルリと背を向けた。





しゃくだから、
SHOP巡りでもしようと
思ったその時。





?「はい」





右肩に手がかかった。





見ると、今日の日付が入った
「KIRA☆RIAN」のLIVEチケット。





ミサキ「え?」





(う・・・わ? 超イケメン。
スタイル良いぃ・・・
モデルさんみたい・・・)





私はしばらくその人に
見とれていた。





ミサキ(あれ? でもこの人、
どこから来たのかな?)





1人でボーッと考えていると。





?「はい」





その人はまたチケットを
差し出した。





?「チケット買えなかったんでしょ?
君にあげる」





ミサキ「え、で、でも・・・」





?「いいんだ。
俺、仕事の時間だし」





ミサキ「仕事・・・??」





?「──じゃっ!!」





ミサキ「え、ちょっ・・・!!」





その人は私にチケットを
押し付けて行ってしまった。





行き交う人々にまぎれてしまって、
もう姿が見えない。





ミサキ「困ったなぁ・・・」





その場には、
あの人の優しい香りだけが
残っていた。





その時。





スタッフ「LIVE会場開館でーす。
チケットを見せてご入場下さーい!!」





すると、入口に
人がドワッと集まった。





我先にと入場して行く。





ミサキ(このチケットを
ムダにできない・・・!!
よね・・・?)





私は入口に走って行った。

















★。。・☆。。★。。・☆。。・★。。・☆。。★。。・☆。。★





客「キャーキャー!!」





30分後。





「KIRA☆RIAN」のMCと共に
LIVEが始まった。





入場したのは最後だったから、
1番後ろだったけど、
ルナちゃん・ヒナノちゃん・
ソノマちゃん・リリカちゃんの可愛さは
十分伝わってくる。





めっちゃ楽しい・・・!!
はずなのに。





チケットをくれた
イケメン君の顔が忘れられない。





同い年くらいなのに、
仕事してるんだ。凄いな。





――ってか仕事の時間なのに、
チケット買うかなぁ。





もしかして・・・!!





LIVEが終わっても、電車の中でも、
ベッドの中でも、
イケメン君が忘れられない。





明日は学校の日。
眠れるかな・・・??

















★。。・☆。。★。。・☆。。・★。。・☆。。★。。・☆。。★





♪キーン・コーン・カーン・コーン♪





放課後になった。
委員会行かなくちゃ。





部活に行く子や、帰宅する子、
移動教室の子等。。。





廊下はごった返している。





曲がり角に差し掛かった時・・・
フワッ・・・





昨日のイケメン君の
香りがした。





私はバッと振り向く。
でもそこには
生徒会の人達がいるだけ。





ミサキ「あの人のこと考えすぎてる!!
バカバカ!!」





もう会えるはずないのに・・・





でも・・・
しあさって・・・















★。。・☆。。★。。・☆。。・★。。・☆。。★。。・☆。。★





ガヤガヤ・・・





ここは、銀座。
あの日とおんなじ場所にいる私。





もしかしたら、
また会えるんじゃないかって
思っちゃって。





あの人に気づいてもらえるように、
あの日と同じ格好。





同じヘアスタイル。
同じメイク。
同じアクセサリー。





会場の前には、
またまた列ができてる。





スタッフ「チケット残り10枚でーす!!」





ミサキ(ヤバイ。
あの人に会えないで終わるなんて・・・
ヤダよ・・・)





私。。。
泣きそう。。。





?「はい」





右肩に何かが触れた。





見ると、今日の日付が入った
「KIRA☆RIAN」のLIVEチケット。





ミサキ(!!!)





振り向くと、
確かにあの人だった。





あの人もあの日と同じ
格好だった。





同じ笑顔だった・・・





ミサキ「この香り・・・やっぱり!!」





いけない。
思わず口に出してしまった。





ナツ「覚えてくれていたんだ。
新潮中学校の生徒会長、
3‐A組の久野ナツでっす」





ミサキ「生徒会・・・長・・・・・・
あーーーーーーっ!!!!!!」





そういえばそうだ。
生徒会長の久野先輩。





学校でも有名な先輩。





私だって、
顔を知ってたはずなのに。





ナツ「ミサキちゃん」





先輩はニコッと笑った。





ナツ「好きです」





何が起きてるの・・・??





私・・・
初告白されてるの?





ミサキ「はっ・・・い!!」





ナツ「ありがとう。ミサキちゃん」





実は、私の憧れの先輩だった。





嬉しい。嬉しい。





「嬉しい!! 嬉しいです!!」





ナツ「・・・てことで」





先輩はチケットを
ヒラヒラさせた。





ナツ「LIVE行きますか」





ミサキ「はい・・・!!!!」





今回のLIVEは、
前回よりすごく楽しかった。





先輩が隣にいたんだもん!





先輩は、放送委員の私の声が
好きだったんだって。





でも、名前と顔を知ったら
心まで奪われちゃって・・・
だそうです。





そこで、偶然、
銀座でLIVEに向かう私を見ると、
チケット買っておいてくれたんだって。





「近距離なのに、
遠距離みたいな恋になっちゃったな」





先輩は言った。





「本当本当」





フツーの私には、
少しハードル高かったけど、
私は3年生になったら
生徒会長に立候補することにした。





先輩・・・





ミサキ「これからも、
よろしくお願いしますっ!!」





すると、「KIRA☆RIAN」が
デビュー曲、「white kiss」を歌ってた。





♪〈君は どこのだーれ?
わたしは ここのわたーしぃ
つたーえられなぁい
でも つたえたーいぃ!!

LOVE LOVE white kiss
けぇーかよければ!
すべてよーし〉





本当かも。





「KIRA☆RIAN」、
ありがとうございました。





追伸:
先輩の仕事は、
生徒会の仕事だったそうです。







・END・

*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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