恋が始まる5分前

CAST内田 蓮内田 蓮

作者:sakyon

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.04.10

俺はまだ知らない。





5分後に起きる
あの事件が、





俺の運命を
変えるということを。







* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





れん「友達と
遊びに行ってくるー!」





俺はれん。
今日は家から歩いて
5分くらいの近所の
ショッピングモールに
買い物に来たんだけど・・・





え?
なんで1人なのかって??





実は、俺には
誰にもいえない
秘密がある。





それは・・・
俺がジェンダーレス男子
だっていうこと。





ジェンダーレス男子が
何かって?





簡単に言うと
女装が好きな男子のこと。





きもいって
思われるのが
普通だから、





俺は誰にも
このことを明かさない。





今日は好きなブランドの
セール日!!





服の代金は
お小遣いから
出さなきゃだから、





午後2時に
間に合うように
すぐに行くと決めていた。





れん「よーし!
今日は奮発して買うぞー!」





ハイテンションになって
俺は前が見えていなかった。





そこに
段差があることも、





そこにクラスメイトが
いることも。







家から出て5分後、
俺は人生最大の過ちを
おかしてしまった。





れん「あっっ!」





ふくろに入れていた
女性ものの服が
転んだ衝撃で
全て出てしまった。





れん「やばい、やばい、」





急いでしまったが、
もう遅かった。





目の前を見ると
クラスメイトのゆななが
立っていた。





ゆなな「れんくん?
れんくんだよね!」





れん「・・・」





ゆなな「ねぇ、
その服って・・・」





れん「・・・」





終わった。





ゆなな「もしかして妹さんの?」





れん「・・・え?」





ゆなな「やっぱりそう?
前に妹いるって
言ってたもんね!
いいお兄さんだなぁ~」





よ、良かった・・・
ゆななが天然で。





れん「そ、そうなんだ。
じゃあ、
俺急いでるから!」





ゆなな「私は帰るところ!
じゃあね!」





俺はゆななが帰るのを
見送ってから、
多目的トイレにはいった。





家では親にバレると
いけないので
着替えられない。





だからいつもここで
着替えるんだ。





れん「良かった・・・
バレなくて。
妹よ、感謝する」





ってやば。
急がないとセール
始まっちゃうじゃん。





靴と服を脱いで
タイツと靴下を履いて





ワンピースを着て
服をしまう。





かつらをかぶって





カチューシャをして





急いでるから
リップだけ塗ってOK!





準備完了!





よし、しゅっぱー・・・つ・・・





開けたら
ゆなながいた。





ゆなな「・・・れん・・・くん?」





れん「・・・か、帰ったんじゃ・・・」





ゆなな「ちょー可愛い!!!」





れん「え?」





ゆなな「あれだよね、
ジェンダーレス男子ってやつ!
私、いいと思うよ!
男の子が女の子の服着ても!」





バレたんだけど、
なんか悪い気が
しなかった。





ゆなな「ねぇ、
もし良かったら
私とお買い物しない??
お洋服買いに
来たんだよね?」





れん「そ、そうだけど・・・」





認めちまった!





れん「な、なんで
ここにいるの?」





ゆなな「れんくんの
お洋服についてた
タグがやっぱ
気になっちゃって・・・
追いかけたら、
ここだったって感じ」





れん「そっか」





ゆなな「私、誰にも
いったりしないから安心して。
だからさ、女友達として
お買い物しにいこーよ!」





れん「・・・黙っててくれるなら」





ゆなな「やった!
よし、いこ!」





俺の人生、
どうなることやら。





でも黙っててくれる
みたいだし、
大丈夫・・・だよね!





れん「ここのセールに
来たんだ」





ゆなな「私もここのお店で
よく服買うよ!」





れん「本当??
じゃあ・・・
これとか似合う?」





ゆなな「あ、可愛い!
それにこれ合わせたら・・・」





れん「いいね!
これ、買うよ」





いつもは1人で
コソコソと
買っていたから、





2人での買い物は
新鮮でとても楽しかった。





ゆなな「今日は無理言って
ごめんね!
楽しかった!」





れん「ううん、
こちらこそ、
ありがとう。
良かったら・・・
また服選んでくれる?」





ゆなな「もちろん!
また来ようね!」





俺たちは
女の約束をした。













*。・ 次の日 ・。*





ゆなな「おはよう!」





ゆななは何事も
なかったかのように
接してくれた。





れん「おはよう!」





いい気分だ。





だが、席について
引き出しを開けると
俺の気分は超絶に下がった。





れん「なに・・・これ・・・」





そこにはおれが
女の格好でゆななと
買い物をしている
写真があった。





れん「ゆなな、
ちょっと話がある」





そういって
ゆななを呼んで、
写真を見せた。





れん「こんなのが
俺の引き出しに
入ってたんだが、
心当たりはあるか」





ゆなな「なに・・・これ・・・
やばいんじゃない??」





れん「・・・ゆななじゃ
ないんだよな」





ゆなな「私なわけないじゃん!
ここに私も
写ってるわけだし」





れん「それなら
この教室に入れるやつ、
つまりクラスメイトの
犯行ってわけだ」





ゆなな「誰だか
突き止めるんだよね、
私も協力する」





れん「ありがとう」





とはいっても
まだ証拠がない。





クラスメイトということしか
手がかりがないまま
この日は終わった。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





次の日、
また俺の机には
写真が入っていた。





それにはメモも
付いていて、





・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
バラされたくなかったら
ゆななとはもう話すな
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・





とかいてあった。





これをゆななに見せると





ゆなな「これ、
みなみの字じゃん!」





れん「え?
みなみって・・・」





ゆなな「私の1番の友達。
でもなんでみなみが・・・」





みなみ「バレちゃったか~」





れん「みなみっっ」





ゆなな「なんでこんなこと・・・」





みなみ「ショッピングモール
歩いてたら2人を見つけた。
ゆななが女の子と2人きりで
お買い物をしてた。
誰だか気になって
話を聞いていたら
それが男子だってことに気づいた。
私はゆななの1番の友達で
ありたかった。
なのに、なのに・・・」





ゆなな「みなみは
私の1番の友達だよ。
それにれんくんは
友達なんかじゃない」





れん「・・・」





俺は友達だと
思っていた。





唯一俺の秘密を知る、
一緒に買い物をする
女友達だと。





みなみ「ゆなな・・・!」





2人は抱き合って
泣き笑いしていた。





俺は邪魔だと思って
その場を去ろうとした。





ゆなな「れんくん、
ちょっと待って!
みなみは、先行ってて」





みなみ「うん。
友達なのは・・・」





ゆなな「みなみだよ、
安心して」





みなみは嬉しそうに
その場を立ち去った。





ゆななは言った。





ゆなな「あのね、
友達じゃないって
言ったのは・・・」





れん「わかってる。
みなみが悲しそう
だったからだろ。
別に、傷ついてない」





嘘・・・だけど。





ゆなな「ちがう、れんくんは、
私の・・・
好きな人だから!!」





れん「え?」





思っていたことと
違ったから、
戸惑った。





ゆなな「あのね、私は
元々れんくんが好きだった。
れんくんが
ジェンダーレス男子だって
知った時は驚いたけど、
一緒にお買い物していたら
とっても楽しくて、
やっぱり私はれんくんが
好きなんだって思ったの」





れん「俺は・・・ゆななが
俺の秘密を知ってしまって
最初は戸惑った。
2人で買い物してたら
1人で買い物をする時よりも
楽しいことに気がついた。
女友達になってくれて
嬉しかったけど
・・・・・良かったら・・・
カレカノにならないか?」





ゆなな「・・・もちろんっ!
私今、すっごい嬉しい!」





さっきみなみに
抱きついたみたいに
俺に抱きついてきた。





俺は戸惑ったが、
ゆななの背中に
手を乗せた。





ゆなな「次はデートで
お買い物行こうね!」





れん「あの、
格好ってやっぱり・・・」





女装はまずいよな。





ゆなな「もちろん、
女の子の格好でいいよ!」





れん「えっ、いいの?」





ゆなな「私、あの格好の
れんくんも好きだよ、
可愛くて/////」





れん「ゆななの方が
可愛いよ・・・照」





あの時は最悪だと
思ったけど、





今になれば
あの事件がなければ
いまの関係には
至れなかったんだよな。





俺は後悔していない。





あの時の、
あの事件のことを。







*end*

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