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キューピッド

CAST野澤 しおり野澤 しおり

作者:パンだ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.06.09

『私、川上くんが好き』





一瞬、耳を疑った。





『協力してね』





無意識にうなずいてしまった。





だけど、やっぱり
私も好きだったから・・・





『協力するっていったくせに!!』





『ゴメン・・・でも』





『うそつき!!』





こんなことになるくらいなら、
もう2度と・・・





他人の恋に協力したりしない。











*...・・・*...・・・*





リヒト「しおり、おはよう」





しおり「おはよう」





私の1日は
好きな人の声ではじまる。





他の女子からは
声もかけられない。





つまり、ハブられている。





理由は簡単。





私、野澤しおりが
親友だったいちかの好きな人、
川上リヒトとの恋を裏切ったから。





しおり「おはよう」





いちか「・・・・・・」





ほらね、あいさつもしてくれない。





だけど私は、これでよかったと思う。





好きな人と他人が結ばれるのを
応援するより、よっぽどいい。





リヒト「しおり、今日転校生くるって」





しおり「えっ! そうなんだ」





リヒト「女だって」





しおり「・・・・・・・・・」





黙りこんだ私に
川上は困ったように笑った。





リヒト「友達に・・・なれよ?!」





しおり「うん」





たぶん川上は、私が女子に
ハブられていることを知っている。





理由は知らないみたいだけど。





先生「おーい、席につけ!!」





うわ、もう来たし!





リヒト「しおり、いい返事!」ニコッ





ドキッ





しおり「うっさい」





先生「今日はなぁ、転校生がいるんだ!!」





先生の一言に、みんなが
『待ってました』とか
『どんな娘かなー』と騒ぎはじめた。





先生「しーずーかに! よし入っていいぞ」





私は、隣の席の川上をチラミしたあと、
ふとさっきの言葉を思いだして顔をあげた。





ガラッと扉を開けて
入って来たのは――――・・・





サラサラのストレートヘア。





クリッとした目。





華奢な体。





お人形!!





と思ってしまうほど
かわいかった。





まうみ「転校生の常盤まうみです」





彼女はそう言うと
ゆっくり端から端までを見比べた。





かわいいすぎて
私が見とれていると





バチっ





目・・・があった。





まうみ「!!! かわいい!」





はっ・・・?





一瞬、私の心の声が
叫んだのかと思った。





けど、違う。





声の主は、常盤さん。





まうみ「先生! あの大和撫子は!!」





興奮気味で、今にも先生に
つっかかりそう・・・





先生「ああ、あの娘は野澤しおりだよ」





まうみ「野澤しおり・・・しおりちゃん」





名前を知って
ビックスマイルを浮かべると
机を抱え、私の後ろに置いた。





しおり「あのー」





どうして机を・・・・・・





まうみ「しおりちゃん、私の友達になって!」





しおり「はっ・・・」





私と友達?





こんなかわいい娘が?





うそだぁ。





だけど、





しおり「よろしく」





川上と約束したし、
断る理由もないし・・・





まうみ「やった。
私のこと、まうみでいいから」





しおり「うん・・・」











*...・・・*...・・・*





それからというもの、
まうみが私の生活に加わってきた。





川上と私、まうみでいつも行動。





うれしくて楽しくて、仕方なかったんだ。





まうみ「ねぇ、恋ばなしよぉ」





あ、この感じ前にもあった。





しおり「あっ、いいよぉ」





私は、うれしそうに話にのる。





まうみ「じゃあねぇ・・・告白します」





そう、次にくる言葉は・・・





まうみ「私、リヒトが好きなんだ」





ほら・・・きた。





あの時と一緒だ。





もう2度と――――・・・





協力なんてしない





はず





だったのに。





しおり「そうなんだぁ」





勝手に口が動いてく。





まうみ「協力してくれる?」





そんなこと・・・





しおり「うん」





だって私、まうみは失いたくない。





協力しなきゃ、私たちは・・・





まうみ「やっぱり親友だ」





じゃあなくなるでしょう?





しおり「ねぇ川上・・・
まうみのこと、どう思う?」





なんで私、こんなこと
聞いてるんだろ。





聞きたくないはずなのに・・・





お人好しぶって。





リヒト「常盤は、いいやつじゃん。かわいいし」





しおり「かわいい?」





リヒト「ああかわいい」





そうか、かわいいのか。





つらくてつらくてしょうがないのに、
私はまた笑顔で、まうみのところへいく。





しおり「かわいいだって。脈ありだねっ」





うそ・・・





脈なんてなければいいのに。





まうみ「本当っ? ありがとう」





ありがとうなんて言わないでよ。





裏切れないよ。





しおり「もう告白しな」





ダメ!





告白しないで。





まうみ「うん! 今日の放課後がんばる」





違う、こんなことになりたいんじゃない。





しおり「・・・・・・は」





私は





しおり「私は、川上が好きなの」





はっ





私、何言ってるの?





しおり「・・・ごめっ、違うんだ・・・」





まうみ「なぁんにも違わないでしょ?」





もう、友達を失いたくない。





だけど・・・





川上も失いたくない!!





まうみ「協力するっていったのに!!」





しおり「ゴメンなさい・・・」





まうみ「がまんして・・・
しおりのうそつき!」





えっ・・・・・・





まうみ「いっぱいいっぱい
がまんさせてゴメンね」





しおり「まうみ・・・」





まうみの顔は
涙でぐちゃぐちゃ。





まうみ「行ってきて」





笑顔で私を送ろうとする。





本当は嫌だよね。





私が一番、その気もちしってる。





ありがとう





まうみ。





しおり「行ってきます」





もう、黙ってうそをつくのも





   協力するのも





   やめた。





私は、他人の恋を叶える
キューピッドにはなれない。





でもその代わりに、
自分の恋を叶えれる人になりたい。





しおり「川上っ!! 私、川上が大好きっ」





バイバイ。片思い。





バイバイ友達思い。





リヒト「お前、遅すぎだから」







こんにちは





本当の自分。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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