君を好きだと言ったなら、

CAST内田 蓮内田 蓮

作者:僕

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.08.13

僕の名前は
内田蓮。





高校1年生、
お世辞にも
イケメンとは言えない
根暗男子です。





そんな僕にも、
恋の季節が
やってきました──────









~*°





ガララ・・・





いつもより勢いよく
教室の扉を
開けてしまったせいで、
教室の中にいた
クラスメイトが一斉に
僕の方を向いた。





ガチガチにコミュ障で
人見知りの僕は、
それだけで心臓が
止まりそうだった。





気にしすぎているのは
僕の方で、
皆すぐ元のことに
集中していた。





(今日も
目立たないように
しなくては・・・)





少しズレてしまったメガネを、
厨二病かのように
中指でクイッと押し上げ
席に着いた。





朝から憂鬱だな、
全く。













~*° お昼休憩





僕は友達という存在が
1人もいない。





でも正直寂しくないし、
これからも必要ないと
思っている。





これは強がりではない。





昼ごはんは屋上の
隅っこで食べるのが
僕のルール。





そこなら
誰にも気づかれず
1人の時間を
楽しめるから。





『ねぇ、俺もここで
食べていい?』





・・・オレ?





確かに
そう聞こえた。





僕に言っているの
だろうか。





明らかに
女性の声のような
気がしたけど・・・





ゆっくりと
顔を上げると、
美形で髪の長い
男子生徒用の制服を
着ている女の子?
の姿があった。





「ぼ、僕ですか、?」





『聞こえてんじゃん!
焦ったよ~』





「あ、ご、ごめん・・・」





頭の中で色々
考えているうちに
少し時間が
過ぎていたようだ。





それにしても、
本当に綺麗な顔立ちを
している子だな。





「ここで食べるの?
僕、じ、邪魔だよね・・・?」





『んぇ?
邪魔じゃないよ、
君面白いね』





そう言って『はははっ』
と笑うその子は、
僕が生まれて初めて感じた
淡い感情を、いとも簡単に
奪っていった。





これは一目惚れ・・・
いやいや、きっと急に
話しかけられて
びっくりしただけだ。





『俺さぁ、見た目
完全に女じゃん?
結構可愛いし』





まぁ頑張れば
長髪男子に
見えなくもないが・・・





可愛いというのは
同感かな。





すごく
モテそうな感じ。





『昔から男になりたくて。
ってか俺
体は女でも
心は男だからさ。
君、俺と友達にならん?』





そうか、だから
1人称が俺なのか。





友達になれるかは
僕のコミュ力次第だが、
性別について
とやかく言うほど
僕の心は狭くない。





「と、友達・・・
僕でいいの?
もっと他に・・・」





『お前がいーの!
ダメか?』





きゅるんとした瞳で
見つめられる。





ダメだと言えるはずが
あると思うか?
ないだろ。





今はっきり分かったよ。
これは一目惚れだ。





急に目の前に現れた
長髪美形くんに
僕は恋をしたんだ。





あの子・・・
確か制服に名前が
ついてあったっけ。





・・・『林芽亜里』か。





めありさんは
女性として
産まれてきたけど
心は男性だから、
僕は男性に
恋をしたことになるんだな。
しかも初恋だ。





でも何故か
ワクワクする。





めありさんのことを
もっと知りたいと思った。













~*° 数ヶ月後





「めあり!
お待たせ」





『おっそいぞ。
まぁ許す』





僕達は気がつけば
いつも一緒にいた。





平日も休日も
いつも一緒。





でもそれは友達として・・・
だけど。





僕は初めて出会った
あの日から、
ずっとめありに
恋をしている。





でもそれをめありに
伝えることはないだろう。





──────僕の心の中で、
ずっと生きていく
感情なのだから──────────────







*end*

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