魔法使いは恋なんかしない
作者:ふうりんりん
イチカだよ。
魔法学校8年生。
下界では
中2っていうのかな?
今日は特別な日。
そう、今日10月31日。
私、下界に行きます!
母「イチカ?
準備できた?
もうユウリちゃんきたよー」
イチカ「今いくー!」
お気に入りのバッグを背負い、
階段を降りる。
ユウリ「イチカ!
おはよ。急いで!
間に合わないよ!」
ユウリは、
幼なじみで大親友。
おっちょこちょいな私とは違い、
しっかり者でいつも頼っちゃう。
2人で外に出て、
ほうきにまたがり空を飛ぶ。
ここでは当たり前。
ユアン先生「おーい!
山本、橘、遅いぞー!」
イチカ&ユウリ「すいませーん」
先生「全員集まったところで、
約束を3つ確認します。
1つ目――、
なにがあっても下界では魔法は使わない!
2つ目――、
2年は絶対ここに戻ってこない!
3つ目――、
下界の人間と恋はしない!
この3つをしっかり守るように。
いいな」
イチカ「恋なんかしないでしょ。
下界の人間なんかに」
全員「行ってきまーす!」
それぞれ下界へ降りていく。
私、怖くて動けません(涙)
ユウリ「なーにやってんの?
ほら、行くよ!」
イチカ「う、うん」
*・*・・・*・・・*・*
とーちゃくー!
ここが下界かー。
なんかうるさい。
耳が痛い。
これが最初の感想。
だいぶ歩いたけど
どこに行けばいいんだろう。
なんか暗くなってきたし、
お腹すいたし。
ぐう~。
お腹さんも
なんか食べたいって。
??「ねえ、君。
だいじょうぶ?
顔色悪いよ?」
誰?
振り向くとそこには
イケメンが!
ミサキ「あっ、僕ミサキ。
すぐそこに僕の家があるから
寄って来なよ」
答えはもちろん、イエス!
ユウリも一緒だし
いいよね。
イチカ「お邪魔しまーす」
ミサキ母「あら、
かわいい女の子が2人。
お友達かな?」
ユウリ「いえ、
そこでたまたたま会って」
ミサキ母「そうだったの~。
まあ、ゆっくりしていってね」
それから何日何ヶ月と
お世話になって、
1年が経とうとした時
ミサキに彼女がいることを知った。
この時、
胸がチクリと痛んだ。
なんかモヤモヤする。
これって、、、病気!?
やだなー
下界に来て病気なんて。
ミサキの彼女は
ミクっていう子。
前あったけど
かわいくてお似合い。
またチクリと胸が痛んだ。
*・*・・・*・・・*・*
それから数日後。
ミサキに、アイスを買ってきて
くれるよう頼んだ。
雨が降っていて暗いから
途中までついていくことにした。
横断歩道で
赤信号が点滅し始めた時
ミサキは私の手を握って、
ミサキ「ほら早く行くぞ!
走れー!」
ドキドキする。
なんだろう。
突然手が離れ、
ミサキが私を突き飛ばす。
目の前には大きな鉄の塊と、
その前で目をつぶる
ミサキの姿が見えた。
とっさに、
イチカ「時よ、止まれ!」
と叫んでしまった。
まぶしいぐらいの光が
私たちを包む。
しんと静まり返った横断歩道に
立ちすくみ、
少しずつ目を開けるミサキ。
ミサキ「イチカ?
これイチカがやったの?」
おかしい。
失敗した。
本当なら全員止まるのに。
そんなことじゃなくて、
私、必死になって
魔法使っちゃった。
ユウリ「イチカー! イチカー?
あ、いた!」
イチカ「ユウリ、、、」
ユウリ「あんたバカじゃないの?!
約束破っちゃったじゃん!」
ミサキ「イチカ、ユウリ、これは?」
イチカ「違うの!」
ミサキ「イチカ、
僕を守ってくれたの?」
イチカ「、、、うん。
とっさにやっちゃったの」
ミサキ「ありがとう。イチカ。
でも、どういうことか説明して」
ユウリ「悪いけど
そんな時間なさそう。
もうすぐ先生が来る」
ユウリの言った通り
すぐ先生が来た。
先生「山本、橘。
これはどういうことだ。
約束1はなんだ?」
イチカ&ユウリ「何があっても魔法は使わない」
先生「で、これは?
どっちがやったんだ?」
イチカ「私です、、、」
ミサキ「イチカは、
僕を守ってくれたんです」
先生が目を見開く。
先生「君は、、、」
ミサキ「僕、今トラックに
轢かれそうになったんです。
でもイチカが助けてくれたんです」
先生「しかし、下界で魔法を使ったら
強制的に魔法界へ戻る決まりがあるんだ」
ミサキ「そんな」
イチカ「しょうがないよ。
私が悪いんだもん」
体が宙に浮き、そらを飛ぶ。
久しぶりな感覚。
さよなら下界。
さよならミサキ。
*・*・・・*・・・*・*
気がつくと
懐かしい世界が。
魔法界についたようだ。
隣にはユウリと、、、、
ミサキ!?
先生「一緒に
ついてきてしまったか、、、」
つまり、時間が止まっているのに
ミサキだけ動いていたから
魔法に巻きこまれてしまったようだ。
イチカ「ユウリ! ユウリ!
見て! ミサキも一緒だよ!」
ユウリ「本当だ、、、
てか、何書いてんの?」
ミサキ「内緒。
イチカ助けてくれてありがとう。
あと、
だいきらい。
いつもうるさい。
スルメみたいなひょろひょろ
気分屋」
イチカ「な、何よ!
せっかく助けてあげたのに!」
ミサキ「違うよ。縦読みだよ」
ミサキが、さっき書いていた
紙を見せる。
縦読みすると、、、
だ・い・す・き。
ウソッ! うれしい。
え? 私、うれしいの?
まさか、
ミサキに恋してた?
あ、返事しなきゃ。
イチカ
「だいこん!
いかつい顔!
スリムな体型!
きゅぴりん!」
なんか意味わかんなくなって
最後のきゅぴりんは思いつき。
イチカ「先生!
ここは、下界ではないので
恋はしていいですよね?」
先生「ま、まあ認めよう」
イチカ&ミサキ「やったー!」
これからずーっと
ここでいようね。
ミク「ちょっと私は?!?」
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。





























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