お前に会えて・・・

CAST黒澤諒

作者：マンナン

2024.09.08

おっす！
俺、リョウ、高１。

今は、委員会を決めてる。

１番仕事が少ないのは・・・
図書委員だ！

リョウ「俺、図書委員
やりまーす！」

学級委員長「じゃ、リョウ君は
図書委員で」

ヨッシャー！
楽なのになったぜ！

そう思ったのに・・・

図書委員って、めっちゃ
面倒くさかった。

お昼休みに
ほとんど誰も来ない図書室で、
図書室の見張り。

チョー退屈。

図書委員なんか
やんなきゃよかった。

＊＊-・．・＊＊＊・．・-＊＊

ある日の、リョウが
図書当番のとき・・・

？「あの・・・
この本って
どこにありますか？」

俺に話しかけてきたのは、
真面目そうな女の子だった。

リョウ「俺、そういうの
わかんないから」

？「図書委員なのに
わからないんですか？
変わってますね」

リョウ「うるせー。
とにかく、自分でさがせ」

？「わかりました。
そうします」

なんだあの女。
ムカつく。

顔はちょっと
可愛かったけど・・・

俺はあの女が
ムカついたから、

図書室のことを
必死に勉強した。

＊＊-・．・＊＊＊・．・-＊＊

俺が図書当番の日、
またあの女が来た。

？「あの・・・
この本って・・・
あっ、あなたじゃ聞いても
わからないか」

リョウ「１番奥の本棚の
下から３番目だ」

？「えっ！　あなた、
わからないんじゃ・・・」

リョウ「お前の言葉が
ムカついたから、勉強した」

？「そうなんだ。
努力家なんだね（ニコッ）」

リョウ「うるせーよ///」

？「教えてくれて、ありがとう」

リョウ「待て。お前、名前は？」

？「１年Ｂ組の、中瀬リリです。
あなたは？」

リョウ「俺は１年の黒澤リョウ」

リリ「学年一緒だったんだ。
先輩だと思ってた」

リョウ「そのわりには、
結構失礼なこと言ってたな」

リリ「そうかな？　ごめんね」

リョウ「いや、別に」

リリ「黒澤君、ありがとね」

リョウ「リョウでいいから」

リリ「えっ？」

リョウ「呼び方。
俺もお前のこと
呼び捨てするから」

リリ「うん！（ニコッ）」

俺は、リリに会うのが
楽しみになった。

俺が図書当番じゃない日も
図書室に来てるんじゃないかと
思って来てみたら、
リリはいなかった。

俺が図書当番の日だけ、
来てるんだ・・・

うれしい。

この気持ちはきっと、恋だ。

俺は、リリが好きなんだ。

＊＊-・．・＊＊＊・．・-＊＊

俺が図書当番の日。

リリ「リョウ。この本って、どこ？」

リョウ「ここだ」

その本は、本棚の
１番下の段にあったから、
俺がしゃがんで言うと
リリもしゃがんだ。

顔が近い・・・

恥ずかしくなって、立った。

いつになっても、
リリが立ち上がらない。

リョウ「どうした？」

リリ「足がしびれちゃった」

なんだよ、それ。
可愛すぎる。

リリ「リョウ、手貸して」

俺はリリに手を差し伸べて、
リリは俺の手を握って
立ち上がった。

その時、顔がすごく近くて
俺は・・・

kiss

リリ「ちょっ！　リョウ？」

リョウ「俺、リリが好きだ。
ホントは俺、図書委員になったこと
後悔してた。
でも、お前が図書室に
来るようになってから、
図書委員になって良かったって
思うようになったんだ」

リリ「うれしい！
私もね、リョウが好き。
最初にリョウに会った時にね、
一目惚れしたの。
だから、リョウが図書当番の日以外は
図書室には来なかった」

リョウ「知ってる」

kiss

図書委員になって良かった。

リリに会えて、良かった。

俺は今、世界一の幸せ者だ。

happy end☆