キミの明日
作者:甲子園のマネージャー
―――季節外れの桜の花に
―――寄り添うように
―――差しこんだ
―――――木漏れ日・・・
キミと離れて早3年。
さみしいけど、夢に向かって
一生懸命走るダイジは
誰よりもカッコよくて・・・
●。●。●。●。●。●。
音楽室からきれいな
トランペットの音がする。
8月1日。
夏休み真っただ中の猛暑の中、
走り回る野球部。
その中に
愛しいキミはいない。
私、佐々木ハナ。
スポーツ観戦大好きっ子。
特に高校野球は大好き。
きっかけは中1の夏。
『ハナ。甲子園見ねぇの?』
『野球興味ない』
『いいから見ろって』
無理やりダイジに見せられた
野球の試合。
―――何これ・・・
甲子園ってすごい・・・
ダイジもいつか・・・
『ああ。
甲子園に行ってやる』
いまとなっては懐かしい。
あと1週間で始まる
甲子園。
私たちの通う
△○県ニコラ学園も出場する。
もちろんダイジは
優勝候補ともいわれる
??県、新潮大付属高校も出場校の1つ。
―――3年ぶりに再会できる・・・
そう思うとドキドキして、
夜眠れなかった・・・
●。●。●。●。●。●。●。
「第1試合。1回戦、
△○県ニコラ学園対**県北高校」
アナウンスとともに流れる
応援歌。
「甲子園、ダイジ君も
出るんでしょ?」
親友のヒメノと、
「応援しねぇとな!」
岬が私に言う。
「うん。第2試合の
先発だったと思う」
「「すごいじゃん!!」」
「我ながら自慢の好きな人」
―――カッキ―ンっ!!
「「「打ったぁ!!!」」」
ニコ学の4番、
輝之介がヒット。
2アウト、
ランナー1塁2塁。
―――『俺なら迷わずストレート』
ふとダイジの言葉が
よみがえった。
会いたい。
会えるかなぁ・・・
―――――――――――――――――――
・・・負けた。
2対1で負けた。
泣く生徒、笑う生徒。
球場は騒がしい。
「第2試合。1回戦。
??県新潮大付属高校対▼△県西高校」
きれいなトランペット。
「「「おーおーおーおおーおおーお!
かっ飛ばせー安藤!」」」
完全に新潮大付が
押している。
―――カッキ―ンっ!!
・・・しょっぱなから
ホームラン。
次の打者が・・・
―――・・・
「・・・・・・ダイジ」
バットを構えるその姿は
ダイジそのもの。
―――ビュン・・・
カッキ―ンっ!! ―――
「「「「ホームランだぁ!!!!」」」」
ポロポロと
こぼれ落ちるしずく。
大きくなったね。
強くなったね。
―――ダイジ・・・
「ハナ・・・」
ヒメノは黙って
私を抱きしめてくれた。
試合は進む。
1対0だった試合が
6対3へと変わり、
ダイジたちは負けている。
9回裏。
2アウト満塁。
打者は・・・
―――・・・
「ダイジっ・・・」
1球目。
―――・・・
ストライクっ―――
2球目もストライク。
もう後はない。
ピッチャーは構えた。
そして
ボールから手が・・・
「ダイジっ、打てるよっ」
―――っっカッキ―ン!!!!
「「「「「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」」」
立ち上がる
新潮大付ナイン。
校歌が流れている。
そして選手たちは
ベンチを後にした。
「ヒメノ。帰ろう」
「え、ダイジ君はいいの・・・??」
「忙しいだろうか・・・っ!!」
―――ギュっ・・・
「ハナ」
「ダイ・・・ジ・・・」
「オマエの声、届いたよ」
「ほんと・・・??」
「おう」
「あのさ、」「あのな、」
「「好きだよ」」
―――っっーっ!!
目頭が熱くなる。
目の前のダイジからは
太陽の匂いがした。
「あと半年は
遠距離になるけど、
俺信じてるから」
「私もだよ」
ダイジは
公衆の面前だというのに、
私にやさしくキスをした。
―――「「愛してる」」
●。●。●。●。●。●。●。
桜が舞う。
もう、ダイジが
甲子園優勝してから半年。
高校を卒業し、
私は美大に進学。
ダイジはプロの道を選んだ。
「ハナ」
「ん? 何? ダイジ」
「俺たち結婚しねぇか?」
*end*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。





























伊藤 沙音
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白水ひより
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