ごちゃごちゃな恋の行方
作者:ちきんなんばん
私、マウミ!
容姿に自信アリな
中学2年生で~す。
原宿でスカウトされたことも
あるくらい、美少女なわ・た・し。
それはそれは
モテるんだからね。
マウミ「はー、また告られちゃった。
しかも相手は、あのリュウト。
断っちゃったけどね」
ミク「全然困ってなさそうだね。
よかったじゃん」
顔はそこそこかわいいけど
なぜかモテない、親友のミク。
ミクは私のことを
傲慢だって言う。
それはそうかもしれないけど、
私のことをそう思っていても
親友でいてくれるミクが
大好きなんだ。
ミク「マウミがそんなイケメンに
告られても断るのってさ。
好きな人がいるからじゃないの?」
どきんっ。
心臓が跳ねた。
さすがは、親友。
勘がいい。
マウミ「そ、そんなわけないじゃーん。
私は恋をしない女!」
ミク「声、裏返ってるよ」
そう言われて堪忍した。
マウミ「ま、まあね」
ミク「相手は?」
そこに、幼なじみの
イブキがやってきた。
結構かっこいいやつだ。
男女ウケするタイプ。
イブキ「おいおい、マウミ
顔赤いぞ? 風邪か?」
やさしいけど、なかなかに
鈍感なイブキ。
ここは、空気を読め。
恋バナしてんだぞ。
マウミ「あー、えっと~。
ううん。全然げーんき」
イブキ「ちょっと
落ちこんでんだろ」
さっすがイブキ。
私の幼なじみ。
まあ、私は確かに
落ちこんでいると言える。
今日、見てしまったのだ。
かわいくて、美人で、頭良くて、
やさしいユウリちゃんが
my すきぴ・イルマと
いかにも仲よさげに話しているのを!
ミク「もう言えば?」
イブキ「え、なになに?
俺に隠し事? よくねーぞ」
空気読め、
ミクもイブキも!
マウミ「だーかーらっ、
私、好きな人がいるの!」
一瞬で、教室内が
静かになった気さえした。
みんなが私を凝視する。
ハズい。
教室がわく。
「え、マウミ、誰好きなん?」
「こんな大声で宣言かよ!」
「相手、イブキじゃね?」
「俺等の姫がああああ!」
やばい。
やばいことになった。
焦ってミクに目線で
助けを求める。
すると、ミクは肩をすくめた。
細い腕で
イブキを支えている。
イブキはというと、
白目をむいていた。
マウミ「どうしたの、イブキは」
ミク「ショックだったんでしょ」
なんでもない顔で言うミク。
気を失いかけてるイブキなんて
レアなものはない。
マウミ「何がショックなの?」
すると、ミクは一瞬
フリーズしてから、
取りつくろったみたいな笑みを
浮かべた。
ミク「知らんよ」
うーむ。
なんかありそう。
* ‐‐‐ * ‐‐‐ *
放課後────
マウミ「もうだいじょうぶそ?w」
イブキ「あー、だいじょうぶだよ」
イブキは
大きなため息をついた。
マウミ「ミクはイブキが
ショックを受けたんじゃないかって」
もう一度、大きなため息を
ついている。
イブキ「ああ、ショックだったんだよ」
マウミ「何が?」
イブキはなぜか
そっぽを向いた。
ほんのり顔が赤い。
マウミ「もー、2人でなんか
秘密にして! ひどいよ?」
イブキ「お前には
死んでも教えてやんねーわ!」
やれやれ。
ちなみにミクは
先に帰ると言って
行ってしまった。
* ‐‐‐ * ‐‐‐ *
狭い部屋で、ミクは
ため息をついた。
マウミは鈍感だ。
イブキも。
ミクはずっと
イブキのことが好きだった。
鈍感だけど、やさしくて
いつも気を遣ってくれるイブキ。
でも、ミクは知っている。
イブキがマウミを
好きなこと。
マウミには、ほかに
好きな人がいるようだけど。
マウミは他の人が好きなのに、
イブキはマウミが好き。
これじゃ、報われない。
私の恋は?
ミクは1人泣いた。
* ‐‐‐ * ‐‐‐ *
マウミ「ついに、告るぞ!」
私は、決めた。
ユウリちゃんにとられる前に、
やるんだ!
その瞬間、横を
男女が通りかかった。
ユウリちゃんとイルマだ。
声をかけようとして
気がつく。
手を繋いでいる。
笑い合いながら。
お似合いすぎる。
一瞬にして
私は落胆した。
そのとき、私の肩に
誰かの手が置かれた。
イブキ「なんかあった?
後ろ姿だけでわかるよ。
落ちこんでるでしょ」
その声がうれしい。
一瞬で涙が
どばっと出た。
「し、失恋したあー!」
イブキは、話を聞いてくれた。
相槌を打って。
イブキ「つらかったんだな。
安藤のこと、
好きだったんだな」
私は、ぐすんぐすんと
うなずいた。
「でもさ。俺はたぶん、
お前が安藤を好きな以上に
お前のことが好きだ」
頭の中が
真っ白になった。
私のこと、好き?
イブキが?
頭の整理がつかない。
イブキは、苦笑した。
寂しそうに。
「ごめん。困るなら。
これは、俺の一方的な
気もちなんだ」
いいや。私は。
マウミ「私は今まで
イルマが好きだった。
でも、私はイブキが大好き。
まだ恋愛的には考えられないけど。
つきあって!」
こうして、私たちは
カップルになりました。
* ‐‐‐ * ‐‐‐ *
その頃、ミクは重い足どりで
階段を登っていた。
なんだか無性に
切なかった。
足どりがふらついた。
「う、うわあっ!」
落ちる!
と思ったその瞬間。
支えてくれた力強い手。
「だいじょうぶか? 大月」
ミクを支えていたのは
クラスメイトのハルトだった。
ハルト「危なっかしいぞ。
かわいい顔に傷がつくじゃん?」
かわいい。
その言葉に
胸がどきっとはねた。
*end*
※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。






























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