不器用な俺

CAST内田 蓮内田 蓮

作者:あいにゃんねこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.11.28

「内田さん、
当番日誌書いた?」





「あっ、ヤべッ
書いてない!」





「え?!」





俺は内田蓮。
今日は吉本麗南さんと日直で
そろそろ帰ろうとしたとき。





「もー私が全部
急いで書くから」





「えっいいよ。
自分で書くから」





「私が書くの!」





反撃の一言の後、吉本さんは
スラスラとシャープペンで
書きはじめた。





「字、綺麗だね」





「え?」





えっ俺
変なこと言ってた!?





「あっ・・・ごめんなさい。
字、褒められるの初めてで」





あっそうなんだ(意外)





「じゃあ、
書いといたから、
先生に出してきて」





「えっあっはい」





吉本さんは
シャープペンをしまい、
カバンをしょって
教室から出て行った。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





俺と吉本さんの関係は
友達未満だと思う。





小学校が違ったし、
1年生のときも
クラスが違ったし、
お互い名字で呼んでいる。





もしかしたら、日直のとき
初めて話したのかもしれない。





って俺、なんで
吉本さんのこと
考えてるんだ?





そして俺は眠りについた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





次の日、
俺は少し変だった。





「ゴホっゴホっ」





咳が出てた。
まあ、風邪引いたのは
間違いないだろう。





そしてもう1つ。
変だったこと。





それは、無意識に
吉本さんを
目で追っていたこと。





って俺、変態かよ。





そしてまた咳が出た。





「大丈夫ですか?」





「え?」





顔を見上げると、
吉本さんがいた。





「あっ、咳、
大丈夫かなって」





「だ・・・大丈夫デス」





心臓の音がだんだん
大きくなっているのがわかる。





もしかしたら、向こうに
聞こえてるかもしれない。





ドクンドクン





「大丈夫なら
それでいいです」





彼女は去っていった。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





気づいたらあれから
3週間が経っていた。





3週間の間、風邪も治り、
何事もなく
平凡な日常だけが
過ぎていった。





「問題!
2日後は
何の日でしょうか?」





「2日後?」





問題を出してきたのは
丸田怜音。
俺の友達だ。





2日後・・・
何かあったっけ?





「えっホントにわかんない?
バレンタインだよ
バレンタイン!」





「あーバレンタインね」





「そうだよ!
なあ、ちょっと
聞いてくれよ。
オレさ、ルキのこと
好きじゃん」





「そうだっけ?」





「そうだよ!
あれ、
言ってなかったっけ?
それでさ、オレ、
ルキに公園に来てって
言われたんだよ!」





「バレンタインに?」





「そう! だから
告白できそうだなって///」





「えっ告んの?」





「・・・うん。
オレ、頑張る。
でレンは気になってるやつ
いないの?」





気になってるやつ・・・
パッと浮かんだのは
吉本さんだ。





キーンコーンカーンコーン





「あっやべ席着くわ。
後で教えろよ!」













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





バレンタイン当日。





男子達は皆
そわそわしていた。





そして俺も
そわそわしていた。





だけど気づいたらもう
放課後になっていた。





俺は1人、
通学路を歩いていた。





風が少し
冷たかった。





今日、吉本さんと
話さなかった。





なんか今日、
少し期待していた。





もらえないって
わかってるのに。





ああ、これが恋か。







やっとわかった。
もっと早く
気づきたかった。





なんで
気づかなかったんだろう。





その時、ベンチで
誰かが落ち込んでいるのを
見つけた。





手にはチョコ。
顔をよく見ると
吉本さん!?





「どうしたんですか?」





思わず話しかけて
しまった。





「内田さん・・・」





彼女の目には
涙が溜まっていた。





そして何があったか
話してくれた。





話によると、
吉本さんは
レオンが好きだった。





でも、レオンがルキに
告白しているのを見て
諦めたという。





結局、俺も
振られてんじゃん。





「せっかく作ったんだろ。
きっとレオンも
うれしいと思うけど」





自分でも意外なことを
言っていた。





すると吉本さんは





「ありがとう。
私、渡してくる」





彼女は歩いていく。





待って、俺、今
告白すればよかったじゃん。





何やってんだよ俺。





まだ吉本さんが
歩いているのが見える。





俺はいてもたっても
いられなくなった。





「待って!」





俺は叫ぶ。





吉本さんが振り向く。





俺は走る。







「俺は吉本さん、
いやレイナ、好きだ。
日直のときからずっと・・・」





感情があふれ出る。





振られるって
わかってる。





でもレイナは
意外な返事をした。





「友達からでも
いいですか」





「うん」





俺はこの時誓った。





レイナを恋に
落として見せるって。











*end*

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