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王子様の王子様

CAST松瀬 太虹松瀬 太虹

作者:M

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.03.22

*──────────*
 通学路 はしゃぐ女子
*──────────*





「キャーッ、イブキ様!」





「今日もかっこいい!」





「もはや男子よりイケメン!!」





「こ・・・これじゃ、
相沢さんに
話しかけられない・・・」





「なにいってんの、ダイジ。
イブキ様は、呼びかけたら
ちゃんと応えてくれるって!」





「ほら、こうやって・・・」





「イブキ様ー!!
こっち向いて!」





「ちょっ松田、
俺の手振るな!
って、わわっ!」





「キャーッ、見たっ?
いまの!
にこっとして、こっちに
手振り返してくれたじゃん~!」





「か・・・かわいい・・・」





「違う!
‘かっこいい’の!」





「ビジュはもちろん、
さばさばしてて、
困ってる女子がいたら
助けてくれる・・・」





「イブキ様は、うちらの
王子様なんだから!!」











*─────────*
 放課後 松田ミユウ
*─────────*





「ねー、おねーさん、
俺らと遊ばない?」





「楽しいことしよーよ」





「! や、やめてください、
手、離して!」











*──────────────*
 すこしミユウから離れた場所
  松瀬ダイジ
*──────────────*





「あれ? 松田!?
なんか、・・・不良に絡まれてる!?」





「助けないと・・・!」





ダッ(走る音)





「だいじょうぶか、松田!
・・・って、すでに
相沢さんがいる!?」





「こらっ、その手を離せ!」





「イブキ様~!!!!」(涙)





「え~なに、かわいい子が
なんか来た~」(笑)





「君も俺らと遊びたいの~?」(笑)





「・・・嫌がってるだろ・・・
いますぐ彼女から手を離せ!」





「おーおー勇まし~って、
いてててて・・・!」





「ちょっこいつ、
ちから強い・・・!
小澤さ~ん!」(泣き)





小澤「・・・どうやら、ちょっくら
話さねーと
ダメみたいだな・・・」





手を振り上げる
不良、小澤。





「あ・・・っ、危ないっ!
イブキ様、よけて・・・!!」





パシンッ





「う・・・うそだろ、
おい・・・」





「小澤さんのこぶしを・・・
素手で受け止めた・・・!?」





小澤「・・・!?
テ、テメー
なめやがって・・・!」





「かっこいー!!
さっすが、イブキ様・・・!」





そのとき、相沢さんは
急に表情を変えた。





「あ・・・あれ・・・?
わた、わたわたわたし、
この状況・・・え?」





「イブキ、様・・・?」





「!? 松田さん!?
ええーっと、この・・・
状況は・・・一体??」(困惑)





「そこで・・・
にらんでくるお兄さま方は・・・?」





(何言ってんだ!?)





(───急に・・・雰囲気が、
変わった・・・?)





(様子が、おかしい!)





「ちょっちょっとまてー!!」





(走り出たダイジ)





「おまわりさーん!
ここです、ここ!
ココでけんかが・・・!」





(振り返って呼ぶふり)





小澤「げっ・・・行こうぜ」





子分の不良「はいっす!」





イブキ「・・・///!」













・*。・ 帰宅中 ・。*・





「私・・・二重人格なんだ」





「二重・・・人格!?」





「うん・・・
松田さんが知ってる私・・・
イブキ様は、」





「私の中の・・・
高校1年生の男の子」





「えっ、男子!?
しかも年上っ!?」





「ごめんね、
イメージ壊して・・・」





「でも、本当の、
・・・もう1人の私は、
中学2年生女子の
相沢イブキなんだ・・・」





「臆病で、恥ずかしがりで・・・」





「みんなの知ってる
イブキ様とは正反対な・・・」





「俺と一緒だ」





「え?」





「あ、いや・・・」





「ダイジ、ずっと前から
イブキ様と話したがってたんですよ」





「ちょっ、松田っ」





「でも~おじけづいてばっかりで、
結局いつも1歩離れて
見てるという・・・(笑)」





「そうだったんだ、
じゃ、また学校でも話そ」





「えっ・・・!」





「今日、助けてくれたとき・・・
めっちゃかっこよかった」





「松瀬君のこと、もっと
知りたいっていうか・・・(赤面)」





「イブキ様、顔赤いですよ~。
ってか、確かに、
学校のときとは別人みたい・・・」





「でも、なんか
親近感あるかも!」





「・・・恋愛相談なら、
いつでも乗りますから・・・(小声)」





「あ・・・ありがとう(赤面)」





「? 松田、なんて?」





「べっつにー(にやにや)」





「松田さんの・・・知ってる
私じゃなかったのに・・・
がっかり、しないの?」





「ぜーんぜん!」





「だって、それでも、やっぱり
私からしたらイブキ様は
王子様ですから」





「まっさきに、
私を助けに来てくれた・・・」





「でも、結局、助かったのは
松瀬君のおかげだよ」





「いーえ!
ダイジが助けたのは
私じゃなくて・・・」





松田は、ビシリと
相沢さんを指さした。





「わ、私!?」





「ダイジは、王子様の王子様!」





「・・・でしょ?」





「「えっ・・・!!」」(赤面)





「(笑)2人とも
初心でかわいい~(笑)」





「じゃ、お邪魔虫の私は
消えますかっ。じゃ~ね~」





「「・・・」」





「「あのっ」」





「あっ、先にどうぞ」





「いや、相沢さんから・・・」





───そろそろと、
差し出されようとした手。





迷ったように、微妙なところで
手は止まった。





「・・・帰りましょうか(赤面)」





「そう、ですね(赤面)」





俺は、いまだ微妙な位置で
静止している彼女の手を、
そっと握った。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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