恋の七変化
作者:はぴねす
私には、生まれたときから
ひとつの呪いがある。
“私と両想いになった相手には、
よくないことが起こる”
その呪いを解く方法は
ただひとつ。
“心から愛されること”
そんなの、怖くて
望めるわけがない。
だから私は
恋なんてしないように、
誰かが私を好きにならないように、
いつも距離を置いて生きてきた。
───── イルマに出会うまでは。
イルマは静かで、でも、誰よりも
やさしい目をしている人だった。
私が落ちこんでいると、
誰よりも早く気づいてくれる。
なのに、押しつけがましいところが
ひとつもない完璧な人なんだ。
ある日の放課後、
図書室でイルマが言った。
「最近、元気ないよね。
もし話したくなったら、
俺でよければ聞くよ」
その声を聞いた瞬間、
胸がきゅっとした。
誰にも言えなかった
呪いのこと。
なぜかイルマには
話してもいい気がした。
「・・・私、呪われてるの。
私を好きになった人には、
よくないことが起こるの」
イルマは驚いた顔をしたけれど、
すぐに柔らかく笑った。
「そんなの、呪いじゃないよ。
あおかが怖がってるだけだよ。
もし本当に呪いだとしても・・・
俺は逃げない」
その言葉が、胸の奥に
深く刺さった。
逃げないって、そんなふうに
言ってくれる人がいるなんて
思わなかった。
でもその夜、イルマは階段で
足を滑らせてケガをした。
軽いねんざだったけれど、
私は震えた。
「やっぱり・・・私のせいだ・・・」
私は涙が止まらなかった。
イルマは包帯の足を引きずりながら、
やさしい顔で私の前に立つ。
「違うよ。これはただの事故。
あおかのせいじゃない。
それに・・・俺、気づいちゃったんだ。
あおかのこと、好きなんだって」
どきん、と心臓が跳ねた。
同時に、胸の奥の呪いがざわつく。
「だめ・・・イルマが
傷ついちゃうなんて、
私は嫌だよ・・・
私と両想いになったら・・・」
イルマはそっと、私の手を取った。
その手は、驚くほど温かかった。
「じゃあ、両想いにならなきゃいいの?
俺が一方的に好きでいれば、
あおかは苦しまない?」
「それは・・・それも苦しい・・・」
「だよね。
だったら、俺を信じて。
呪いなんて、俺が全部まとめて
抱きしめる」
その言葉に、私はもう
耐えられなかった。
ずっと閉じこめていた気もちが、
あふれ出す。
「・・・私も、イルマが好き。
本当はずっと・・・
言えなかったけど」
その瞬間、胸の奥で
何かがほどける音がした。
空気がふっと軽くなって、
体が温かくなる。
イルマが驚いたように私を見る。
「あおか。
今、なんか・・・」
「うん。
呪いが・・・消えたみたい」
イルマはそっと私を
抱きしめた。
その腕の中は、
怖くない世界だった。
「よかった。
あおかが誰かを好きになることを、
怖がらなくていい世界になってよかった」
私はイルマの胸の中で、
小さく笑った。
「イルマが好きでよかった。
イルマに出会えてよかった」
「愛してるよ」
ふっと耳元でささやいてくれる、
やさしいイルマの声。
私は初めての恋の味を
楽しみながら・・・
イルマと手を繋いで帰ったんだ。
*end*
※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。


























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