優しさの落し穴

CAST内田 蓮内田 蓮

作者:あいにゃんねこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.01.11

「あっ、落としましたよ、
ハンカチ」





「あ・・・すみません」





俺はよく周りから
「優しい」と
言われることが多い。





まあ、無意識に
やっているけれど。





さっきのも
無意識だし。





っていうか
これが普通じゃ
ないのかなって思う。





「レン、
おはよう!」





話しかけてきたのは
レオン。





俺の友達。





「ああ、おはよう」





「なんだよ。
元気ないな~」





「別に、
いつも通りだけど」





レオンがいるだけで
通学路がより一層
明るくなる。





門を通り、
下駄箱に着く。





あ・・・





どんどん
脈が上がる。





綺麗な髪に
スラッとした足。





そして、
柔らかくて
優しい瞳。





ああ、心臓が
もたない・・・





「おはよう!」





ズッキューン!!





幼なじみのカイラが、
お・・・俺に
挨拶だと・・・





『ただいま、
俺、内田蓮のHPは
“0”になりました。』





カイラの笑顔、
可愛すぎだろ・・・





HP0になったじゃん。





緊張で声が震える。





「お・・・おはよ・・・」





・・・終わった。





今日の朝の印象、
台無しじゃん。





カイラは階段へ
上って行った。





俺達も行こうとした
その時だった。





「カイラって
可愛いよな」





え・・・レオン?
今、なんて・・・





「オレさ、
カイラのこと
好きだわ」





「・・・」





衝撃だった。





「ごめん!
本当はもっと早く
いうべきだったと
思うんだけど・・・」





「・・・そうなんだ」





なんでこの時、
俺もカイラが好きって
言わなかったんだろう。













・。・。・。・。・。・。・。・。





「れ・・・レン君。
あのさ・・・」





昇降口でカイラが
俺に話しかける。





「・・・今年もチョコ
あげていいかな///」





!!





「い・・・
いいけど・・・///」





「じゃ、じゃあ土曜日、
家行っていい?」





「いいよ///」





「ありがとう」





実は毎年チョコを
もらっているのは秘密。





今年も、
もらえるのか・・・





恥ずかしいけど
嬉しい。





そのとき、
レオンの顔が
浮かんだ。











・。・。・。・。・。・。・。・。





「レン君、
えっと・・・
チョコです」





「ありがとう」





「あと・・・これ、
誰にも見せないで」





手渡されたのは
封筒だった。





「・・・わかった」





「じゃあ」





ドアが閉まる。





俺は早速、封筒を
開けてみた。





*・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *
レン君へ

私はレン君が好きです。
なぜ、好きかというと、
レン君は友達思いだからです。
もし、付き合ったら手を繋ぎたいです。
返事は来週までにください。
待ってます。
*・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *





・・・告白だよな・・・





どう考えても
ラブレターだ。





まさか、両思いだった
なんて・・・





やったー・・・





あ・・・、
レオン・・・





レオンも
カイラのことが
好きなんだ。





もし、俺とカイラが
付き合ったら
レオンは絶対悲しむ。





本当にOKして
いいのかな・・・













・。・。・。・。・。・。・。・。





「カイラ・・・
これ・・・」





俺は返事を書いた
封筒を渡した。





「・・・ありがとう」





その日から
俺とカイラとの関係は
気まずくなった。













・。・。・。・。・。・。・。・。





「おい、カイラと
なんかあったのか」





レオンが帰り道、
俺に言って来た。





「・・・別に」





「いや、
絶対なんかある。
見ててバレバレ」





嘘はよくない。





「・・・俺、カイラに
告白されたんだ。
そして・・・」





「振ったと・・・」





俺はコクっと
うなずく。





「なんで
振ったんだよ」





「え・・・?」





「だから、なんで
振ったんだよ」





「えっと・・・
レオンもカイラのこと
好きだから、
レオンに申し訳ないと
思って・・・」





「お前、馬鹿か。
カイラのこと好きなんだろ。
見てれば分かるよ。
なんでオレのこと
気にするんだよ・・・」





「で・・・でも
レオン・・・」





「お前は
どうしたいんだよ!」





!!





「レンは・・・
レンはカイラと
付き合いたくないのかよ。
カイラがどんだけ
悲しんでんのか
知ってんの?」





え・・・





「カイラは、
お前の優しさのせいで
苦しんでんだよ!」





頭の中が
真っ白になった。





カイラは・・・
俺のせいで・・・





「今から・・・
謝りに行ってもいいかな」





「もう遅いよ」





「え・・・?」





「カイラはオレと
付き合いはじめた」





え・・・





「オレは、お前みたいに
カイラを悲しませたり
しないから」





そんな・・・





俺はその日から
カイラともレオンとも
話すことは無くなった。





そして、これから
自分に正直になろうと
決めた。











*end*

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