魔人の一目惚れ

CAST野崎奈菜

作者：笑心

2019.06.04

「はー
ランプの中にいても
することない～！　暇！」

私は、ランプの魔人のナナ。

呼び出されたら
なんでも願い事を
叶えてくれるランプ！

そして、いまのご主人様は、
私の好きな人なの～！

道端にランプが
落ちていたところを
見つけて拾ってくれたの！

そこで、一目惚れ！

「そーだ！
久しぶりに外に出て
買い物にでもいこうかな！」

ちなみに、ご主人様の名前は、
リュウタロウって言うの！
モテるらしい！

「どこに行こうかな～？」

よしっ！
二コラにいこう！

二コラは、大型の
ショッピングセンター。

「それじゃぁ～、
人間の姿にならなくちゃ！」

「よしっ！
準備オッケー！
行ってきまーす！」

なにか食べよー！

誰かに
ぶつかってしまった。

顔を見ると
ご主人様だった。

「すみません」

あっ！

「いえ、こちらこそ」

私は、足早に
立ち去った。

「あの！　俺、
君に一目惚れしました！」

追いかけてきた
彼が言った。

えっ!?

「もしよかったら、
メアド交換しませんか？」

どうしよう。

私はダッシュで
家に帰って
ランプの中に入った。

えっ!?
今のって現実？

ランプの魔人には、
掟がある。

それは、ご主人様に
自分が人間になった姿を
ばらしてはいけない。

もし、ばれた場合は、
魔人界にいられなくなる。

ガチャ

帰ってきた！

魔人界に
いられなくなってもいい。

そのくらい、
私の中での彼は
大きい存在なの！

「ただいま～」

「えっ!?
なんで君がここに!??」

あっ！　すっごい
ビックリしてる。

「実はね、」

と、私は自分のこと
ご主人様への想いを話した。

「俺も、お前が好きだ！
でも、魔人界に
いられなくなったら、
お前は、友達と別れなきゃ
いけないことになる」

「それでも！
私は、あなたと、
リュウタロウと、
一緒にいたいの！」

パチパチ

拍手の音が聞こえた。

「えっ!?
女王様！
なぜここに？」

「あなたが、強い想いを
持っていることは
わかりました」

「それでは、明日
儀式を行います」

明日、みんなと
お別れなんだ。

．．．．．．．．*

次の日、
儀式が行われた。

その日私は、
儀式会場についたとき、
すっごく驚いた！

私の親友の、アムの
儀式を行うのも
今日だと聞いたからだ。

そして、驚きで
胸がいっぱいのまま
儀式は、終了した。

そのあとに、みんなで
お別れ会をした。

考えてみれば、アムも
儀式を行ったということは
人間界でも、一緒に
いられるということだ！
と、気づいたの！

バンザーイ

そして、人間界へ
旅立つとき
みんなに手紙を渡した。

昨日の夜
書いたんだ～！

みんなにさよならを言って
私達は、大切な人のもとへ
むかった。

私達は、今もこれからも
ずーっと一緒！

リュウタロウ、アム、
みんな！　大好き！

＊ＥＮＤ＊