ダンスからはじまる恋

CAST大倉 空人大倉 空人

作者:rina

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.03.21

俺の名前は大倉空人。





今日は俺がキャプテンを務める
ダンス部に尊敬する先輩が
来てるんだけど・・・





イラつく





本当イラつく。





付き合ってるわけでもないのに
自分のモノみたいに
彼女を見る自分に





そして嬉しそうに
教えて貰っている
幼馴染の秋田汐梨に





物心ついた時から俺は
汐梨のことが好きなのに





俺が不器用なのと
アイツが鈍感なのが合わさり





なかなか進展がない。





てか・・・・・





汐梨の好きな人って
翔大郎先輩なのかな





って思うほど
めちゃくちゃ距離が近い。





翔「汐梨ちゃんいい感じ!」





汐「そうですか?
ありがとうございます!
あ、翔大郎先輩
ここのペアの所って・・・」





翔大郎先輩も
満更ではなさそうだ。





汐梨は正直可愛いし
結構モテる。





だから先輩が汐梨のことを
好きでもおかしくない。





しかも汐梨が言うペアって
俺じゃねぇか。





そっか・・・





汐梨は俺とじゃなくて
翔大郎先輩とやりたいんだな。





そう思い
俺は部室を出た。







しばらくして
部室に戻ると。





汐「もう! 先輩ってば
ホントにやめてくださいよ~
照れます」





翔「いいじゃん!
可愛かったし」





翔大郎先輩と汐梨の距離が
近くなってる。





しかも汐梨は
なんかわかんないけど
顔赤いし。





そんなことを考えてると
後輩の杏奈が
近くによってきた。





杏「ふふ、汐梨先輩も
素直じゃないですね~」





空「ん?
どういうこと?」





杏「いま汐梨先輩、
顧問の先生にある企画を
出してるんです」





企画?





空「それどんな企画?」





杏「ペアダンスですよ!
汐梨先輩、昔からずっと
好きな人がいて
その人と踊りたい! って
思ってるみたいなんですよ」





終わった・・・・
俺、失恋確定だ。





汐「空人ー!!」





空「なに?」





汐「2人で
なんの話してたの??」





空「なんでも良くね?
関係ねーだろ」





さっきまで翔大郎先輩と
笑顔で話してたのに





俺のところに寄ってくるなり
笑顔が消えた汐梨に
つい当たってしまった。





俺ダサいな。





こういう所が
恋を遠ざけてるのにな・・・・





ふと、さっきの
杏奈の言葉を思い出した。





“汐梨先輩も素直じゃないですね~”





なるほどな。





これでようやく確信できた。





汐梨の好きな人は
やっぱ翔大郎先輩か・・・・





男の俺が見ても
かっこよくて優しくて
完璧な先輩に





俺なんかが
勝てるわけないじゃん・・・・





ほんとに終わったな俺。





汐「そ、そうだよね!?
ごめん邪魔して」





そう言うと汐梨はまた
翔大郎先輩のところに
戻ってしまった。













********************





1週間後、俺たちダンス部員は
顧問の内山先生と
副顧問の久間田先生に集められた。





久「全員いる? はい!
今日集まってもらったのは
皆に新しいチャレンジをしてもらおうと
思うからで~す!」





「「チャレンジ?」」





久「そう!
内容は・・・
内山先生お願いします」





内「おう!
よく聞け~。
お前達ダンス部員に
男女でペアを組んでもらう」





汐「えっ!!
先生! それって・・・!」





汐梨が立ち上がって言った。





その時、
俺もすぐにわかった。





この前、杏奈が言っていた
汐梨が出した企画が通ったって。





内「あぁそうだ。
秋田が出してくれた
ペアダンスだ」





そっか・・・





これで汐梨は
大好きな翔大郎先輩を
部活に招いて
一緒に踊るんだな。





はぁ・・・・・





失恋って
こんな辛いのか。





てか、俺はペアどうしよ。





汐梨以外
見えてなかったからな・・・・・





色々考えながら
部室を出ようとすると





汐「空人っ!」





空「ん?」





汐梨が話しかけてきた。





汐「あの・・・えっと・・・」





空「なんだよ?」





汐「あたしとペア
組んでください!」





恥ずかしそうにそう言って
頭をさげ、手を伸ばした。





まるで告白みたいに。





(やっべ・・・・
可愛すぎる)





空「翔大郎先輩
呼ばないの?」





本当は内心
めちゃめちゃ嬉しかった。





叫ぶぐらい嬉しかった。





でもまたしても口は
反対のことを言っていた。





汐「え?
なんで翔大郎先輩?」





空「だって、お前
好きな人と踊りたいから
この企画だしたんだろ?
だからお前は翔大郎先輩と
踊ればい・・・」





汐「バカ!」」





汐「空人のバカ!
なんであたしのこと
分かってくれないの?」





空「汐梨のことなんか
分かるはずないだろ!
でも俺、唯一分かったことがあるから。
俺がどんな気持ちでも
応援してあげようって思ってんのに
なんで俺が怒られなきゃいけねーの?
意味わかんね」





これは完全に逆ギレ





そう分かってはいた。





でも自分の気持ちを
止められはしなかった。





それだけ言って
俺は逃げようとした。





すると、





翔「空人くん待って!」





いきなり翔大郎先輩が現れて
腕を捕まれた。





空「翔大郎先輩・・・
どうして?」





翔「まぁ、ちょっとね!
てか違う違う!
空人くん、
汐梨ちゃんと踊ってあげて」





なんで俺と?





そんな顔がバレたのか
翔大郎先輩は笑いながら
話を続けた。





翔「空人くんさ、
汐梨ちゃんの気持ち
ちゃんと受け止めようとしてる?
分からないからって
逃げようとしてない?」





図星だ・・・・・





翔大郎先輩の言葉が
胸に刺さる。





いつもそうだ。





結局、汐梨の気持ちを
知るのが怖くて
逃げてばかりだ。





でも口は思ってることと
反対のことが出てしまう。





空「でも、汐梨は翔大郎先輩が」





翔「ほら、そういうとこだよ!
俺はこのあと約束があるから
もう行くけど、
汐梨ちゃんもちゃんといいなよ?
頑張って!」





汐「は、はい。
ありがとうございます」





翔「じゃっ」





それだけを言うと
翔大郎先輩は行ってしまった。





それから2人の間に
沈黙が続いた。





(気まず・・・・)





空「しお「空人っ!」」





「「あ・・・」」





空「汐梨、
先言って?」





汐「あ、うん・・・
あのね、好きな人と踊りたいから
企画だしたって言ったじゃん?
それは本当のこと。
今まであたしが意地っ張りで
なかなか素直になれないから進展もなくて
チャンスだって思って、
これで少しでも距離が縮まればな~って
思ってこの企画を出した」





空「うん・・・
だから翔大郎先輩と」





汐「ううん! 違う・・・
空人は勘違いしてる・・・
あたしの好きな人は・・・・・
ふぅ・・・・
好きな人は空人なんだよ!!
気づいて!」





緊張しながらも
一生懸命そう言った汐梨。





ん?
俺が好きだって!?





空「は?!」





汐「もうっ!
女子が一世一代の告白してんのに
そのリアクションはなんなのっ!!???」





いや、まてよ
状況が読み込めねーし





つまりこれは
両想いってこと?





いや、でも





汐「空人もあたしのこと
好きだったりする?」





空「お前アホなの?
でも、俺も好きな奴と
踊りたいから・・・」





汐「そっか・・・
そうだよね・・・ごめんね!
期待したあたしが
バカだったみたい・・・・
あたしやっぱり
翔大郎先輩呼ぶね」





そう言って去ろうとする汐梨を
俺は抱き締める。





ギュッ・・・・





空「バーカ
俺が好きなのはお前だよ。
汐梨、俺と踊らない?」





汐「え・・・ほんとに??
もちろん!///」





照れて真っ赤になる汐梨





これからは
俺だけのものだ。





ダンスのおかげで
やっと素直になれた。





これからもよろしくな!







end~・・・*゜

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