ネックレスと指輪の箱
作者:ハニオレ
俺の名前は、久野渚夏。
中学2年生だ。
今日は、俺の彼女の
国本姫万里が
消えたときの話をする。
あれは、1年前の
バレンタインの日だった。
::* 1年前のバレンタイン *::
『渚夏く~ん!』
この声がすると
姫万里だって
すぐ分かる。
ヒマリ「渚夏く~ん!
一緒に帰ろ!」
ナツ「いいよ」
ヒマリ「今日は、
バレンタインだね!」
ナツ「そうだね。
バレンタインだ~」
ヒマリ「なんか
反応が薄い・・・
もうやめた!」
ナツ「何を?」
ヒマリ「渚夏君にチョコ、
あげようかな・・・
って思ってたけど、
何にも要求してこないから
あげるのや~めた!」
ナツ「そうゆうことかぁ~」
ヒマリ「そうゆうことかぁ~。
じゃないの!
欲しいの?
欲しくないの?」
ナツ「欲しいです!
チョコ、ください」
ヒマリ「よくできました~!
ご褒美のチョコで~す」
今日で、付き合って2年目。
毎年こんな感じで
やってます(笑)
ヒマリ「じゃあ私、
こっちだから。
バイバ~イ!」
そう言って姫万里が
信号を渡った。
ナツ「姫万里!
ちょっといい?」
ヒマリ「いいよ!
そっち行くね」
姫万里が、
俺のほうに来た。
ヒマリ「どっか行く?」
ナツ「ううん。
ここでいい」
ナツ「姫万里。今日で
付き合い始めて
2年目です」
ヒマリ「そうだね」
ナツ「だから・・・これ///
姫万里に似合うかなって
思って買った」
そう言って
俺が渡したのは
ネックレスと指輪。
前に、姫万里の家に
行ったときに
雑誌を読んでたら
ほしいものリストが出てきて
そこに
『彼氏からもらったネックレスと指輪』
って、書いてあったのだ。
ヒマリ「うそ・・・渚夏君。
ありがと!
明日からこれ付けてくる!」
ナツ「さすがに学校にはダメ。
校則違反です!」
ヒマリ「じゃあ、
お守り代わりに持ってる!」
俺は思わず姫万里を
ハグしてしまった。
それと同時に
雪が降り始めた。
数秒、世界が
停止したみたいだった。
ヒマリ「雪だね。渚夏君。
今までありがとね。
バイバイ」
姫万里がそう言って
姫万里は俺の腕の中から
消えた。
ナツ「姫万里! 姫万里!」
俺は、一生懸命
姫万里の名前を呼んだ。
けど、姫万里は
戻ってこなかった。
あれから
1年がたった今でも。
俺の足元には
姫万里にあげたネックレスと
指輪の箱だけが残っていた。
ナツ(泣きながら)「姫万里、
箱だけ残してくなよ」
空で姫万里が
笑っているように見えた。
きっと姫万里は
雪に紛れて
俺の前から
姿を消したんだと思う。
姫万里は
俺の前から姿を消しただけで、
俺の中に残り続けてる。
姫万里。
今までありがとな。
これから、よろしくな。
俺はずっとあの箱を
大切に保管している。
いつまでもこのままで。
::*END*::
久野 渚夏
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