小さくてかわいい恋。
作者:laりんご
こんにちは
私、相沢イブキです。
地味目な中学2年。
イブキ「荷物おもっ・・・泣」
?「いーぶきっ! おはよ」
イブキ「あっ、おはよう!」
この子は、ミク。
私の大切な親友。
?「みーーーーく!!」
後ろから聞こえてくる、
元気な声の正体は・・・
ミク「リョウ? おはよう~」
そう、黒澤リョウ。
ミクの彼氏であり、
私の好きなひと。
ミク「リョウ、
また寝ぐせついてるー」
リョウ「ミクなおして」
ミク「もーしょうがないなぁ・・・」
『ミク』・・・
リョウ「あ、相沢いたんだ。
おはよ」
イブキ「・・・・・・・おはよう」
ミク「イブキって、リョウのこと
嫌ってるよね笑」
リョウ「まじかーい!! ショック~」
ミク「あはは」
はあ・・・
ふたりともテンション高い・・・
『嫌いじゃないよ、大好きだよ』って
言えたらいいのに。
ミクの彼氏なんかじゃ
なかったらいいのに・・・
・*。・ 放課後 ・。*・
イブキ「ねえミク、
なんで朝も放課後も3人でいるの?
私、お邪魔じゃない?」
ミク「え、なんで?
3人の方が楽しいじゃん」
イブキ「私は嫌だなっ。
これからは、ふたりだけで
登下校してね・・・じゃあね!!」
ミク「え・・・イブキー!?」
私が、こんなにミクに
そっけなくしたのには、
理由があって・・・
・* 今日のお昼やすみ *・
リョウ「あ、相沢ちょっといい?」
・・・? なんだろ。
わざわざ私のところに。
(3人とも違うクラス)
イブキ「なあに? 黒澤君」
ちょっとだけうれしかった。
いまはふたりだけ・・・
リョウ「あのさ、俺とミクが
つきあってるの知ってるだろ?
もうすぐ3か月になるし・・・
これからは行き帰り
俺とミクだけでいたいんだけど・・・
だめかな」
・・・・
いつもミクのことばっかり。
きっと最初で最後の、
黒澤君からのお願い。
イブキ「いいよ」
こんなお願い、
聞きたくなかった。
リョウ「ありがとう! 相沢!!」
イブキ「ううん。じゃあね」
* そしていま *
ミクに一方的に
話をおしつけた私は、
一目散にかけだした。
もう、ミクといるの
くるしい。
イブキ「あーあ。なんで
好きになっちゃったんだろ」
公園のブランコにゆられながら、
私は泣いた。
リョウ「あれ? 相沢じゃん」
???
ふりかえると、
黒澤君がいた。
イブキ「なんで・・・?」
リョウ「俺ん家ここらへんだから。
なんで泣いてんの?」
イブキ「・・・失恋しちゃったの」
リョウ「・・・そっか」
長い沈黙。
リョウ「今日ありがとな。
お願いきいてくれて」
イブキ「いいよ。
私、ミクのこと好きだし」
リョウ「で、俺のことは、
嫌いなんだよね」
イブキ「ちがうの!
本当は好きで・・・」
リョウ「え?」
やってしまった・・・
リョウ「相沢、俺、
ミクとつきあってるから・・・
だからごめん。
相沢とはつきあえない」
イブキ「わかってるよ!!」
でも、
好きになっちゃったんだもん―――。
イブキ「私じゃだめ? 本気だよ?」
リョウ「・・・ごめん。
俺が好きなのはミクだよ」
イブキ「うん・・・知ってる」
なぜだか少し笑えた。
イブキ「ちゃんと、ちゃーんと
自分の気もち言ってくれてありがと。
私、もう行くね」
私はまた走った。
本当は、ずっと
ミクがうらやましかった。
名前で呼んでくれて、
大事にしてくれる彼氏がいて。
イブキ「ミクに言わなくちゃ」
ピンポーン♪
(ミクの家にて)
ミク「はーい」
ミク「イブキ!? どうしたの?
泣いてるじゃん・・・」
イブキ「放課後、
そっけなくしてごめん。
ほんとうは、私ずっと
黒澤君のことが好きで・・・」
ミク「え・・・・」
イブキ「今日、
ちゃんとふられたから!」
ぎゅ・・・゜。・*
ミクが、
私のこと抱きしめてくれた。
ミク「そんなにくるしんでたの
知らなくて・・・ごめんね。
相談してくれてもよかったんだよ。
遠慮しなくても、いいんだよ・・・?」
イブキ「ミク・・・
ありがとう・・・大好き」
ミク「私も。これからは
なんでも相談してね」
イブキ「うん!」
私は今日まで、
小さくてかわいい恋をしたね。
・*。・ 翌朝 ・。*・
イブキ「行ってきまーす」
今日からは1人なんだよね・・・
がちゃ(ドアを開ける音)
ミク・リョウ「おはよう!」
イブキ「えっ!?
ふたりとも、どうしたの???」
ミク「リョウと昨日話し合って・・・」
リョウ「これからもやっぱり
3人でいようって結論になった」
ミク「イブキが嫌じゃなかったら
なんだけど・・・」
イブキ「嫌じゃないよ。
だって、ふたりとも大好きだもん!」
失恋したって、仲よしのまま。
これが、ほんとうの友達。
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。