キューピッドはまさかの!?
作者:かりんとう
私は動物が大好きな中学2年生、
泉ユノ。
どしゃぶりの雨の日の帰り道、
私は通りがかった公園に、
段ボール箱が置いてあるのに気がついた。
中身を見ると・・・・
「クゥン、クゥン」
寂しげに鳴く、小さな犬がいた。
私にわからないはずもない。
シーズーだ。
「捨てられたんだね・・・・
かわいそうに」
思わずつぶやいた。
「あれ、泉?」
後ろから
聞き覚えのある声が聞こえ、
私は驚いた。
クラスの人気者、
小澤テルノスケだ。
「あれ、小澤くん」
「帰り道なんだ。
捨て犬か?」
私は、こくこくとうなずいた。
「本当は飼いたいけど、
お母さんが犬アレルギーなの」
「なら、俺が持ち帰っていい?」
小澤くんがさらっと言ったので、
私はびっくりした。
「い、いいの?」
「うち、みんな動物好きだから。
じゃあ」
小澤くんは段ボール箱ごと
持ち上げると、
自分の家の方へ歩いて行った。
「やさしいんだな・・・・」
私は胸に手を当てて
思わずつぶやいた。
「なあなあ、泉」
小澤くんに名前を呼ばれ、
私は振り向く。
「犬、見に来ないか?」
「え、いいの?」
「テル、何の話してるの?」
いつの間にか小澤くんの後ろに
星名ハルハがいて、
彼の肩をたたいていた。
小澤くんは犬のことを
話してしまった。
「え、ハルハも行く!
私、犬、大好きなんだよね。
ね、他の人も誘っていい?」
2人きりじゃなくなっちゃった、
とがっかりする自分に、
私は驚いていた。
結局、小澤くんの家には
5人ほどのクラスメイトが集まった。
これじゃあ、全然
小澤くんとも話せないし、
犬とも遊べない。
急に、クラスメイトの男子が
犬の頭をなでようとした。
「だめ!」
私は思わず叫んだ。
「急に、頭をなでると
犬はこわがっちゃうから・・・・
その、首から・・・・」
その男子は大して
気にしたふうもなく、
私の言うとおりにした。
「泉って、犬に詳しいのな」
小澤くんがほめてくれ、
私たちが話しこむのを
星名さんはじっと見ていた。
「ねえ、泉さん」
星名さんに呼ばれ、
私は立ちあがった。
嫌な予感がする。
「テルは、やさしいから
あなたと話してあげているだけなの!
きっと、本当はあなたなんかと
話したくなんかないのよ!
調子に乗らないで」
星名さんは
小澤くんが好きなのか。
でも・・・・
「私、小澤くんのことが好きだから。
ライバルだね、星名さん」
こんなに強くなれたのは
初めてだ。
私は驚く星名さんを残して、
戻っていった。
「お、小澤くん」
みんなが帰ったのを見計らい、
私は彼に声をかける。
「私、あなたのことが好きです。
みんなにやさしいあなたが」
「俺もそう思ってた。
動物にやさしい泉さんが好きだ」
ありがとうの気もちをこめて、
私は犬を見つめた。
*end*
※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
泉 有乃

- 2025.11.26あと10センチの勇気作者:メーダー@
- 2025.11.25大切な人を失ってもひとはまた愛することができるのでしょうか。作者:akira_uk
- 2025.10.26キュンとさせたい“ゆの”作者:めろん
- 2025.08.30あの日、あの頃作者:hibiki
- 2025.08.24天才男子と残念少女作者:みぃにこ
- 2025.08.18キューピッドはまさかの!?作者:かりんとう
- 2025.06.29私の恋とyuno phone作者:ゆな
- 2025.05.04いつもイジワルなのに・・・作者:あこ
- 2025.04.21#アオハル作者:ばすくら
- 2025.03.15百聞は一見にしかず!作者:M
- 2025.02.22進め作者:M
- 2025.02.02夜が、終わる。作者:ヤヌカミ
- 2025.01.10ユノの謎恋作者:こと
- 2024.12.21ギャル!!! ~USG3~作者:りお


























伊藤 沙音
青山姫乃
国本 姫万里
松田 美優
白水ひより
星名ハルハ
星乃あんな
工藤 唯愛
佐々木 花奈
白尾 留菜
十文字 陽菜
松尾 そのま
梨里花
稲垣 来泉
崎浜 梨瑚
中瀬 梨里
葉山 若奈
相沢 伊吹
大月 美空
山本 初華
橘 侑里
常盤 真海
野澤 しおり
葵 かんな
大森 ひかる
畠 桜子
西 優行
久野 渚夏
今井暖大
北島 岬
松瀬 太虹
八神 遼介
小澤 輝之介
安藤 冶真
竹内琉斗
堀口壱吹
川上莉人
小林 凛々愛
黒崎 紗良
しゅり
高柳 千彩
宮澤 花怜
上野 みくも
