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君の本音 ─雨が気づかせてくれた─

CAST安藤 実桜安藤 実桜

作者:づんちゃん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.05.31

「やばい遅刻だ!! 完全に」





「ミオー、午後から
降水確率100%だってよ!!
傘、持っていきなさい!」





お母さんが叫んでるけど、
遅刻はしたくないので、
スルーした。





学校までダッシュ。





その間に、自己紹介を。





私は、安藤ミオ。
中学2年生。





ダッシュに集中するので
この辺で・・・





そうこうしてるうちに、
学校についた。





着席のチャイムのなる、1分前。





息を切らせながら、教室にはいった。





「せーふっ」





席につくと、前の席に座っている
親友のかのんがこっちを向いた。





「ミオギリギリー。めずらしいね」





「朝、目覚まし鳴らなかったんだよー」





「どうせ寝ぼけて止めたんでしょ笑」





その時、視線を感じた。





そっちを見てみると、
堀口イブキがこっちを見ていた。





堀口くん。
あんまり女子と・・・というか、
男子とも、クラスの人ともあんまり
話さないから、何考えてるのか
わからないんだよね。





授業も終わり、
放課後になった。





「かのん!! 帰ろ」





私たちは、下駄箱へと向かった。





ザーーー





「げ!! 雨めっちゃ
降ってんじゃんー。
傘持ってきてないよ」





「え? ミオ、持ってきてないの?
朝の天気予報で、降水確率
100%って言ってたのに」





最悪!
お母さんのこと
スルーしたんだっけー。





せっかく教えてくれたのに。





「相合い傘する?」





「いいの?
かのん様、ありがたやー」





「そんな大袈裟な」





私とかのんが帰ろうとした
まさにその時、





「かのん!!」





誰かが、かのんを呼んだ。





「ハルトくん」





その声の主は、今井ハルト。
ひとつ上の先輩の中学3年生。





そして・・・かのんの彼氏!





「かのんこれから帰り?」





「うん」





「俺さー、傘忘れたんだよね。
いれてくんない?
・・・あ、友達と帰るのか・・・」





あ、私、これは
邪魔者ってやつですな。





「かのん、私いいからさ、
ハルト先輩と帰りなよ」





「え? でも、ミオ、傘ないのに?」





「だいじょうぶ。
他の人にいれてもらうから」





「ミオ、ごめんね?
ありがとう」





「俺、なんか
悪いことしたっぽいね」





「ハルト先輩はなにも!!
ふたりで帰ってくださいよ」





ラブラブなおふたりさんを
帰した私は、悩んだ。





他の人にいれて
もらうっていっても、
もうほとんどの人が
帰っちゃってるだろうし、





私の家の方角の人って
なかなかいないし・・・





この雨の中、濡れて帰るのも
できないしな・・・





いいや!! 仕方がない。
走って帰ろう





そう決めて、鞄を
頭の上にして走り出した。





が、前に進まなかった。





正確に言うと、誰かが
私の制服の襟をつかんだために
進まなかったのだ。





「!!?」





私は振り返った。





「ちょっと何!? 誰よ・・・」





って、─────





「堀口くんっ」





私の襟をつかんだ人物、
それは、堀口くんだった。





「あ、わりぃ。
呼び止めても間に合わないと思って」





だからって
襟つかむことないでしょ・・・笑





「安藤、この雨の中
飛び出そうとしてたから」





え、もしかして、私のこと
心配してくれたの?





というか、まともに堀口くんと
話したの、初めてかも。





「もしかして、私のこと
心配してくれたの?」





すると、堀口くんは
くすっと笑って言った。





「この雨の中
走って帰ろうって・・・
ふつう考えることじゃないよな」





「!?」





なにこいつ!!





いくらクラスメイトとはいえ、
まともに話したのがないに
等しいのに、そんなことを・・・





「悪かったね。
ふつう考えることじゃなくて!
しょうがないじゃない」





ついかっとなり本気で話したけど、
こんなやつに傘忘れたなんて
言いたくない!





「へー、傘忘れたんだ」





ムカッ。まじ何!?





堀口くんは、ニヤッと笑っている。





こんなやつだったの? 堀口くんて。





「この大雨のなか、傘なしで帰れるかね」





何この人? ドS?





っていうのとは
ちょっと違うけど。





「だっ、だいじょうぶだもん。
友達に借りるから!」





「ふーん。
まだ教室に残ってるやつ、いるかね」





え?
・・・もう、人がほとんどいない。





かのんとかと話したり、
こいつとやり取りしてるうちに
皆帰っちゃったみたい・・・





「いれてってやろうか?」





堀口くんが
不敵な笑みをうかべながら
言ってきた。





「誰が入るかっつーの!!」・・・





ほんとは、とりあえず
誰でもいいから
いれてほしいけど・・・





堀口くんは、ありえない!!





「ふーん。じゃ」





スタスタと、堀口くんが
歩いていく。





「ーっ」





話しかけてきたのが
堀口くんじゃなかったら
絶対いれてもらったのに!
損した気分。





どうしようかな・・・





まだやみそうにないし。





というか、激しくなってる気がする。





しばらく悩んで、
やっぱり走って帰ろうと
鞄を頭の上にして走り出そうとした。





その時、





「うわっ!?」





誰かが私の肩を抱いて
歩き出した。





「ほっ、堀口くん」





堀口くんだった。





私の肩を抱いて
傘をさして歩いているこの人は。





「なんで!?
帰ったんじゃないの?」





「おもしろいからずっと見てた。
そしたら、また走り出そうとするから」





ずっと見てたって・・・





でも、いれてもらってるからには、
助かってるわけだし、
お礼言うべきだよね。





「あの、ありが・・・」





「家どっち?」





堀口くんの声に
かき消されてしまった。





「あ・・・右」





「ん。俺とおんなじ」





ニッと笑う堀口くんは
ちょっとかっこよかった・・・





不覚にも一瞬、一瞬だけ、
ドキッとしてしまった。





こ、こんなシチュエーション
だからだよ!!





「ていうか、肩!!
いい加減手はずしてよ」





学校出てしばらくしたのに
堀口くんはまだ私の肩を抱いていた。





「ん? いいじゃん」





「よくないー!! 離してよ」





「いいじゃねーか、
いれてやってんだから」





「それは、それ。
これは、これです──」





私は堀口くんの手を
強引に払った。





あれ?





堀口くんの手、雨に濡れてる。
冷たい。





私は自分の肩をみた。





堀口くんが手をおいてたところ。
堀口くんが手を離した数秒で、
肩が雨に濡れてる。





もしかして、堀口くん、
私が濡れないようにしてくれてたの?





もしかして・・・





堀口くん、意外と(?)
やさしいんだ。





傘にも入れてくれたし。





「安藤、濡れてない?」





「だいじょうぶ。堀口くんは?」





「もちろん」





よかった。
私は、さっき少しだけ
肩が濡れただけですんだ。





「あ、私ん家、そこ」





「結構近いじゃん」





玄関の前までついた。





「ありがとう・・・
よかったら、上がってく?
お茶くらい出すけど?」





「何それ? 誘ってんの?」





堀口くんがまた、くすっと笑った。





「ちっ違うよ!!
お礼、したかっただけ・・・
でも、もういい!! バイバイ!!」





「ほんとおもしれーな。
じゃーな」





堀口くんは雨の中、
振り向かずに歩いていった。





堀口くんの肩、濡れてた。
うそつき。





私のこと濡らさないように
してくれてたんだ。





なんか、とってもうれしいし、
それに・・・





堀口くんの家って、どこだろ?





私と同じ方向ってことは、
案外近くなのかな?





「ただいまー・・・」





あ、そっか。
お母さん、パートだから
私ひとりだ。





「明日、堀口くんに、
何かお礼しようかな・・・」





そう思い、私は
クッキーを作り始めた。





「べっ別に、堀口くんのためじゃないもん。
私が食べたいから、ついでだもん!!」





自分しかいないのに
大声で言い訳したが、
余計に恥ずかしくなった。





私、堀口くんのこと・・・





まさか!
そんなこと・・・





あんな人をからかって
楽しんでるような人・・・





でも、やさしかった。





さりげなく
気をつかってくれたし。





「まさか、ね。
今日のシチュエーションが
悪かっただけ!!」











・*。・ 翌朝 ・。*・





「ミオ、おはよー。
昨日ほんとごめん!
だいじょうぶだった? 雨」





私が教室に着くなり、
かのんが言ってきた。





「だいじょうぶ。
あのあと、クラスの人に
いれてもらったから」





なんとなく、堀口くんに
いれてもらった、というのは
親友のかのんにも言えなかった。





「そっか!! よかった」





「かのんこそ、あのあとハルト先輩と
ラブラブしてたんじゃないのー?」





「ちょっ、ミオー!!」





「ん?」





「ミオ、どうした?」





「なんか視線感じた。
気のせいかな?」





誰かに見られていた気がしたけど、
見当たらない。





気のせいか・・・





「あ、そうだ。かのん、
堀口くんの家って
どこら辺か知ってる?」





「んーと、確か、ハルトくんと
同じ方向だったと思うよ」





「え?
ハルト先輩の家って、
私の家と正反対だよね?」





堀口くん正反対の方向だったのに、
同じ方ってうそついてまで
送ってくれたんだ・・・











・*。・ 放課後 ・。*・





「ミオ!! まじごめん!!
今日ハルトくんに映画誘われてるの」





「行ってきな。
待たせたら嫌われちゃうよ」





「ミオありがとう。大好き」





そう言うと、かのんは
下駄箱へ走っていった。





私も帰ろうと、机においてあった
鞄をとろうとした。





が、とろうとした瞬間、
鞄がひょいと持ち上がった。





「ん!?」





上を見ると・・・





「堀口くん!!」





堀口くんが、私の鞄を
持ち上げていた。





ドキッ





っつ!? ドキッ?





私が?





堀口くんに
ドキドキしてんの?





なんで・・・





こんなやつ好きになるはず・・・





「ほんとおもしろいな」





「なっ、何いきなり」





「別に?
今日もひとりなんだ?」





「関係ないでしょ」





あー、なんでこんな
かわいくないことしか
言えないんだろう、私。





「あのっ、昨日は、ありがとう・・・」





「かわいいとこあるんじゃん」





かぁっ。





「あれ? うまそー」





堀口くんが見つけたのは、
私の鞄からはみ出た
ラッピングされたクッキー。





昨日・・・堀口くんのために・・・
作ったもの。





でも・・・





「食っていい?」





堀口くんが、ひょいとそのクッキーを
つまんだ。





「ダメっっ」





私は、堀口くんから
クッキーを取りあげた。





「んだよ。ケチ」





「違うの!!」





「これ、俺のためじゃないの?」





「へ!? なんでっ」





「顔に書いてあった」





私は自分の顔をペタペタと触る。





「そういうところが面白いんだよ。
ほんと見てて飽きないよ。安藤は」





「・・・堀口くんのために作った。
昨日のお礼、言いたくて。でも・・・」





「砂糖と塩間違えて、とんでもない
味になった・・・
大方そんなところでしょ?」





「────っ!!」





「分かるよ。安藤のことは」





「一応、持ってきたけど、
食べないほうがいいよ」





と、いってるそばから
堀口くんがクッキーを口へ運んだ。





「!! ・・・ダメって!!」





「好きな女の料理
食えなくてどうするんだよ」





一瞬の沈黙。





「へ!?」





「鈍いね。
まあ、そこもいいけど?」





「俺、ミオのこと好きだ」





「えっ、ほっ、堀口くん!?」





「お前は?」





「私は・・・私も、
堀口くんのこと・・・すき」





「ふーん。“堀口くん”ねぇ」





「ん・・・イッイブキ、くん」





「よし。
まあ、ミオより俺の方が
先だったな」





「何が?」





「好きになるの。
ミオのこと、はじめっから
気になってたから」





「!!!!」





人生初の両思い。





相手は、一筋縄ではいかない
相手だけど・・・





大好きです。





あの雨が気づかせてくれた
彼のやさしさ。





ガラッ





教室のドアが不意にあいた。





「かのん!! ハルト先輩!!」





「いやー、ごめん。
忘れ物とりにきたらさ、
入りにくくて」





「どっから聞いてたの?」





「ほぼ、はじめから」





「まあ、とにかくおめでと
ミオ、堀口くん」





「まぁ、さすがにあのクッキーは
不味かったけど」





「だから言ったじゃん!」





「ほい」





イブキくんが私の口に
クッキーをほうりこんだ。





「うっ!! しょっぱ」





「だろ?
今度はマシなもの作って
俺に持ってこい」







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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