好き。今までも。これからも。

CAST安藤 冶真安藤 冶真

作者:めいめい

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.09.24

「イルマー!!
肉じゃが余っちゃったから
どーぞーっ!」





「おう、さんきゅ!」





俺、中学2年の
安藤イルマ。





こちらは、
幼なじみの松尾そのま。





実は、そのまのことが
気になっているんだ。





気になっているって
言っても・・・





そのまは、
別の人が好きって噂。





そのまの好きな人。
それは・・・





俺の親友でもある。
小澤輝之介。





輝之介は、クラス1・・・
いや、学年1のモテ男だ。





学力も運動神経も全部がよく、
女子の理想だ。





でも輝之介は
女子に興味が無く、
今までで付き合った子が
1人もいない。





しかし、
『毎日』と言ってもいいほど
告られるのだ。





なのに断り続けるのは、
好きな人がいるからって噂も。





そして、俺が好きなそのまも
これはまたモテ女なのだ。





去年まで
彼氏がいたらしい。





でも何かが原因で
別れてしまったのだ。





まぁ輝之介とそのまが
付き合ったら、
理想のカップルになるだろう。





それにそのまはよく、
輝之介のことを
目で追っている気がする。





輝之介とそのまは
図書委員でも同じ。





そのまのことはなんでも
知ってる気がしてた。





でも、なんにも
知らないんだな、俺。





俺は、そのまが
幸せになってくれれば
それでいい。





俺の恋は実らなくても、
そのまの恋を応援したい。

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





『俺、松尾そのまに
告ろうとおもう』





輝之介と2人での帰り道。





輝之介はそう言った。





あぁー、やっぱり・・・





輝之介も、そのまのこと・・・





「告ってもいいかな?」





「え? なんで俺に聞くんだよ・・・」





「だって、イルマは・・・」





「・・・?」





「そのまのこと、好きだろ?」





「は? 好きじゃねーよ、
あいつ、ただの幼なじみだし」





「ふーん、そう。
じゃあ、告っちゃおーっと」





気づいた時、俺は輝之介の袖を
引っ張っていた。





「イルマ?」





俺は慌てて手を離した。





「あ、ごめんっ。
あの、ゴミ・・・
ゴミついてたから」





「ありがと。じゃあね」





輝之介がそのまに告る。





その瞬間、俺の恋は終わる。





自分の気持ちも
伝えられないまま
終わる恋。





いいんだ。





幼なじみとして
隣にいられるだけで。





涙が目からあふれた。

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





次の日。





「イルマ」





そのまが
俺に話しかけた。





輝之介と付き合うとか
そういうことかな。





「どしたん?」





「あのね・・・あたし・・・」





「授業始まるから・・・あとで」





「うん・・・あとで」





なんであんなに
冷たくなっちゃうんだろう・・・





『あとで』って、いつだろ・・・

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





輝之介との下校中。





輝之介が、なぜか笑顔だった。





「イルマっ。俺、告ったよ」





「お、おう」





「フラれたよ」





「おう・・・っえ?!」





「今度は、イルマの番」





「え? 俺の番?」





「イルマ、
本当鈍感すぎだよ!」





「は?」





「そのまには
好きな人がいるから、
俺フラれたんだよ」





「それなら俺も
告る意味ないじゃんか・・・」





「イルマ・・・鈍感すぎ」





「だからなんで・・・」





輝之介が俺の背中を
今まで歩いてきた道の方へ
押した。





「学校、行ってこいよ。
今日そのま、委員会の当番だから
図書室にいるよ」





そう言って輝之介は
微笑んだ。





俺は学校へ駆け出した。

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





「そのま!!」





「あ・・・イルマ。
どうしたの?」





「あの・・・
あ、さっきの話。
途中だったからさ」





「あ・・・あのね、
あたし・・・
イルマのことが好・・・」





「ずっと前から好きです。
俺と付き合ってください・・・!」





「・・・!!」





そのまは、大粒の涙を
俺に見せた。





俺はそのまを
そっと抱き寄せた。





「ごめんな・・・
早く言えなくて」





「あたしこそ、ごめん・・・!!」





もっと強く抱き寄せた。





「輝之介くん・・・!」





そのまがつぶやいた。





後ろを向くと
輝之介がいた。





「当番変わるよ。
2人で帰りな」





輝之介・・・





輝之介も辛いはずなのに・・・

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





付き合い始めて
1週間が経った。





輝之介は今まで通り
接してくれて、





そのまとは、幼なじみから
関係が変わった。





俺は、そのまが好き。





今までも。
これからも。





ずっと一緒にいたい。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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