君に恋をした。

CAST小澤輝之介

作者：ひよこ

2025.09.18

俺、小澤輝之介。
中学２年生。

いま、俺は
叶わない恋をしている。

？「リコ～！」

リコと呼ばれた彼女は
くるりとふりかえった。

透きとおるような白い肌に
長いまつげに
すらっとした体型。

俺は彼女の顔を見た瞬間、
周りの音が
聞こえなくなった。

リコ「リリ、どうしたの？」

リリ「いや、リコって
本当に美人だなって・・・」

彼女はそう言われると
顔を赤くして言った。

リコ「もう、リリ。
変なこと言わないでよぉ」

リリ「本当のこと
言ってるけどなぁ・・・」

彼女たちは
そう言って笑った。

もうわかると思うけど
俺はリコ先輩が好きだ。

話したことはない。

でも、彼女の笑顔に
俺の心が動いた。

彼女の笑顔は
人一倍輝いていた。

？「おい、
輝之介聞いてる？」

輝之介「えっ・・・
あ、ごめん。
聞いてなかった」

彼は、イルマ。
俺の親友。

かっこよくて
女子に大人気。

イルマ「まさか
また先輩のこと・・・」

う・・・
図星ですよ・・・

輝之介「いや、そのっ・・・」

イルマ「輝之介、
分かりやすいな」

顔が、真っ赤になってることが
わかる。

イルマ「ま、輝之介の恋を応援するよ」

輝之介「ありがとう、イルマ」

＊・＊・・・＊・・・＊・＊

そんなある日。

宿題、イルマに聞かないと
わかんないや。

輝之介「イル・・・」

え・・・？

リコ「あのっ・・・」

イルマ「ん・・・？」

リコ「イルマくんですか？」

イルマ「そうです。
リコ先輩ですか？」

リコ「はい。
あの、話したいことが
あるんですけど・・・
いま、だいじょうぶですか？」

イルマ「だいじょうぶです」

なんで
イルマとリコ先輩？

もしかして告白・・・？

そう思うと
自然に涙があふれてきた。

イルマ、
応援してくれるんじゃ
なかったの？

あれは、うそだったの・・・？

俺はこの場をそっと離れた。

＊。・　次の日　・。＊

イルマ「輝之介、
話があるんだ」

話って、リコ先輩と
つきあうことでしょ？

そんな話
聞きたくない――・・・

輝之介「話って、
イルマとリコ先輩が
つきあうことでしょ？」

イルマ「え・・・？」

輝之介「イルマのこと
信じていたのにな・・・」

そういって逃げ出した。

イルマ「おい、
話を聞いてよ！
輝之介・・・」

後ろでイルマの声が
聞こえたが
振り向くことはできなかった。

俺は屋上に
たどり着いた。

輝之介「俺って・・・
本当にダメなやつだよな」

思っていることを
つい、声に出してしまった。

ま、誰もきいてないから
いいや。

？「何がダメなの？」

後ろから
声が聞こえた。

この声は・・・

振り向くと
笑顔がかわいらしい
彼女がいた。

でも、いまは
真面目な顔だ。

リコ「輝之介くんでしょ？」

輝之介「は、はい」

リコ「イルマくんから聞いた？」

輝之介「いえ、なにも・・・」

リコ「仕方ない。
私から言おうか・・・」

風が吹いた。

リコ「ねぇ、私がいつも
見つめていた人
知ってるかな？」

輝之介「知りません」

リコ「私が見つめていた人はね・・・」

心が鳴り止まない。

君の好きな人が・・・

分かっちゃうなんて・・・

リコ「輝之介くんだよ」

輝之介「え・・・？　僕？」

リコ「私、ずっと見てたの。
そこで、想いを伝えようって
思ってイルマくんに相談したの」

輝之介「俺もずっと
リコ先輩が好きでした」

リコ「じゃあ、
今日からカレカノだね」

輝之介「はい！」

＊ＥＮＤ＊