本当の好きはすぐ側に。
作者:ソフトクリーム
こんにちは、私は中2の末永ひなた。
野球部のマネージャーをしてます!
リョウスケ「ひなたー? タオル」
ひなた「はい、どうぞ。
タオル取って、でしょ?」
リョウスケ「別に伝わったから
いいだろ?」
ひなた「はぁー?」
これが、私たちの日課になってる。
こいつは幼なじみのリョウスケ。
なんか、私にだけイジワルだから、
いつもケンカになっちゃうの。
輝之介「はいはい、ふたりとも
ケンカしない」
きたー!
この人は、輝之介先輩。
ピッチャーなんだけど、
県内でも代表に選ばれるほど上手いの。
その上、かっこよくてやさしくて、
大好きな先輩なの!!
ほんと、リョウスケの
お兄さんとは思えないよね。
リョウスケ「るせーな。入ってくんな」
ひなた「ちょっと、
そんな言い方ないでしょ?」
リョウスケ「なんだよ」
輝之介「まーた、すねんのか?」
リョウスケ「はっ?」
リョウスケと輝之介が
言い合いをしていると、
先生が部室に入ってきた。
先生「全員いるな?
今から、来週の試合のオーダーを発表する。
まずファースト、イルマ。
セカンド、ハルト・・・
最後ピッチャー、輝之介。以上だ。
3年はこれが引退試合になるからな。
しっかり練習しろよ!」
部員「はいっ!」
先生が出て行くと、ひなたはすぐに
輝之介の元へ向かった。
ひなた「先輩、おめでとうございます」
輝之介「ありがとう。
じゃ、練習行こっか」
ひなた「はいっ!」
*。・ 次の日 ・。*
ひなた「えっ! 先輩が熱?!」
リョウスケ「微熱なんだけど、
頭痛がひどいから、
今日は休むって。
大したことないよ」
ひなた「そんなことないよ!
あっ、今日部活終わったら
お見舞い行ってもいい?
おねがい!!」
リョウスケ「え・・・
別にいいけど」
*。・ 2時間後 ・。*
「コンコン」
ひなた「お邪魔します。
先輩、だいじょうぶですか?」
輝之介「おう、末永。
どうしたんだ・・・?」
ひなた「先輩のお見舞いです。
リョウスケは大したことないって
言ってたんだけど、
試合前なんで、心配で・・・
明日、練習来れそうですか?」
輝之介「うん、末永が来てくれたから
元気でた。ありがとな」
ひなた「いえっ! よかったです」
その会話をリョウスケは
ドア越しに聞いていた。
*。・ 20分後 ・。*
「ガチャ」
ひなた「おっ、リョウスケ。
何してんの?」
リョウスケ「いや・・・
もう帰んのか?」
ひなた「うん、いっぱい話せたし。
ありがと。じゃあね」
リョウスケ「待てよ。
家まで送る。外暗いから」
ふたりは10分間会話がないまま、
ひなたの家の前に着いた。
ひなた「ここでいいよ。ありがとう」
リョウスケ「あのさ、お、お前って・・・
兄貴のこと好きなの?」
ひなた「えっ? どしたの急に」
リョウスケ「いや、いきなりごめん。
じゃあな」
ひなた「えっ、う、うん。じゃあ」
*。・ 次の日 ・。*
ひなたは、昨日リョウスケが
聞いてきたことが
頭の中でずっと回っていて、
授業に集中できなかった。
そして部活が終わり、ひなたがひとりで
片付けをしていると、リョウスケが来た。
ひなた「おっ! どしたの?」
リョウスケ「話したいことがあって・・・」
ひなた「うん、私も。
話したいことがある」
リョウスケ「何?」
ひなた「好きだよ、私」
リョウスケ「っ・・・はっ?!」
ひなた「あっ、先輩のこと。
今日1日中考えてたんだけど、
私、先輩のことが好き。
それだけ。リョウスケは?」
リョウスケ「そっか、やっぱいいわ。
じゃあ」
はぁ? 何、やっぱいいって。
感じ悪いな。
でも、なんか元気なかった?
なんでだろ・・・
*。・ 次の日 ・。*
ひなた「おはよ、リョウスケ!」
リョウスケ「・・・」
ひなた「ちょ・・・」
輝之介「末永、ちょっと」
ひなた「はっ、はい」
輝之介「もしかしてさ・・・
リョウスケとケンカとかした?
昨日、家帰って来てから
リョウスケ元気ないから」
ひなた「私もわからないんです。
昨日、しゃべってたら
急に元気なくなったっていうか・・・」
輝之介「そっか、わかった。
じゃあなんかわかったら教えて」
ひなた「わかりました」
*...・・・*...・・・*
しかしそれから3日、
ひなたはリョウスケと
話さなかった。
ひなたは周りには
平気なふりをしていたが、
部活では失敗ばかりしていた。
ボールをぶちまけたり、
バットを間違えたり・・・
*・。+ *・。+ *・。+
そして、3年生の引退試合
2日前になった。
ひなたがひとりで
部室の片付けをしていると、
輝之介が入って来た。
ひなた「あっ、お疲れさまです、先輩!」
輝之介「うん、やっぱわかんなかった?」
ひなた「すいません、最近リョウスケと
話せてなくて」
輝之介「そっか。
じゃあ直接聞いてみる」
ひなた「お願いします」
ひなたが片付けを
再開しようとした瞬間、
輝之介「危ない!!」
ひなた「えっ?」
ひなたの上から
ボールが降って来た。
輝之介が覆いかぶさるようにして、
ひなたを守った。
ひなた「いたた・・・
先輩、だいじょうぶですか?!」
輝之介「うん・・・
うっ・・・肩が・・・」
ひなた「えっ・・・
見せてください!」
*。・ 次の日 ・。*
先生「全員いるか?
みんなも知っている通り、
昨日輝之介が肩をケガして
今、入院している。
明日の試合には出られないそうだ。
だから試合にはリョウスケに出てもらう。
それでいいか?」
その場がざわついた。
部員「リョウスケかよ・・・」
部員「リョウスケって
公式戦初めてじゃ・・・」
部員「でも、ピッチャー
リョウスケしかいないから
しょうがないよな・・・」
リョウスケ「兄貴のように
強くはないですが、
精一杯がんばります」
話が終わって、部室にリョウスケと
ふたりきりになった。
ひなた「あ、あのさ・・・」
リョウスケ「何?」
ひなた「ご、ごめんね、
私のせいで試合出ることに
なっちゃって」
リョウスケ「別に、今日練習できるし。
それより、兄貴のところ行けよ。
好きなんだろ?」
ひなた「リョウスケ・・・」
リョウスケ「行けって。
お前がいると調子狂う」
ひなた「何それ・・・」
ひなたは部室を
出て行った。
リョウスケ「はぁー・・・」
ひなたは病院には行かず、
家に帰った。
*。・ 次の日・引退試合当日 ・。*
ひなたは病院にいた。
輝之介「なんでこっち来たの?
リョウスケのとこ行って来たら
よかったのに」
ひなた「行けませんよ。
先輩に悪いです」
輝之介「末永が悪いわけじゃない。
俺が勝手にやったことだし・・・」
ひなた「そんなこと・・・」
輝之介「ずっと気になってたんだけど、
末永って、リョウスケのこと好きだよね?」
ひなた「えっ?!
いえ、そんなわけ・・・」
輝之介「自分で気づいてないだけだよ。
末永も、リョウスケも。
俺はだいじょうぶだから、
リョウスケの初試合、
見に行ってあげて」
ひなた「・・・はい、ありがとうございます。
行って来ます!」
ひなたは急いで
病室を出て、走った。
*・。+ *・。+ *・。+
15分ほど走ると、
スタジアムに着いた。
中からは歓声や応援歌が
聞こえてくる。
ひなたは観客席の一番前に行き、
リョウスケを探した。
今は9回、1‐0で勝っている。
しかし、2アウト1、2塁で
ピンチだった。
あとひとり、
あとひとり打ち取れば勝つ・・・
そう思うと、ひなたは自然に
声が出た。
ひなた「リョウスケ!
絶対勝って!!」
その声が聞こえたのかはわからないが、
リョウスケは右手で拳を作り、
上にあげた。
そこからの3分は、早いようで
遅いようで・・・
結果は・・・
1‐0で勝利した。
リョウスケは初めての公式戦を
ひとりで投げきったのだ。
*。・ 1時間後 ・。*
ひなたは、スタジアムの外で
待っていた。
そこに、リョウスケが
ひとりで出て来た。
ひなた「リョウスケ!
おめでとう」
リョウスケ「な、なんで来たんだよ。
兄貴は?」
ひなた「輝之介先輩に
気づかせてもらったの。
私が本当に好きなのは
リョウスケだって。
私・・・リョウスケのこと
好きだったのかも」
すると、ひなたはいきなり
抱きしめられた。
リョウスケ「ひなた、
俺もお前のことが好きだ。
これからは、
マネージャーとしてじゃなく、
彼女として俺を支えて欲しい」
ひなた「リョウスケ・・・
当たり前じゃん!」
あとで知ったんだけど、
輝之介先輩も私のことが
好きだったんだって。
私の“本当の好き”を
気づかせてくれた先輩。
今でも変わらず、
大好きな先輩です。
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。


























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