小さな冬の恋

CAST野崎 奈菜野崎 奈菜

作者:ユズぽん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.11.13

皆さんこんにちは。
中学3年生の
野崎奈菜です。





今は11月末。
受験シーズン真っ最中で、
私の中では、冬休みの
びっしり勉強スケジュールが
どんどん立てられていた。





だから、誰かと
過ごすだなんて、
ありえない。





そう思ってた。











*     *     *





日曜日。





私は、家の近くにある
図書館で勉強をしていた。





ふう、と息をはいて
周りを見回すと、
受験生らしき中学生が
勉強しているのが見えた。





もう席は、あまり
空いてないみたい。





でも、幸い私の近くには
人は座っていない。





早めに来ておいて
よかった~。





もう1度教科書に
目を落としたその時、
誰かが隣に立つ気配がした。





?「あの、隣座っても
いいですか?」





ゆったりとした
優しい声。





顔を上げると、
驚くようなイケメンが
私を見下ろしていた。





ナナ「え、あ・・・」





突然頭が真っ白になって、
何を言えばいいのか
わからなくなった。





?「あの、隣・・・」





ナナ「あっ、
ど、どうぞっ・・・」





すると、そのイケメンは
少し笑って、
私の隣に座った。





そして、私のノートや
問題集を見て、
口を開いた。





?「受験生なの?」





ナナ「え?
あ、はいっ」





突然話しかけられて
私はかなり
動揺してしまった。





私の慌てぶりを見た彼も、
慌てたように言った。





?「いきなり聞いてごめん!
俺も、受験生だから、
一緒だなって・・・
あ、俺戸部光翔ね。
よろしく!」





ナナ「私は、野崎奈菜です。
新潮中学の3年生です」





コウショウ「へえ~、
新潮中か。
俺、新潮東中」





ナナ「割と近いんですね・・・///」





コウショウ「うん、俺も思った。
ナナちゃんは、いつもここで
勉強してるの?」





ナナ「休日はだいたい・・・
こ、コウショウくんは?」





少したどたどしいけれど、
下の名前で読んでみると、
コウショウくんは
少し笑ってくれた。





コウショウ「うん、
たまに駅前も行くけどね」





へえ~。





コウショウくんは、
いつも笑顔で
私と話してくれた。





図書館で会うと、
お互いに得意教科を
教えあったり、
学校の話をしたり・・・





気づけば、冬休みまで
あと1週間になっていた。













*      *      *





ある日の休み時間。





私は、いつも一緒にいる友達と
雑談をしていた。





関谷ルキちゃんと
田中みなみちゃんと私は、
でこぼこ3人組と
呼ばれている。





ルキちゃんはいつも明るく、
クラスのムードメーカー。





みなみちゃんはかっこよくて
クールな大人キャラ。





私は、2人曰く
ガーリーな
お姉さんキャラらしい。





でも、そのでこぼこが
うまくはまったのか、
私たちはよく3人で話している。





ルキ「ねえねえ!
今度駅前のクレープ屋行かない?!
期間限定の新フレーバーが
あるんだって!」





ルキちゃんが
唐突に言い出した。





ナナ「勉強は?」





みなみ「そうそう。
ルキ、期末やばかったんでしょ」





私とみなみちゃんに
突っ込まれ、
ルキちゃんはう、とつまる。





ルキ「・・・ほら!
たまには息抜きも必要じゃん!
ってか、みなみはそんな
他人事みたいな顔してて、
自分は大丈夫なの?!」





みなみ「私は推薦もらってるんで」





ルキ「うう、そうだった・・・」





ルキちゃんは、
机に突っ伏して
うなだれている。





ナナ「一緒に頑張ろ、
ルキちゃん」





ルキ「はーい」





ルキちゃんがはあ~と
ため息をついた時、
私はコウショウくんのことを
思い出した。





ナナ「ねえ、実は最近・・・」





コウショウくんのことを
話してみると・・・、





ルキ「えええっ?!
なにそれっ!!」





みなみ「運命の出会いって
感じがする」





ナナ「えっ、
そ、そうなの?」





みなみ「うん。だって、
普通図書館で会って
そこまで話すとかある?
運命って感じ」





ナナ「たしかに、
珍しい・・・のかな?」





よくわからない。





だって、友達って、
そうやって
できるものじゃないの?





ルキ「いいな、いいな!
私も恋したい~!!」





みなみ「高校行ってからね」





ルキ「うう・・・」





2人がいつも通り
話している横で、
私はみなみちゃんの
さっきの言葉を思い出していた。













*     *     *





コウショウ「ねえ、
映画観に行かない?」





そう誘われたのは、
本当に突然だった。





ナナ「え?」





コウショウ「いや、
受験シーズンってのは
わかってるんだけど、
どうしても
観たい映画があって・・・」





ナナ「え、なんで私?」





コウショウ「ナナ、
好きそうだし」





どうしたことか。





コウショウくんから
映画に誘われるとは!





ナナ「どういう映画なの?」





コウショウ「え~と、
なんだっけ。
あの、去年の今頃やってた
探偵もののドラマ? のやつ!」





ナナ「ああ、あれ!
え、劇場版?!」





そのドラマは、
私が大好きな
シリーズなのだ。





まさか、
映画化してるなんて。





コウショウ「どう?」





ナナ「うーん、
冬休み入ってすぐなら
大丈夫、かな」





コウショウ「りょーかい!
じゃあ、また連絡する!」





ナナ「うん、ありがとう」





後から思い出したんだけど、
私、男子とお出かけしたこと
1度もない!





ああ、
どうなるんだろ・・・













*     *     *





当日。





私は、駅前の映画館に
来ていた。





コウショウ「おはよう!」





ナナ「おはよう!
今日はよろしくね」





コウショウ「うん」





私たちは、映画館で
ゆっくり映画を満喫した。





その後も、
お買い物をしたり、
お昼を食べたり・・・





一通り遊んだ後で、
私たちは
外に出ることにした。





でも・・・





ナナ「うわ・・・、
すっごい雨降ってる」





コウショウ「ほんと、
いきなりだなー」





どうしよう・・・





私、傘持ってない!





ナナ「コウショウくん、
どうする?」





コウショウ「うーん、
天気調べてみたら、
今日はずっと降るみたい。
待ってても遅くなるし・・・」





お母さんに迎えに来て
もらおうかな・・・





でも、コウショウくんは
どうするんだろ。





コウショウ「あ、俺傘持ってる」





ナナ「え、本当?」





コウショウくんは、
カバンから折りたたみ傘を
取り出した。





ナナ「じゃあ、
私、お母さんに電話して、
迎えに来てもらうね」





早速、私はお母さんに
電話をかけた。





でも・・・





ナナ「でない!」





なんで出ないの!!





するとコウショウくんが
口を開いた。





コウショウ「家まで送って行くよ」





ナナ「えええっ?!」





まって、
コウショウくんの傘で?





いやいや、
それはない・・・





コウショウ「俺の傘、入って」





あったー!!





ナナ「え、それはさすがに・・・」





コウショウ「お母さん、
出ないんでしょ?
1人で置いておくのも
心配だし。送らせて」





そこまできっぱり
言われたら・・・





私は無言で、
会釈をしながら
傘に入れてもらった。





で、話すことがない!





時々コウショウくんの肩が
触れるたびにドキドキして、
声が出せない。





気づけば、
もううちの前。





ナナ「お、送ってくれてありがとう、
コウショウくん」





コウショウ「うん、
じゃあ、またね」





ナナ「うん、またね」





コウショウくんを見送った後、
私は家に入った。





でも、まだドキドキは
おさまらなかった。





その時、私は
あることがわかった。





・・・私、コウショウくんのことが、
好きなんだ。













*     *     *





1月末の日曜日。





私はまたまた
図書館に来ていた。





コウショウくん、
いるかな~。





って、なに言ってんの私!
ここには、勉強しに来てるのに!





勉強勉強・・・
と自分に言い聞かせながら、
私は自習スペースに向かった。





と、女子の声が聞こえた。





声の方をみると・・・





女子「コウショウ、
待ってよ~」





コウショウ「いや、
勉強するんだけど・・・」





女子「真面目か!」





コウショウ「いや、
そういうわけでは・・・
でも、メアリも勉強やらないと」





女子「私は平気だし」





コウショウ「いや、そうやって
余裕ぶっこいてたら
やばいことになるよ」





女子「あー、コウショウが
悪口言ってきた~!
ひっど!」





コウショウ「ごめんって。
でも俺、絶対メアリと
同じ学校に行きたいし」





・・・え?





私は、目の前の状況が
全く理解できなかった。





コウショウくん・・・?





『メアリ』と呼ばれた女の子は、
コウショウくんと仲良さそう、
いや、それ以上の何かを
持っている気がした。





もしかして、
彼女、かな・・・





よくみると、その女の子は、
スタイルも良くて、
すごく可愛くて、
天使みたい。





コウショウくんと、
お似合いだな・・・





私は、居ても立っても
居られなくなって、
私は図書館を飛び出した。





夢中で走って、
気がつけば、
涙が流れていた。





恋って、
こんなに辛いんだ。





その日から私は、
ずっと勉強のことだけを
考えるようになった。













*     *     *





3月。





私とルキは無事
志望校に合格することができ、
私たちでこぼこ3人組は、
高校デビューの夢を
掴み取ることができた。





そして、合格したことを
コウショウくんに伝えようと、
私は電話をかけた。





コウショウ『もしもし?』





久しぶりに聴く声。





2ヶ月ぐらい
連絡をとってなかったから、
すごく懐かしく思える。





ナナ「久しぶり」





コウショウ『ああ、久しぶり』





ナナ「ねえ、話したいことが
あるんだけど、会えないかな」





コウショウ『うん、いいよ。
今から、図書館の前行こうか?』





ナナ「うん、ありがとう。
私も今から行くね」





私は、電話をきると、
図書館に向かった。





着くと、すでに
コウショウくんが
着いていた。





ああ、ちょっと
背伸びたかな?





雰囲気も、
大人っぽくなってる?





近づくほど、
胸がドキドキ言って、
うるさいぐらい。





私は、勇気を出して、
コウショウくんに
話しかけた。





ナナ「コッ、コウショウくん!」





コウショウ「ナナ! 久しぶり」





ナナ「久しぶり・・・」





うわ・・・





ますます
カッコよくなってる
気がする・・・!





コウショウ「それで、
伝えたいことって?」





ナナ「あ、私、
志望校合格したよ!」





コウショウ「本当に?!
おめでとう!
俺も受かったんだ!」





ナナ「えー!!
おめでとう!」





すごく久しぶりに
会ったはずなのに、
毎日会ってたみたいに
話が弾む。





なんか、すごく嬉しいな・・・





でも、私はある決意をした。





ナナ「あの、コウショウくん。
私、コウショウくんのことが
好きなの」





コウショウくんに告白した。





それで吹っ切れるって
わかったから。





一瞬だけ期待もしたけど、
ここは少女漫画の
世界じゃないから、
そんな簡単にはいかない。





コウショウくんは、
少しだけ目を見開いてから、
口を開いた。





コウショウ「うん、ありがとう・・・
でも、俺、
彼女がいるんだ・・・」





ナナ「あの、
メアリっていう子?」





コウショウ「えっ、
あ、うん・・・」





やっぱり、
そうだったんだ。





そして私は、
また口を開いた。





ナナ「今までありがとう、
コウショウくん。
私が受験に受かったの、
コウショウくんのおかげだよ」





コウショウ「え、ナナ・・・?」





ナナ「コウショウくん、
ホントにありがとう。
さようなら」





コウショウ「ナナ?
どういう・・・」





私は、コウショウくんが
話し終わる前に
走り出した。





しばらく走って、
私は足を止めた。





携帯がブルル、
と振動した。





みると、
コウショウくんから
メールが来ていた。





コウショウ『ナナ?
どうしたの?』





すごく心配そう。





私は、「大好きだよ」
とつぶやいて、
それを打った。





そのあと、
コウショウくんの
アカウントを消す。





これで、
ホントのさよなら。





―――すごく短い時間だったけど、
楽しかったよ。
ありがとう、
コウショウくん。――――――――





私は、また前を向いて、
歩き出した。













*END*

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