君がプレゼントを持ってきたら

CAST小原 唯和小原 唯和

作者:第2号の金魚

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.12.07

俺はあの日の夜、
不思議な体験をした。





夢なのか・・・
いや、そうじゃなかった。





今まで
信じていなかった。





でも、信じるようになった。





そう・・・
サンタクロースが
本当にいたということを。











*・*・*・*・*・*・*・*





俺は、小原ユイト。





ニコラ学園高校の
2年です。





明日はクリスマス。





リュウ「なぁ、ユイ!
リナがクリスマス
2人で出かけようだって!」





毎日、毎日
彼女のノロケを語る、
幼馴染の古川リュウタロウに
うんざりする。





俺は無表情のまま言う。





ユイト「へー、
良かったな」





するとリュウは
口をへの字に曲げ、
不機嫌そうに嘆いた。





リュウ「ユイ、
いつにも増して
冷たいー!」





お前が、彼女彼女って、
うっさいからだろ。





リュウ「ユイもそろそろ
彼女作らないと、
クリぼっちで非リアのまま、
高校卒業することになるぞ!」





俺は立ち上がり、
リュウの頭を
パコッと殴った。





ユイト「余計なお世話だ!」





リュウは後頭部を
さすりながら叫ぶ。





リュウ「ユイが怒ったぁー!」





ガキの頃から、
身長以外は
全然成長してないな。





俺はリュウの声を無視して
教室から出ようとした。





リュウ「ユイ、
どこ行くんだよ。
授業始まるぞー?」





ユイト「トイレだっ!」





大声で言い切り、
俺はトイレへ向かった。





ユイト「クリぼっちで
非リアのまま卒業か・・・」





リュウの言った言葉が、
意外にも心に刺さる。





ユイト「それはやだな・・・」





そう思うけど、
俺は自分から行動せず、
女子と喋ることがそんなに
うまいもんじゃないから、
好きな人さえもできない。





俺は、リュウの
真反対だな。





昔っからそうだ。





リュウのところにだけ
女子が集まっている。





ユイト「・・・あーもう・・・」





そんなこと
考えんのやめた。





今さら
性格変えるなんて
無理だろ。





トイレを済まし、教室へ
戻ろうとした時だった。





マホ「わっ!」





カシャンッ・・・





前を見ていなかったせいで、
ある女子とぶつかった。





ユイト「ごめん、
見てなかった」





俺はその子が落とした
ペンケースを拾って渡した。





マホ「大丈夫だよ。
私こそ急いでたから」





その子は
顔にかかった髪の毛を
耳にかけながら
ニコッと笑った。





マホ「隣のクラスの
小原くんだよね?
そろそろ授業始まるよ」





ユイト「・・・うん。
今戻るところ」





マホ「そっか。
じゃあね」





その子は
俺に手を振った後、
小走りで去って行った。





笑顔が似合ってて、
華やかで明るい子。





ユイト「あの子は、
確か・・・
若林マホ・・・だっけ」





キーンコーンカーンコーン





ユイト「ヤベッ!」





急いで戻ったが、
荒い息遣いをする俺を見て、
クラスメイトや先生は
笑うだけだった。













*○・*○・*○・*○・*○・*





・その日の放課後・





俺とリュウは、
サッカー部に入っていて、
今日も遅くまで
練習していた。





リュウ「ユイ!
俺リナ待たせてるから、
もう行くわ」





ユイト「おう。
じゃーな」





リュウは、
ミーティングが終わると、
すぐさまスポーツパックを掴み、
正門に向かって行った。





俺が学校を出る頃には
7時を過ぎていた。





ユイト「やべ・・・
電車の時間あるか?」





スマホで時刻表を
確認する。





ユイト「20分後か。
走れば間に合うな」





俺がスマホをポッケに入れ、
走り出した時だった。





ユイト「え?」





空がキラキラ
光っている。





まるで、星が
落ちてきたかのように。





キラキラの輝きは
光を増す。





パサッ





光に包まれていた何かが
地面に落ちた。





それは・・・





ユイト「サンタの・・・ぼうし?」





俺は空を見上げる。





ユイト「なんで・・・空から・・・」





ソリに乗ったサンタが
落としたとでも言うのか?





・・・んなメルヘンなこと、
あるわけないだろ。





電車のことを思い出し、
ひとまずそのぼうしを
スクバに丁寧に入れた。





ユイト「急がねーと」





俺は再び走り出した。





結局駅には
5分前に着いた。





マホ「え・・・
小原くん・・・?」





顔を上げて見ると、
そこには大きな目で
じっとこちらを見つめる
若林がいた。





ユイト「若林も次の電車?」





マホ「うん。てことは
小原くんもなんだね」





俺は小さくうなずいた。





若林はバレー部に
入っているらしく、
俺と同じように遅くまで
練習していたらしい。





なんか・・・
会えたこと嬉しいかも。





マホ「そういえば、
今日よりも前に
小原くんと喋ったこと
なかった気がする」





確かに・・・





名前を知っているだけで、
話すことはなかった。





マホ「でも、不思議だよね。
なんだかすぐに
打ち解けちゃった」





そう言って
くすっと笑う若林。





ユイト「俺、女子
そんなに好きじゃない」





俺の言葉がズバッと
刺さったらしく、
若林は申し訳なさそうな
顔になった。





マホ「そうだったんだ。
き、気やすく話しかけて・・・
ごめん」





そして、ゆっくりと
俺から距離を取った。





俺はふっと笑い、
一歩若林の方に踏み出し、
元の距離感を取り戻した。





ユイト「若林は、別」





そう言って
若林の顔を見ると、
頬が赤くなっていた。





つられて
俺も赤くなる。





ユイト「・・・今のはその・・・
若林と初めて喋ったのにも
関わらず、普通に喋れたから、
その・・・一緒にいて、
心が軽いなぁーって
感じただけで・・・」





あー・・・
しくじったぁ・・・





若林は、大声で
笑い出した。





マホ「小原くん、
緊張し過ぎだよー!
あははっ!」





俺はそっぽを向く。





マホ「うん。大丈夫。
意味はちゃんと
伝わったから。
嬉しかったよ」





ユイト「なら良かった・・・」





冬風が、壁のない
駅のホームを
ビューっと通り抜ける。





若林は小さく
くしゃみをした。





マホ「・・・あー、さむっ・・・」





女子って可哀想だな。
冬でも短いスカートだなんて。





風邪、引いてほしくないな。





ユイト「・・・これ、使う?」





俺は首に巻いていた
マフラーを差し出した。





マホ「小原くん、
寒くないの?」





ユイト「あんまり・・・」





実はちょっとだけ・・・
いや、だいぶ寒い。





男は度胸。
プライドが高いんだ。





マホ「・・・じゃあ、
お言葉に甘えて」





若林は俺の手から
そっとマフラーを取り、
自分の首に巻きつけた。





マホ「気遣ってくれて、
ありがとね」





マフラーで
口元を隠しながら
若林はそう言った。





心拍数が
早くなる気がした。





寒くて震えてる
わけじゃない。





胸の奥が
じんわり熱い。





ユイト「これ・・・
マジなやつだわ」





俺は若林なら
聞こえない声で呟いた。





俺、100パー
若林に惚れてる。





マホ「これ、
明日返すね」





ユイト「・・・おう」





俺の学校は
クリスマスまで
学校がある。





いつもなら
24日も25日も
冬休みになれば
いいのにと思うが・・・





今日は違った。





『これ、
また明日返すね』





明日、話す理由ができた。





それが嬉しかった。





また学校で
若林と会って、
話せるんだ。





俺は小さく笑った。





マホ「どうしたの?」





ユイト「なんでもない」





俺が明日若林と
喋れるのを
喜んでいることは、
若林には内緒。













*・*・*・*・*・*・*・*





・その日の夜・





ユイト「これ、
どうしようか」





俺は机の上に置いた
サンタのぼうしを
見つめる。





どこの誰のものかも
わからない。





・・・クリスマス、
明日だし。





結局、いい考えが
思い浮かばないまま、
寝てしまった。













*・*・*・*・*・*・*・*





「ねぇ、起きてー」





ユイト「・・・ん」





誰かに揺すられて、
目を覚ました。





ドタダタンッ!





ユイト「だ・・・誰っ!?」





俺は驚いて
ベットから落ちた。





目の前にサンタの服を
着た女の子。





女の子は
くすくすと笑う。





ひとしきり笑った後、
唇に人差し指を当てる。





「本当は内緒だけど、
私はね、
サンタクロースなの」





サンタ・・・クロース?





「落し物を
取りに来たの」





女の子はくるっと
後ろを向いて、
机の上に置いてある、
俺が拾ったぼうしを
手に取る。





「これ、
君が拾ってくれたの?
ありがとね」





ユイト「うん」





マホ「いやぁ、
今日風が強かったから、
プレゼント渡している時に
ぼうし飛ばされちゃってさ」





そう言って笑う
女の子はまるで・・・





ユイト「若林・・・?」





女の子はじっと
俺を見つめる。





「えっ?」





・・・若林のこと、
考えすぎだろ。





ユイト「・・・なんでもない」





俺が頭をかきながら
目線をそらすと、
女の子はニヤついた。





「え、何?
若林っていう
私に似た子がいるの?」





女の子はタブレットの
ようなものを出す。





「若林ね・・・あっ!
あった」





タブレットの画面を
俺に見せる。





「若林マホちゃんね。
確かに似てるけど」





タブレットの画面を見ると、
そこには眠っている若林が
映っていた。





若林の寝顔に
ドキッとする。





「あれ? 顔赤いよ。
まさか、この子のこと
好きなのー?」





・・・こんなに
問い詰めてくるの、
全然若林に似ていない!





「え、無視ー?
ちょっとー」





ユイト「・・・好きだけど。
多分」





「多分て何?」





俺は顔が
赤くなったのを
感じた。





ユイト「今日、
気づいたばっかだから・・・
まだよくわからないんだよ」





初めて知った
気持ち。





これが初恋だって
いうことだ。





「そうか、そうか。
分かった!」





すると女の子は
再びタブレットを
操作する。





ユイト「・・・そのタブレットで、
なんで若林が見れたの?」





女の子はオホンと
息をつく。





「これはね、
サンタ1人1台
用意されていて、
プレゼントを配る時に
欠かせないものなの」





「一応、この街の子供達
全員の情報が
入ってるんだよねー」





サンタって
意外と計画的だな。





「君の名前は・・・
うーんと、あった!
小原ユイトね」





俺の情報も
入っているのか・・・





女の子は俺に
人差し指を向ける。





「ユイトには、ステキな
クリスマスプレゼントを
あげる!」





ユイト「なにそれ」





女の子は俺の部屋の
窓を開ける。





「ついてきて!」





ユイト「はぁっ!?」





まさか、
飛び降りる気か・・・?





女の子は俺の手を掴み、
引っ張った。





俺らは一緒に
窓から飛び降りた。





・・・落ちるっー!





風が吹いている。





それも、冷たくて、
体から震えるくらいの冬風。





「・・・ユイトー?
おーい」





・・・あれ、痛くない。





ふっと気がつくと、
目の前に大きなツリーが
立っていた。





・・・なんで俺、
こんなところに
いるんだ・・・





「サンタの魔法を使って、
ここまで来たの。
サンタすごいでしょ?」





魔法って・・・





ユイト「で、なんで
ここに来たの」





「ここのイルミネーション、
オススメの
デートスポットなの。
マホちゃん誘って
ここに来たらいいよ!」





ユイト「俺なんかが
誘っても・・・」





オーケーされる
はずないな。





その言葉を聞いて、
女の子はずいっと寄る。





「ユイト、
自分に自信を持て。
自分から行動しなきゃ、
ことは進まないから」





俺をじっと
見つめたまま続ける。





「もし、何もしなくて、
時が経って、
マホちゃんに彼氏が出来た時、
後悔するよ!」





そして、女の子は
俺から離れて
手を広げる。





「ユイト、笑って!
感情を表情に出せば、
自然と心が
明るくなるんだよ!」





ユイト「なんで、
そこまでしてくれんの」





そう呟くと、女の子は
真剣な表情をした。





「サンタは、
気に入ってもらえるような
プレゼントを渡すのが
仕事なの」





そして、
空を見上げた。





「時間だね。
仕事に戻らないと」





そう言って、
指をパチンと鳴らすと、
眠気が襲って来た。





「ユイト、
頑張れっ!」













*・*・*・*・*・*・*・*





目を覚ますと、
不思議にも
ベットの中にいた。





ユイト「夢、だったの・・・か」





俺は机の方を見る。





ぼうしがない。





『ユイト、笑って!
感情を表情に出せば、
自然と心が
明るくなるんだよ!』





はっきりと覚えてる。





ユイト「夢みたいだけど、
夢じゃない」





寒いなと思ったら、
窓が開いたままだった。





サンタの服を着た
若林に似た女の子は、
俺に勇気と言う、形のない
プレゼントをくれた。





ユイト「サンタってすごいな」





よし、行動するか。













*・*・*・*・*・*・*・*





・学校・





学校に着き、
教室に向かうと、
ドアに寄りかかった
若林がいた。





もしかして、
俺を待ってる・・・?





俺の姿を見つけた若林は、
ニッコリ笑顔を浮かべる。





・・・あのサンタにそっくり。





マホ「マフラー返そうと思って。
これ、ありがとね」





若林は、
マフラーの入った袋を
俺に渡した。





勇気を出せ、
俺っ!





ユイト「ありがと、
あのさ・・・」





マホ「ん?」





ユイト「きょ、
今日予定なければ、
俺とどっか行かない?」





よし、言った!





若林はくすくす
笑っていた。





マホ「緊張し過ぎだよー!」





俺は頬が
赤くなったのを感じた。





若林は、笑い終わると、
俺をじっと見つめた。





マホ「いいよ。
どっか行こ!」





嬉し過ぎて、
ガッツポーズして
しまいそうになった。





ユイト「めっちゃきれいな
イルミネーション
あるんだけどさ」





マホ「イルミネーションか、
いいね!」





キラキラッと
光が通ったように感じた。





ユイト「・・・え?」





マホ「どうしたの?」





ユイト「いや・・・」





ちょっと考えて、
微笑んだ。





もしかしたら、
あのサンタが
通ったのかもしれない。





マホ「イルミネーション、
楽しみだね!」





ユイト「おう!」





あの女の子が、
勇気と言うプレゼントを
持ってきたら、
俺は若林と距離を
縮めることができた。





・・・さて、
いつ好きを言おうか。





ここから
俺らの恋が始まる。





来年は、カレカノになって
イルミネーションを
見に行きたいな。





「メリークリスマス、
ユイト!」





どこからか、
あの子の声が聞こえた。







*END*

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