本当の私を・・・見て？

CAST上妻美咲

作者：あげりんご

2023.11.02

サラサラな髪。

ぱっちりと開いた目。

ちょうどいい
鼻の長さ。

これこそが世界一の美女、
私、上妻ミサキなのであった。

・・・＊・・・＊・・・

こんにちは、
私の名前は、ミサキ。

控えめに言って、
自覚できるくらいの美女。

噂では、学年一
モテてるらしいんだよね。

ナツ「ミサキちゃん、
かわいいねぇー、
一緒に帰ろう??」

ミサキ「ごめんなさい、
今日はコハナと帰るから」

・・・＊・・・＊・・・

リョウ「好きだぁー
ミサキちゃぁん」

ミサキ「しつこいいいいいいいー！
無理なものは、無理なの！」

・・・＊・　帰り道　・＊・・・

（親友のコハナと帰っている）

コハナ「ミサキは、いいよー。
かわいいもん。
私の推し『アイドルグループニコラ』の、
カホちゃんよりかわいいもん」

ミサキ「そんなことないよ！」

カホちゃんなんて言ったら、
全国のＪＣ、ＪＫが
世界一好んでいるアイドル。

コハナ「そういえば今日、
美容院行くんだっけ？」

ミサキ「そう。
この１０年近く
伸ばしてきた髪とも、
今日でお別れか・・・
ボブにするんだー」

？「へー、ミサキ、
髪切るの？」

ミサキ「ヒャッ、
た、タイヨウ!?」

タイヨウは、私の幼馴染。
私の唯一まともに
しゃべれる男子。

他の男子は私にべったりで、
ちょっと苦手。

でも、タイヨウとは、
仲良く話せるんだー！

コハナ「もー、
ミサキのボブ姿に見とれて、
ほかの男子みたいに
ならないでよ？」

タイヨウ「笑笑、
リョウやナツみたいには
さすがにならねーよ」

・・・＊・　家　・＊・・・

ミサキ「ただいまー、
美容院行ってくるね」

母「ミサキ、
あそこの美容院、
県外に移転してしまったのよ・・・」

ミサキ「えーーーーーー!?」

うわあーん、
みんなにボブにするって
言っちゃったよお。

よーし、こうなったら
意地でも自分で
ボブにしてやる！

髪くらい、自分でも
切れるよね・・・？

・・・＊・　次の日　・＊・・・

コハナ「きゃー!!!!!
ミミミミミミミサキ!?
どうしたの、その髪の毛・・・？」

ミサキ「実は・・・」

私は、コハナに
すべてを話した。

美容院がなくなり、
自分で髪を切ったら失敗し、
私の印象がガラッと
変わってしまったと・・・

コハナ「・・・・、
とりあえず教室入ろう？」

ミサキ「うん・・・」

（ガラガラッ）

ミサキ「おはようございます・・・」

クラスのみんな「ミミミミミミミサキ、
ちゃん？」

ナツ「なんか、ダサ」

リョウ「・・・ミサキ、
俺やっぱミサキに告白するの
これからやめるわ」

ひどい。
私の外見が変わっただけで、
そんなにほかの人からの態度が
変わるなんて。

私今まで、
自分はモテてる、
どんな時でもみんな
私のことが好きって
思ってたけど、

そんなんじゃないんだ・・・

タイヨウ「・・・・」

・・・＊・・・＊・・・

次の日から
私はダテメガネをかけ、

優等生風を装って
登校した。

できるだけ
目立たないよう、
できるだけ静かに。

コハナやタイヨウ以外の人と、
できるだけ関わらず。

しかし、
いじめられている、私は。

ルミ「私、ミサキちゃんと
前まで仲良くしてたけどさー。
うすうす思ってたんだよねー
ミサキちゃん、
自分可愛いでしょアピールが
強すぎて、
ちょっと一緒にいるの
タルイなってたまに思ってたわけ」

ミアン「それな笑」

本当に悲しい。

コハナとタイヨウだけが
優しく接してくれてるのが救い―――。

ミサキ「グスッ、ウウウッ」

ナツ、リョウ「「うっせぇなあー
泣くなよー」」

タイヨウ「やめろっ！
ミサキは辛くても、
一生懸命学校に来て、
陰キャになっても
そういうおまえらの悪口に
耐えてるんだ！」

ナツ、リョウ「「・・・」」

ミサキ「ありがとう、タイヨウ」

タイヨウ「///　いや」

ミサキ「私、今まで気づかなかった。
人を好きになるってことは、
性格も大事、、なんだよね。
タイヨウ、私の性格を
ちゃんと理解して、
変わらず接してくれてありがとね」

タイヨウ「待って！
俺、ミサキが好き。
陰キャだったとしても、
明るくて、少し気取っているけど、
でもそんなの全然嘘で、
優しいところが好き！
付き合ってください！」

ミサキ「はい。
私も、内面までちゃんと見て
好きになってくれたタイヨウが、
大好き」

顔も性格も、大事だよね!!

＊HAPPY END＊