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逆チョコだって恋の味

CAST野澤 しおり野澤 しおり

作者:ゆっきん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.06.28

ある冬、俺はキミに出会った。





それは雪のようにキレイな歌声の
持ち主だった。





俺はリョウスケ。
もうすぐバレンタイン。





周りからはクールだと騒がれ、
バレンタインなんか興味ないと思われてる。





そんなイメージを壊さないように
俺なりにがんばってる。





だけど本当は普通の男だから
チョコだってほしいし、
告白だってされたい。
彼女だってほしい。





周りの状況のせいで言えねーけど。





ぽっけに手なんか突っ込んで
イヤホンをつけて音楽きいて
ひとりで歩く。





すると、





リョウスケ「わあっ」





「きゃあっ」





リョウスケ「すんません!」





「いえ! こちらこそ、すみません!」





ぶつかった相手は女の子だった。





リョウスケ「あの立てますか?」





「はい! 立てます!」





そう言ったのに
よろよろして立ててない。





「え?」





女の子がきょとんとした顔で
俺を見た。





なぜなら俺が
手を差し出したからだ。





リョウスケ「どうぞ」





「ありがとう!」





その子はフワッとした笑顔で言った。





「よいしょっと」





リョウスケ「本当ごめんね」





「ううん!
私も音楽に夢中だったから」





そういえばこの子も
イヤホンをして歩いていた。





「じゃあ、またいつか!」





そう言って彼女は立ち去ろうとした。
とっさに俺は言っていた。





リョウスケ「名前、なんていうの?」





一度彼女は立ち止まり
振り向いて言った。





「しおりだよ!」





リョウスケ「しおり・・・」





しおり「そう! あなたは?」





リョウスケ「リョウスケ!」





しおり「リョウスケくん、ばいばい!」





リョウスケ「おう!」





しおりか・・・
またいつか会いたいな。













*。*。*。*。*。*。*。*。





リョウスケ「え、うそ」





しおり「しおりです!
これからよろしくお願いします!」





先生「というわけで、席はリョウスケの隣で」





しおり「え? あーーー!
リョウスケくん!?」





リョウスケ「よ」





しおりがすぐさま駆け寄ってきた。





しおり「隣だね」





クスッと笑うしおり。





リョウスケ「あぁ」





キャラを守るために
こんな素っ気ない返事しかできない。





しおり「ねぇリョウスケくん」





先生「授業はじめるぞー」





しおり「あ、やっぱりなんでもないや」













― 休み時間 ―





しおり「ねーねー」





リョウスケ「ん」





しおり「なんか変だよ?
さっきと全然違う」





リョウスケ「そうか?」





「しおりちゃん、リョウスケくんは
クールボーイだからしょうがないよ。
ま、そこがかっこいいけど~笑」





しおり「えっと・・・」





「あ、私はまうみ! よろしくね」





しおり「うん! まうみちゃん」





さっそく友達できてる。
すげーな。
なんて感心しちゃう。













― 放課後 ―





しおり「リョウスケくん、一緒に帰ろ~」





リョウスケ「あぁ」





まうみ「えぇー一緒に帰るなんて意外!
ばいば~い、しおりちゃん」





しおり「まうみちゃんばいばい!」













― 公園 ―





しおりは話そうとしない。
俺がちゃんと話さないと。





リョウスケ「あのな」





しおり「ん?」





リョウスケ「俺さ、見た目でクールだとか、
バレンタインに興味ないとか思われてるから、
素の俺を見せてがっかりさせたくなくて」





しおり「演技してたんだ」





リョウスケ「かっこわりぃけど」





しおり「まあね」





だよな・・・





しおり「でもそれって優しさだよね」





リョウスケ「え?」





しおり「だけどリョウスケくんはリョウスケくんだし、
素のリョウスケくんでいいと思う」





リョウスケ「そうかな」





しおり「でもリョウスケくんの気持ちも
めっちゃわかる」





リョウスケ「え?」





なんで気持ちわかるんだ?





しおり「約束ね。
明日からは素のリョウスケくんでいる!
おっけー?」





リョウスケ「でも・・・」





しおり「私が守ってあげる」













― 翌日 ―





深呼吸。
スーハースーハー。





がらっ。





リョウスケ「みんなおはよー」





「「え?」」





やっぱりみんなびっくりしてる。





しおりは・・・いない。
守ってくれるって言ったのに。





ださ、女に守ってもらうとか・・・
もうわかんねーわ。





リョウスケ「えっと・・・」





まうみ「リョウスケくんどうしたの?
いきなり」





リョウスケ「いや、なんとなく」





まうみ「だよね~。びっくりした」





リョウスケ「わり」





やっぱりダメだった。
その日、しおりは学校に来なかった。













― 翌日 ―





しおり「リョウスケくん、おはよ!」





リョウスケ「昨日どうしたの」





しおり「あぁ、えっと~」





リョウスケ「言えないの?」





しおり「・・・・・」





リョウスケ「俺には素を出せって言うのに
しおりは俺に素を見せてくれないわけ?」





教室に響き渡る声で
言ってしまった。





周りがざわざわし始める。





しおり「あのね、ほんとは・・・」





リョウスケ「もういい」





しおり「まって・・・」





なんだよ。なんだよ。
なんなんだよ!





リョウスケ「あーもう、わかんね」





しおりには怒鳴っちゃうし。
ほんとに最悪だ。





教室に戻るとしおりはいなかった。
早退したらしい。





机のなかを見ると
封筒が入っていた。





――――――――――――――
リョウスケくんへ

さっきはごめんなさい。
自分の話もしないのに
人には偉そうに言うなんて。
ほんと最低だよね・・・

今日の18:00~
ここにいるので
時間があったら来てほしい。
本当の私を見てください。

          しおり
――――――――――――――













― 18:00 ―





場所は、とあるライブハウスだった。





封筒に入っていたチケットで
入ることができた。





これから何が始まるんだ?





するとステージに
スポットライトが当たった。





そこに立っていたのは。





リョウスケ「しおり?」





しおり「今日はみなさん、
来てくれてありがとうございます!」





「「いぇーーーい!」」





しおり「短い時間だけど
盛り上がっていきましょう!」





そのあとしおりは、ピアノを弾きながら
何曲か歌った。
とてもキレイな声で。





とても心に響いた。













― ライブ終了後 ―





しおりの控え室にいった。





リョウスケ「しおり」





しおり「あ、来てくれてありがとう」





リョウスケ「これって」





しおり「本当の私だよ。
お客さんの前で歌うアーティスト。
全然知られてないけど・・・笑」





リョウスケ「すごかった」





しおり「だまっててごめんね。
昨日もライブだったんだ」





目に涙を溜めてしおりはいった。





なにか胸に熱いものが込み上げてきた。













― 翌日 ―





『注目度急上昇!
キレイな歌声が心に響く~野澤しおり』





リョウスケ「え、」





朝ごはんを食べていると
テレビにこの文字が並んだ。





思わず箸からトマトを落としてしまった。













― 教室 ―





リョウスケ「はよー」





がやがや。ざわざわ。





いろんな人が教室に来ていて
クラスメートはみんなしおりを囲んでいる。





「しおりちゃんって、すごいんだね!」





「どうして黙ってたの?」





しおりはうつむいてなにも話さない。





しおり「え、?」





俺はしおりの腕をつかんで
教室を出た。





しおり「ねぇリョウスケ?
どこいくの?」





リョウスケ「サボる」





しおり「えええ!?」





その日、俺たちは制服のまま遊んだ。
しおりはすごくキラキラした笑顔でいた。





しおり「今日はありがとう」





リョウスケ「あぁ」





しおり「明後日からは多分、
学校来れない」





リョウスケ「え?」





しおり「今やってるライブ、
全国でやることになって・・・」





そんな・・・





しおり「明日はね、
学校で歌うから・・・!」





リョウスケ「楽しみにしてる」





しおり「うん!」





リョウスケ「じゃあな」





しおり「ばいばい!」





帰りにふと入ったショッピングモール。





リョウスケ「そういや明日はバレンタインか」





ついこの前まで
たくさんもらいたいって思ってたのに
忘れてた。





今はチョコなんてどうでもいい。
しおりに会えなくなることがさみしい。













― 翌日 ―





体育館に全校生徒が集まった。





しおり「今日は・・・その・・・えっと・・・」





「おい! ちゃんとやれよ」





「やる気あんのか?」





「売れてねーくせに調子乗んな」





緊張してうまく話せないしおりに
周りが文句を言い、
体育館がざわめきにあふれる。





やめろよ!
そう言おうとすると、





じゃらん。





しおり「~~♪」





しおりがピアノを鳴らし、歌い始めた。





その瞬間体育館に
しおりのピアノと歌声だけが響く。





1曲終わり、拍手がしおりを包んだ。





しおり「アーティストという
もう1つの顔をもつ私を
みなさんが認めてくれてるかわかりません。
それでも私は、大好きな歌を
歌い続けたいと思います」





そのあと3曲ほど歌い
しおりのステージは終わった。





俺は列から抜け
しおりを追いかけた。





リョウスケ「しおり!」





しおり「リョウスケくん」





リョウスケ「帰るの?」





しおりがいたのは教室だった。





しおり「うん。明日大阪だから」





リョウスケ「そうなんだ・・・」





しおり「ありがとね。リョウスケくん」





リョウスケ「え?」





しおり「リョウスケくんに出会えて
本当によかった」





リョウスケ「いきなりなんだよ」





しおり「もう会えなくなるわけじゃないけど、
しばらく会えないだろうから言いたくて」





へへっと目に涙を溜めて
しおりはいった。





しおり「じゃあ、ばいばい」





リョウスケ「まって」





しおり「ん?」





リョウスケ「これ」





しおり「え?」





リョウスケ「今日バレンタインだから」





自分でも顔が赤いのがわかる。
しおりもびっくりしている。





無理もない。
俺が差し出したのはチョコなのだから。





チョコといっても
スーパーで売っていたチョコだけど。





しおり「うれしいっ・・・
ありが・・・とう・・・」





溜まっていた涙を
こぼしながら言われた。





リョウスケ「そんな大袈裟じゃ・・・」





しおり「本当にうれしい・・・」





リョウスケ「泣くなって」





しおり「うんんん」





しおりの頭を撫でる。





リョウスケ「もう1ついい?」





しおり「ん?」





リョウスケ「好きです」





しおり「え・・・ええええ?」





リョウスケ「まじ。でもさ、しおりは
これから有名になるから
迷惑かなってめっちゃ考えたんだけど・・・」





すると語尾にかぶせて
しおりはいった。





しおり「私も・・・好き・・・です」





リョウスケ「まじ?」





しおり「うん」





リョウスケ「こういうの大丈夫かな?」





しおり「2人だけの秘密かな」





ふふっと笑う。





リョウスケ「そうだな」





外を見ると
真っ白な雪が降っていた。





それからしおりは
日本を代表するアーティストとして
たくさんの人に愛され始めた。





まぁ1番しおりを愛してるのは
俺だろうけどな。







*。・えんど・。*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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