鈍感チョコレート
作者:rina
「はい、バレンタイン」
そう言って、
恥ずかしそうに
君が渡したのは
大きな紙袋。
「ありがとう、
えりな・・・!」
嬉しい、
嬉しすぎる。
だって君は
俺の大好きな人だから。
チョコは
毎年くれたけど
義理でも
1つ1つが宝物で。
「ふふ、カエルみたい。
飛び跳ねちゃって、
そんなに嬉しかったの?」
「違うよ!
だってこれは特別じゃん。
すっごく嬉しいよ!」
(トクベツ)
えりなはちゃんと
その意味
分かってんのかな?
今まで何度か
気のある素振りは
見せてたはずなんだけど、、、
(君は鈍感だからなあ)
やっぱり
気づいてないのかも。
「そ・・・そっか。
じゃああたし、
来年も再来年も
空人だけに
チョコ作っちゃおうかな」
「え?」
「気づいてないの?
今年はね、空人にしか
チョコあげてないんだよ」
・・・もしかして
鈍感なのは
俺の方だった?
こんなに
顔を真っ赤にして
こっちを見つめる
君の気持ちに
気づいて
なかったなんて。
そんなえりなの姿が
愛おしくて愛おしくて
僕は思わず
細い君の身体を
抱きしめた。
「・・・是非、
来年も再来年も
ずーっとその先も
お願いします!」
*end*