好きな人は親友の恋人
作者:ゆっきん
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―― 誰よりも好きなのに
この思いは誰も知らない ――
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俺は、北島ミサキ!
?「ミサキ、行こーぜ!」
ミサキ「おう!」
今のは、俺の親友のダイジ!
なんでも話せるんだ。
?「2人とも遅いー!」
ダイジ「わりぃわりぃ」
今のは、ヒナノ。
ダイジの彼女。
そして俺の好きな人。
― 何日か前 ―
ダイジ「なぁ、ミサキー」
ミサキ「どうした?」
ダイジ「俺な、ヒナノのこと
好きになった」
ミサキ「えっ・・・」
ダイジ「そんで明日
コクろうと思う」
ミサキ「そっか。
がんばれよ・・・!」
― 現在 ―
そんなこんなで今、
2人はつきあっている。
俺の方がヒナノのこと
好きなのに。
誰よりも好きな自信が
あるのに。
なんでよりによって
ダイジなんだろう。
― ある日 ―
今日はダイジは
風邪で休み。
少し寂しいけど、
ヒナノと距離をちぢめる
チャンスかな?
ミサキ「ひーなの!」
ヒナノ「ミサキじゃん。
今日、ダイジ休みだね」
ミサキ「だな」
ヒナノ「ねぇ、聞いてよー」
ミサキ「なに?」
ヒナノ「ダイジとこないだ
デートしたんだけどね・・・」
そのあとからは、適当に
あいづちを打っていただけだった。
ダイジのことを、はしゃいで話す
ヒナノのことを見ていたら
それしかできなかった。
― 放課後 ―
今日は、ヒナノと
2人で帰る。
帰るときもずっと
ダイジの話しかしない。
そんな風に笑わないでよ。
俺は強くないから、
胸が痛いよ。
それとも、いま我慢すれば
いつかヒナノへの思いも
思い出に変わるのだろうか。
ヒナノ「・・・サキ! ミサキ!」
ミサキ「ん? どうした?」
ヒナノ「聞いてた?」
ミサキ「あ・・・うん」
ヒナノ「なんかあったの?」
ミサキ「いや・・・なんも」
ヒナノ「そう? じゃあ明日ね!」
ミサキ「おう!」
結局、俺は強くないから
なにもできないんだ。
― 翌日の放課後 ―
ダイジは元気になって
登校してきた。
そして今日は、3人で帰る。
相変わらず2人は
楽しそうに話している。
ヒナノへのこみ上げるこの気もちを
口にしたら、
きっとすべてが
壊れてしまうんだろうな。
ダイジ「2人とも、じゃあな!」
ヒナノ「ばいばーい!」
ここからは
俺とヒナノの2人。
ヒナノ「今日の体育のとき、
すごかったね!」
ミサキ「そうか?」
ヒナノ「うん!
あのシュートはすご・・・」
ギュッ
俺はとうとう
我慢できなくなっていた。
ヒナノ「ちょっとミサキ、なに!?」
俺はしばらくして
自分のしたことに気がついた。
ミサキ「ごめん」
ヒナノ「・・・・・」
ミサキ「俺さ、ダイジより前から
ずっとヒナノのことが好きだった」
ヒナノ「えっ・・・」
ミサキ「伝えないつもりだったんだけど
我慢できなかった」
ヒナノ「びっくりだよ」
ミサキ「ごめん。じゃあな・・・」
?「待てよ!」
ヒナノ「ダイジ!?」
ダイジ「ミサキ、
気づかなくてごめんな」
ミサキ「べつにいいよ。
そんなの」
ダイジ「ヒナノ。別れよっか」
ヒナノ「え?」
ダイジ「ヒナノ、ほんとは
ミサキのことが好きだろ?」
ヒナノ「なんでそんなこと・・・」
ダイジ「いつもミサキの話ばっかり
だったじゃん?」
ヒナノ「ごめん」
ダイジ「いいの!
ちょっとの間だったけど
楽しかったし!」
ヒナノ「ありがと」
ダイジ「っていうわけだから
じゃあな!」
ミサキ「ダイジ!」
ダイジ「ん?」
ミサキ「ありがとな。
お前はやっぱり最高の親友だわ」
ダイジは指でグーサインを出して、
ダイジ「当たり前じゃん」
そういって帰った。
ミサキ「ヒナノ・・・
つきあってください」
ヒナノ「はい!」
誰も知らなかった、俺の気もち。
今、本人に伝わった。
やっぱり親友って大切だな。
*えんど*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。