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春 ―ハル―

CAST野澤 しおり野澤 しおり

作者:みぃみぃ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.07.28

私は昔、2人の大切な人との
別れを経験した。





物心ついた頃から、
私には幼なじみがいた。
名前は、八神リョウスケくん。





リョウスケくんと私は
いつも一緒にいた。





学校に通うときも、私たちは
ずっと手をつないで学校に通っていた。
それくらい仲よしだった。





すると男子は言った。





「や~い、夫婦夫婦~」
「ださ~」





でもリョウスケくんはそんな時、
いつもこう言っていた。





「そんな風に言ってる
お前らのほうがダサいよ。
早くしおりちゃんみたいな
ステキな人に出会えるといいね」





私はそんなリョウスケくんが
どんどん好きになっていた。
大好きだった。





しかし、7才の春。その日は訪れた。
リョウスケくんがいきなり
いなくなってしまったのだ。





その数日後、
リョウスケくんの写真を見ながら、
リョウスケくんパパも
リョウスケくんママも
パパもママもみ~んな泣いていた。





私がどうしたの? と聞くと、
「リョウスケくんは、お星様になったのよ」
といった。





「じゃあ、きらきら星のお歌うたったら
リョウスケくんは帰ってきてくれるかな~???」













*。・ 小学5年の春 ・。*





しおり「♪♪き~ら~き~ら~ひ~か~る~
お~そ~ら~の~ほ~し~よ~」





私は、友だちがいなかった。
友だちなんていらない。





私には、夜空と星と歌と
リョウスケくんがいれば十分だった。





そんな私は、小5になっても
屋上できらきら星の歌を歌うのが
日課だった。





小5にもなれば、さすがにリョウスケくんが
お星様になったのではなく、
死んでしまった・・・ということは
理解していた。





しかし私はもう、歌う以外に
このもやもやした気もちを
抑える方法がわからなくなっていた。





?「き~ら~き~ら~ひ~か~る~」





しおり「?!?!?!」





?「ああ、ごめん。おどかして。
野澤しおりだよな???」





しおり「・・・・・」





?「ねえ! お前って
歌ってばっかで
しゃべれないってほんとか?!」





しおり「・・・・・」





?「ねえ! ほんとか??!!
きいてんのか?!! 野澤しおり!!!
のーざーわーしーおーりー!!!!」





しおり「うるさいっ!!!」





?「ああ、しゃべれるんじゃん」





しおり「っていうか、あんた誰?」





?「え? 同じクラスじゃん!
同じクラスの大野ハルト!
ハルって呼んで~!」





しおり「じゃあ、ハル
用がないならあっちいって」





ハル「え~ひどいな~。用ならある!!!
えっと~えっとね~
なんで歌ばっかうたってんの?」





しおり「・・・・・」





ハル「ねえ! なんで?!!
なんでよ??!!!
きいてる?!! きこえてる?!!」





しおり「・・・うるさいな。
私にはリョウスケくんっていう
幼なじみがいたんだけど、
その子は7才の春にお星様になったの。
つまり死んじゃったってこと。
だからその日から私は
きらきら星の歌を空に向かって
歌うって決めたの。
そんなことしても無駄だってことくらい
わかってる、。
だけど、、だけどね、、、」





どうしよう。
言葉と涙があふれてとまらない。





しおり「ひと言でいいから、、
お別れがいいたかった、、
ひと言でいいから、、
大好きって伝えたかった、、
一瞬でいいからリョウスケくんに
もう一度会いたい、会いたいよ、、
リョウスケくん、、、」





私はそのまま泣きじゃくった。
ハルはそんな私を何も言わず、
ただ抱きしめてくれた。





その瞬間、私の心の奥にずっとずっとあった
もやもやした何かが
飛んで行ったような気がした。





私はわかった。
このことを、リョウスケくんのことを、
だれかに聞いてほしかったんだ。





でもそれは、他の誰でもない、
ハルに。





ハルは質問攻めするし、
うるさいし、ほんとにうざかったけど、
でも、





ほぼ初対面なのに何も言わずに
ただ抱きしめてくれた。





ハルのその優しさに、ハルのぬくもりに、
胸がぎゅーっと痛くなった。





ハル「♪♪~」





するとハルは
歌をうたいだした。





しおり「ハル、歌上手だね」





ハル「おれ、歌うたうの好きなんだ。
歌手になるのが夢なんだ。
歌手になってみんなを元気にするんだ」





しおり「ハルなら絶対その夢叶うよ!!!!
夢、かなうといいね!!」





ハル「/////」





私は久しぶりに思いっきり
笑った気がした。





私はハルにたくさん助けられた。
ハルと仲よくなってから、友だちもできたし、
笑顔がふえたし、授業も真面目に
受けるようになった。





歌はうたわない。
でも、ハルといるだけで幸せだった。
何か困ったことがあれば
ハルがいつでも助けてくれた。
ハルは言った。





「しおりが『ハル!』って呼んだら、
すぐに助けにとんできてやるからな」





ハルは、私の救世主だ。













*・*・・・*・・・*・*





中2の春休み。
ハルがとつぜん私を呼び出してきた。





しおり「何~? ハル。
どうしたの?」





ハル「しおり、びっくりしないで・・・
急なんだけどさ、、
しおりのことが・・・好きなんだ」





しおり「・・・へ?」





ハル「リョウスケくんが
好きなことはわかってる。
この関係が崩れちゃうのもわかってる。
でも・・・それでも伝えたかったんだ・・・
あの、実は・・・」





しおり「ごめん。ハルのこと
そんな風に思ったことなかった。
ちょっと頭の整理させて。ごめん」





ハル「あ、しおり・・・!
まだ話が!!」





私は走り出した。
ハルが・・・
ハルがそんなこと言うなんて・・・
いきなり・・・どうしたの・・・?





その日から、私とハルは
一度も会うことはなかった。













*・*・・・*・・・*・*





中2の春。
ハルがいなくなった。





先生「大野ハルトくんですが、
東京に引っ越してしまいました。
急な転勤で、みなさんにお別れが
伝えられなかったことを
とても悲しがっていました」





しおり「・・・?!!」





どうして・・・どうして・・・
どうしてよ。





先生「野澤さん?!」





私はそのまま教室をとびだして
ハルの家に向かった。





でも、もう誰もいなかった。





なんでよ。
私をおいてかないで。
私をひとりにしないで。
私は、君がいないとだめなんだ。





私たちの思い出の場所、屋上。
そこにもいなかった。
なんで気づけなかったんだろう。





あの日、ハルが伝えたかったこと。
なんで聞いてあげれなかったんだろう。





自分勝手で最低だ。
また、大切なことを伝えられずに別れてしまった。
それが一番くやしかった。





しおり「まだ何も伝えてないよ・・・」





何にも何にも伝えられていない。
これじゃ、7才の頃と何もかわらない。





「ハルーーーーーーーー!!!!!!!!」
私は泣き崩れた。





しおり「ハルって呼んだら
助けに飛んで来てくれるんじゃ
なかったの・・・?」





ふと足元をみたら、紙がおいてあった。





────────────────────
しおりへ

何も伝えないでいなくなってしまったこと
本当にごめんなさい。
でも、どうか泣かないで。
絶対にもどってくるから。
それまでわがままな話だけど、
僕のことを待っていてほしい。

                 ハル
────────────────────






ハル・・・ハル・・・
私はハルを傷つけた・・・





ハルは謝らないで・・
私が悪いの・・・
本当にごめんなさい。











─────────────────────
───



これが、だいすきな幼なじみリョウスケと
私を救ってくれた大切な親友、ハルとの別れだ。





そして、今。高校1年の春。
改めまして、こんにちは。
野澤しおり、高校1年です。





私は、春という季節が大きらいです。
春は別れの季節というけれど、全くそのとおり。
私には友だちがいない。





人と関わると、必ず別れがやってくる。
だから、友だちなんていらない。
私には空と星と、歌があれば十分だ。





女「ねえねえ!
最近人気の私たちと同じ年の
『ニコラ』ってゆう4人組ボーイズバンド
グループ知ってる???」





ああゆう女子な会話も興味がないし。





男「○○ちゃん、今日もかわいくない?
静かでおしとやかな感じなのも
また好きだわ~」





あんな男子なんて大きらい。
私の世界はまっくろ。





私の唯一のたのしみは、
野原で空を見上げながら歌うこと。
歌はきらきら星。





でも今日は、、
どこかのバンドがライブをやってる。
私の唯一の楽しみを・・・





?「どうも~ニコラで~す!!!」





ん?
聞き覚えのある声。





そういえば「ニコラ」って
さっきクラスの女の子たちが言ってた
4人組ボーイズバンド???





?「どうも~!!
今日はありがとうございます!
メインボーカルのHARU(ハル)です!!!」





え? ハル?
私は、そのバンドの方を見た。





そこには、私が夢ででも会いたかった
大好きな大好きな彼の姿があった。





しおり「ハル・・・」





彼の名前を久しぶりに呼んだ。
ハルは夢を叶えたんだ。





しおり「ハル・・・よかったね・・・」





女子達「きゃぁぁぁぁああああ
HARUぅぅぅううううう」





今すぐに走っていきたい。
今すぐに走ってきてほしい。
でもできない。





女子達「HARUぅぅぅぅうううう」





しおり「・・・・・・ハルーーーーーーー
ーーーーーーーー!!!!!!!!」





ハル「しおり?」





マイクに声が拾われ、
ハルの声が響く。





うそ。
こんなにたくさんの人が
ハルの名前を呼んでるのに
なんで私だってわかるの。





ハルと目が合った。





ハル「しおり・・・!」





私はとっさに逃げた。





ハル「しおり、まって、!」





やだ、やだ、追いかけてくる。
私、まだ心の準備ができてない。
私は段差につまづいて転んだ。





ハル「しおり、だいじょうぶ?!」





しおり「・・・なんで私だってわかったの?」





ハル「しおりがハルって呼んだら
助けにとんでくるってゆったろ?」





しおり「うっうっ・・・
はるとぅぅぅぅぅ」





私はもうあふれ出す涙を
止められなかった。





しおり「なんで勝手にいなくなったの?
・・・ううん、私がいけないんだよね。
私が逃げたから。
また伝えたいこと何にも伝えられなくて
ほんとにごめんなさい」





ハルはあの日のように何も言わずに、
ただ静かに私のことを抱きしめた。





しおり「ハル、夢かなったんだね。
おめでとう」





ハル「ありがとう」





しおり「えっとあのね、私はハルに助けられて
ほんとに感謝してます。
今もまだハルがいないと弱虫だけど、
でも、ハルと出会わなかったら
もっともっと弱虫だった。ありがとう」





ハルは、にこにこ笑った。





しおり「あのね、私ね、わかったの。
私ね、ハルに出会ったあの日から
ハルのことが好きだったみたい」





そう。
初めてハルと出会って、
胸の奥にあったもやもやがなくなった。





ハルのぬくもりを感じて
胸がぎゅーっと痛くなった。





あの日、あの瞬間から
私はハルのことが好きだったんだ。





ハル「・・・・・・・・・」





しおり「あ、ごめん。
もう好きな人とかできちゃったよね!
ごめんね! 気にしないで、!」





ハル「いや、そうじゃなくて・・・
信じられなくて/////
・・・わかってると思うけど、
今もずっとしおりが好きです」





しおり「/////」





ハル「・・・やっぱ、俺、ハル好きだな~」





しおり「え、何? 自分のこと?」





ハル「ち、ちげーよ。ハル! 春!!
季節の春!!!」





しおり「え、なんで???
私はハルが一番大きらいだよ!!!」





ハル「なんか傷つく・・・」





しおり「ちがうよ! 春!! 季節の春!!!
だってリョウスケくんと別れたのも、
ハルと別れたのも春だったから。
春って別れの季節だもん」





ハル「え? でも俺と初めて出会ったのも
今日も春じゃん?
春は出会いの季節でもあるよ?」





ほら、ハルといると
すべての考え方がかわる。





私の世界がモノクロから
色づいていく。





カラフルな世界こんにちは、
お久しぶりです。





私はやっぱりハルがいないと
だめみたいです。





しおり「ほんとだね!
じゃあ私もハルがだあ~いすき!」





ハル「/////」





しおり「ち、ちがうよ!
季節の春だよ!」





ハル「え? オレは?(((にやにや」





しおり「・・・むむむ
・・・だ、大好きだよ!」













*・*・・・*・・・*・*





リョウスケくん
天国で元気にやっていますか?
私は元気にやっています。





私にやっと彼ができました。
やっとかって笑ってるかな?(笑)





ハルに出会わせてくれてありがとう。
あなたのおかげです。





でもリョウスケくんへの好きな気もちは
ずっと変わりません。
ずっとずっと私たちのこと見守っていてください。





世界で2番目に大好きです。
もちろん1番はハルです。







☆HAPPY END☆

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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