祝福のタックル ~天才の苦悩~
作者:まるぱん
僕はタイヨウ。高校3年生。
自画自賛ってわけじゃないんだけど、
エリートたちが集まる
新潮学院大学に合格した。
ピアノも得意で、音楽祭では
ピアノ伴奏を務めた。
「タイヨウって、頭もいいし、
ピアノも弾けるし、天才だよね!」
なんてみんなは言うけれど、
僕は「天才」って言葉に
苦しめられてきた。
「天才」だとほめられるたびに、
敬遠されて、
話しかけてもらえなくなる。
あの2人、コハナちゃんと
ユウくん以外には。
コハナちゃんっていうのは、
2つ年下の後輩。
ユウくんっていうのは、
本名ユアン、僕の幼なじみ。
コハナちゃんは
ユウくんと仲がいいから、
僕とも仲がよくなった。
ドーンッ!
コハナ「タイヨウ先輩!
新潮学院大学合格
おめでとうございまーすっ!」
タイヨウ「ありがとう」
コハナちゃんが
タックルしてくる。
と、なると・・・
ドドーン!
ユアン「タイちゃーん!
合格おめでとー!」
タイヨウ「ありがとう」
ユウくんも
タックルしてくる、
っていうのが
僕たちの日常茶飯事。
タイちゃんっていうのは、
僕のニックネーム。
そういえば最近、もう
ユウくんとコハナちゃんしか
話しかけてくれなくなったなあ・・・
ユアン「なんか顔暗い?」
タイヨウ「ううん、
そんなことないよ!」
気をつかわせたくないから、
ごまかそう。
無理に笑顔を作る。
ユアン「それならいいんだけど・・・」
コハナ「・・・」
その日は
こんな感じで終わった。
コハナ「タイヨウ先輩!」
タイヨウ「どうしたの、
コハナちゃん?」
今日はタックルして
こないなあ・・・
コハナ「前にタイヨウ先輩、
ユウくんに心配されていましたけど、
だいじょうぶって言っていましたよね」
タイヨウ「うん」
コハナ「あれ、だいじょうぶじゃ
なかったですよね」
タイヨウ「そんなことないよ」
コハナ「うそですよね」
ああ、コハナちゃんには
隠しとおせなさそうだな。
タイヨウ「うん、
だいじょうぶじゃなかったよ」
コハナ「ですよね。
だいじょうぶには
見えませんでした」
タイヨウ「どうして
だいじょうぶじゃないって
分かったの?」
コハナ「それは、それは・・・!
私、タイヨウ先輩のことが
好きだから・・・!」
タイヨウ「あの、恋愛、の・・・?」
コハナ「はい・・・!
私のわがままかもしれませんが、
つきあってもらえませんか?」
タイヨウ「ユアウェルカム!」
男女交際はもちろん、
友人関係もとぼしかった僕にも
彼女ができた!
そして、僕、タイヨウは、
後日ユウくんから
「交際おめでとー!」
と、祝福のタックルを
受けたのでした。
*end*
※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。