幸せな受験日

CAST太田 雫太田 雫

作者:あめのしずく

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.01.19

2月の冷え切った
朝の空気は、
私の耳を赤く染める。





雪が薄く降り積もった
通学路は、私が歩くたびに
音を立てる。





そんな冬の朝を、
私・・・太田雫は、
ぼうっとしながら
歩いていた。





雫「・・・寒いな」





今年の冬は特に寒い。





通学には指定のコートと、
お気に入りのマフラー、





最近買ってもらった
手袋が必須だ。





だんだんと学校に
近づいてきたところで、
後ろから
親友が飛びついてきた。





瑠紀「おはよう雫!
今日めっちゃ寒くない!?」





雫「おはよう。
・・・瑠紀は朝から
元気だね(笑)」





瑠紀「うん!
昨日爆睡したから!」





親友のこの子は
関谷瑠紀。





活発な性格で、
勉強はあんまり(笑)





それでも元気すぎるくらい
元気な瑠紀に、
いつも励まされている。





今朝は昨日の課題が
全く進まなかったことを
聞かされながら、
通っている中学に着いた。





私たちの通っている学校は、
矢来中学校というところ。





この辺りでは、
頭がいい中学だ。





靴を脱いで、
上履きに履き替えて。





マフラーを取りながら
階段を上って。





私たちのクラス、
3年5組の教室に入った。





瑠紀「あっ!
英人ー、おはよう!」





英人「瑠紀。おはよう」





瑠紀に名前を呼ばれたのは、
川島英人。





瑠紀の好きな人であり、
いつメンだ。





そして、いつメンは
もう1人いる。





大翔「相変わらず
声大きいな・・・
あ、太田おはよう」





雫「おはよう」





それは、八田大翔。
実は片想いしている。





瑠紀も今は片想いだが、
私からすれば2人は両想い。





いつも大翔と微笑ましく
2人を見守っている。





雫(大翔は・・・
好きな人いるかな)













*   *   *





〈放課後〉





瑠紀「雫ー、
今日勉強会する?」





雫「あー、そうする?
久しぶりだし!」





瑠紀「あっ、ねえ英人!
英人も図書室行って
勉強しようよ」





英人「そうだなー。
でも大翔も誘わない?
大翔~、今日勉強会行く?」





大翔「あー、行くわ。
今日暇だし」





私たちは週3回ほど、
図書室で
放課後勉強会をする。





それが・・・ちょっと
楽しみなんだ。













*   *   *





瑠紀「もー、
英語分かんない!」





雫「教えようか?」





瑠紀「うん(泣)」





英人「なあ大翔ー、
ここ教えて」





大翔「えっ、めっちゃ
簡単なやつだけど(笑)」





英人「マジで?(笑)」













*   *   *





2時間後、私たちは
ようやく勉強を終えた。





時間は午後6時。
外は真っ暗だ。





瑠紀「じゃあ私
こっちだから!
またね~」





英人「あっ、俺もそっちだから、
その・・・送ってくよ」





瑠紀「えっ」





雫(ふふ、2人とも可愛いな)





・・・私も、大翔と
あんな風にできたらなあ。





雫「じゃあ、私も帰るね」





そう言って、家路につこうと
思ったとき。





雫「・・・?
大翔どうしたの?」





大翔は、私のコートの袖を
掴んできた。





大翔「その・・・
お、俺も送る」





雫「・・・えっ!?」





大翔「変な意味じゃないからな!
危ないからって意味の!」





大翔は耳を真っ赤にして
訴えている。





そんな大翔が面白くて、
私は思わずクスクス
笑ってしまった。





大翔「・・・なんだよ」





雫「いや、大翔
面白いなあって!
ふふっ」





大翔「笑うなよ~」





こんなに楽しい帰り道、
いつぶりだっけ。













*   *   *





〈雫の部屋〉





雫(疲れた・・・
ちょっと休憩しようかな)





受験勉強も
ラストスパート。





受験まであと2週間だ。





受験する高校は、
ニコラ大学附属高校。





偏差値が高く、
難関校だ。





いつメンでは、
大翔も受験する。





雫「・・・嬉しいな」





思わず声に出てしまった。





雫(私、めっちゃ
大翔のこと好きじゃん!)













*     *     *





時間は
あっという間に流れて、
ついに受験の1日前になった。





今日は4人で、
神社にお参りに行く。





瑠紀「マジで緊張する・・・
もうどうしよう~(泣)」





英人「俺も結構ヤバいかもなー。
まっ、瑠紀は仲間ってことで!」





瑠紀「・・・私は、
仲間以上がいいんだけどな」





英人「ん?
なんか言った?」





瑠紀「なーんにもない」





雫&大翔「落ちたら慰めてあげる」





瑠紀&英人「余計なお世話です!」





どこか面白くて、
4人一斉に笑った。





ちなみに瑠紀と英人は、
2人揃って同じところを
受験するらしい。





瑠紀「もう雫! 酷い!」





雫「ごめんごめん(笑)
早くお参りしよ~」





お辞儀を2回して、
100円玉を投げた。





胸の前で手を合わせて、
合格を祈る。





雫(絶対・・・
大翔と2人で
受かりますように)





他の3人も、お参りし
終わったところで、
何を祈ったか
聞き合うことになった。





瑠紀「みんな
なんてお願いしたの?」





英人「え?
合格祈願じゃないの?」





瑠紀「え!? そうなの?」





雫「なんてお願いしたの?」





瑠紀「いっ、言えない言えない!」





瑠紀は顔を真っ赤にした。





雫(まさか・・・!)





英人と、両想いになること?





雫「もうー、瑠紀は
本当にお馬鹿!」





瑠紀「し、仕方ないじゃん!」





英人「えー、本当に何?」





瑠紀「え、えー・・・」





瑠紀は困っている。





もしかして、
このまま告白・・・!?





どうすればいいか
戸惑っていると、





大翔が私の手首を掴んで、
私は2人から
離れたところに
連れられた。





大翔も
きっと察したんだ。





雫(・・・瑠紀、頑張れ)













*    *    *





英人「なあ、本当に
何お願いしたの?
2人もどっか行っちゃったし」





雫と大翔は、
空気を読んでどこかに
行ってくれたらしい。





瑠紀(もう、今しかない!)





瑠紀「えっ、英人と
両想いになれますようにって・・・」





英人「・・・え!?」





英人は顔に手を当ているけれど、
驚きを隠せないでいる。





瑠紀「だから、
私と付き合って!!」





英人「・・・えっと・・・、
よろしくお願いします」





瑠紀「え!? いいの!?」





英人「馬鹿! 声でかい!」





瑠紀「いいでしょー!」





2人の協力で、
私の恋は実った。





次は・・・
雫を応援する番だ。













*   *   *





〈受験当日〉





雫「行ってきます」





母「うん・・・
頑張ってね!」





雫「うん!」





母の応援を受けて、
受験会場に入り
先に着いた。





雫(大翔いるかな・・・)





大翔はまだ来ていない。





そして、もうすぐだろうかと
待っていたら、
ちょうど大翔が来た。





そしてなんと・・・





大翔「よっ、太田」





雫「え・・・隣・・・!?」





大翔「なんかそうだった(笑)
・・・お互い頑張ろうな」





雫「・・・うん」





試験官「それでは、
問題用紙の注意事項を
読み・・・」













*    *    *





雫「終わった・・・!!」





大翔「あー、これで
勉強だけの毎日は
終わりだな~」





ついに、
受験が終わった。





あとは結果の出る日を
待つだけだ。







2週間前の
あの日のように、
一緒に帰り道を歩く。





雫「瑠紀と英人も
もうちょっとで
終わるかな~」





大翔「受かってるといいな、
2人とも」





それっきり、
自然と沈黙が続いた。





でも、それを
大翔が破った。





大翔「俺さ・・・
太田のこと好きだよ」





突然の告白。





大翔の声、私を見る瞳。





冬の寒い空気。





そして、その状況が
分からなくなる私。





今・・・大翔に
告白された!?





雫「えっと・・・それは、
告白でいいの?」





大翔「・・・それ以外
何があるんだよ。
なあ、どっちとも受かってたら
俺と付き合ってください」





大翔の大きな手が
差し出される。





信じられない。





でも・・・
手を取らなかったら
せっかく両想いなのに
駄目になる。





雫「よろしくお願いします」





大翔「本当に? よっしゃ!」





雫「もう、
そんなに喜ばないでよ、
恥ずかしいから(笑)」





今日に名前を付けるなら、
幸せな受験日。





これも、受験を頑張った
おかげかな?













*    *    *





〈2ヶ月後・4月〉





雫「大翔おはよう!」





大翔「おはよう。眠い・・・」





雫「また夜更かししたの?
ちゃんと寝なきゃ駄目だよー」





無事に私たちは
志望校に合格して、
カップルになりました!





今は2人仲良く登校中。
受験頑張ってよかった!











○*end○*

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