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覚えていてくれた君と。

CAST高柳 千彩高柳 千彩

作者:莱奈

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.01.06

私のことを、覚えてますか―――。





私は、チサ。
ニコラ学園に通う中学1年生。





この学校は、小、中、高、と一貫校で、
私は、初等科の時から通っています。





ニコ駅に電車が止まり、
君が乗車してきた。





見たことがない顔だったので、
すぐに分かった。





きっと、中学受験した子なんだな、と。















*...・・・*...・・・*





次の日。





君の周りには、同じ制服を着た
4人のお友達が君を囲んでいた。





とっても楽しそうに
君は笑っていた。





初めて会った日から、毎日、毎日
君を見ていると
わかったことがあった。





君の名前は、川上リヒトくん。
私と同い年のJ学園に通う、中学1年生。





部活動は野球部。
君の重たそうな荷物でわかりました。





あと、君が笑うとかわいい。
野球で焦げた顔に
真っ白い歯をのぞかせて。





私は、何かを思った。





多分、いや、私、





君のことが好きなんだ――――。















*...・・・*...・・・*





8月の第1週の火曜日。





私は部活に行く為、
いつものように電車に乗っていた。





君も同じく、いつも持ってきている
重そうなバッグを抱えて、
電車に乗ってきました。





君は、ニコ駅で降りるまで
ずうっと本を読んでいました。





その時、君の本から
しおりが滑り落ちた。





そのまま気づかず
行ってしまった君。





私はとっさにそれを拾い上げ、
自分の鞄にいれました。





それには、バットや、ボールと、
君の名前のシールが
ローマ字で貼ってありました。





次に君に会ったとき
渡そうと思って。





だけど――――。





次の日も、その次の日も、
君に会えたのに、渡せなかった。
しおりを。





別に恥ずかしがることは
ないじゃない。





ねぇ、チサ?
何を躊躇っているの?
誰も見ていないよ、チサ。





渡すのは、リヒト君がひとりの
この時期だけだよ。





渡そうと思っても、
勇気が出ない。















*...・・・*...・・・*





そんなチサに決心がついたのは、
夏休みも終わりに差しかかった頃。





車内で、君を見つけた。





イヤホンを着け、
何かを聴いていた。





もう心臓がばくばく言っている。





だけど、がんばった。
ちゃんと話がしたいから。君と。





練習してきた通りに、





「これ、落としませんでしたか?」





と、私よりも背の高い君を
見上げながら笑顔で言う。





私にびっくりしたのか
君は一瞬固まった。





だけどすぐに、





「あぁ。ありがとう。
これ、ずっと探していたんだよね。
サンキュー、サンキュー」





もうこれで
君とは話せないんだと思うと、
目頭が熱くなった。





私の脳裏に、様々なことが
思い出される。





初めて君を見たとき、





君への気もちが
恋心だとわかったとき、





・・・思い出せば思い出すたび、
次々と君のことが浮かぶ。















*...・・・*...・・・*





あれから2年半――――。
高等科に進級した私。





だけど、いつもの電車のなかに、
君は居なかった。





ここだ!
校門の前にたたずむ私。





今日から3年間
お世話になる校舎。





とはいっても中等科の敷地の隣。
なんだか、面白みがない。





ポンポン。





「チサっ! おはよっ!」





あっ。しゅり。





「しゅり。おはよっ」





「今日から、私たちも
高等科の生徒になるんだよ!
楽しみ~」





そう言いながら、2人の足は
自然とクラス発表をしている
掲示板へと進む。





そこは、合格発表をしている時みたいに
蜂の巣をつついたような騒ぎとなっている。





自分の名前を探すと・・・





あった! 高柳チサ
他には、誰が居るんだろう・・・





えっ!?





チサの前の前に
川上リヒトの文字。





まさかの・・・?





期待と不安を胸に
教室へ入る。





黒板の前に貼ってある
座席表を見ると、高柳。





その隣に・・・川上。





まって・・・
もう来てる? 私のお隣さん。





教室を見回す。





居た!!!





やっぱり。





「川上くん。
今日からよろしくね」





ちゃんと
話しかけることができた。





「あっ! あの時の!!」





向こうも分かってくれたようだ。





この後、私たちは急激に仲よくなり
クラスの誰もが認める、
公認カップルとなった。







*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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