彼女はキレイだった。

CAST内田蓮

作者：さや

2021.07.17

こんにちは！
俺の名前は内田蓮。
高１です。

俺にはずっと
好きな人がいます。

その子は
林芽亜里です。

今、彼女は教室の机で
ひとり
本を読んでいます。

レン「メアリちゃん、
おはよ～！」

メアリ「あ、レンくん、
おは・・・」

クルミ「レンおはよ～！
ねぇ、昨日のテレビ見た？」

レン「あ、クルミおはよ。
昨日の？」

クルミ「うん、そう！
あのね・・・」

あぁ、また
話せなかった。

彼女がこうなったのは・・・
俺のせい。

中学生の頃のこと。

＊。・　３年前　・。＊

クラスメート「あ、メアリちゃん！」

「おはよ～！」

メアリ「おはよ～！」

クルミ「メアリおはよ～！」

メアリ「あ、クルミおはよ！」

中学生の頃、
彼女はクラスのマドンナ的
存在だった。

俺はその頃からずっと
彼女のことが好きだったけど、

男子にパシリにされるような
俺にとって
彼女は高嶺の花だった。

それが変わったのは
突然だった。

その日は、男子と
ドッジボールをしてた。

いつも俺を
パシリにする男子だ。

でも、その日は
クラスみんなでということで、
メアリちゃんもいた。

順調にゲームは
進んでいった。

けど・・・

ドンッ！

ボールは鈍い音を立てて
俺の頭を直撃した。

メアリ「レンくん、
大丈夫？
ケガない？」

男子達「うわぁ、レン、
メアリに優しく
されちゃって～！」

「エコヒイキ～」

メアリ「別にそんなんじゃ
ないけど・・・
っていうか、謝ったら？
レンくんに」

男子達「うわ、何？
俺らが悪いの？」

「メアリちゃんって、
そんなんだったの？」

メアリ「え、どういうこと？
だって頭に当たったんだよ？
あと、あなたたち、
いっつもレンくんを
パシリ扱いしてるでしょ？」

男子達「俺ら、
そんなんしてないよな、
レ～ン？」

レン「・・・うん、
されてない・・・」

メアリ「え、
いいの？　それで？
ねぇ、クルミ？」

クルミ「・・・レンくんが
そう言ってるから、
いいでしょ」

メアリ「え、クルミも？
・・・」

男子達「メアリちゃん、
がっかりだわー」

「レン危なかったな～」

レン「・・・うん」

メアリ「え・・・」

そこから、生活が
変わってしまった。

メアリがクラスのみんなから
無視されるようになった。

あんなに仲が良かった
クルミからも。

逆に俺は男子の輪に入って
みんなと仲良くなった。

それから今までずっと
メアリは無視され続けている。

あれは俺が悪かった・・・

いい加減謝らないと・・・

レン「メアリちゃん、
ちょっといい？」

メアリ「うん、いいよ・・・何？」

レン「やっぱり、
怒ってるよね。
あの日のこと。
本当にごめん！」

メアリ「え、なんで
レンくんが怒るの？
悪いのはレンくんを
パシリにしてた
あの男子達でしょ？」

レン「でも、そのせいで
メアリは無視されて・・・」

メアリ「それでもレンくんは
話しかけてくれたでしょ？
それは嬉しかった」

レン「メアリちゃん・・・」

メアリ「あのね、私、
ずっとレンくんが好きだったの。
だからレンくんが
話しかけてくれて嬉しかったの！
だから・・・」

レン「ちょ、待ってよ！
・・・俺が言うから」

メアリ「えっ？」

レン「ずっと
メアリちゃんのことが
好きでした！
俺と付き合ってください！」

メアリ「はい！」

３年前、彼女は
キレイだった。

けど今は
以前よりも
輝いてみえる。

そんな彼女が
僕は好きだ。

＊ｅｎｄ＊