１０年経っても

CAST野澤しおり

作者：Tokko

2025.11.16

わたし、野澤しおり！
修学旅行に来てる！

最近、大森ひかると仲いいんだ。

しおり「ひかるーっ」

ひかる「しおり、合わせた？」

しおり「え、なんのこと？」

ひかる「いぶきくんと
洋服、同じじゃん！」

しおり「えぇーっ?!
合わせてない！」

ゆうり「調子乗んないでよね」

橘ゆうりちゃんは、ずっと
堀口いぶきくんのことが好き。

しおり「たまたまだから！」

いぶき「ほんとだ。
野澤、洋服一緒じゃん。
おれより似合ってる！
うらやましいな～」

しおり「ほんと?!　ありがと」

ゆうり「いぶきくん、わたしは？」

いぶき「橘もズボンかわいいね」

ゆうり「え、ほんとにー？
やったー！」

ひかる「よかったね、しおり！」

ゆうり「え～、いぶきくん、
絶対わたしのこと好きじゃん」

なんでだろう・・・
モヤッとする。

わたし、いぶきくんのこと
好きなのかな。

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

先生「くじ引きで
カレー作る班、決めます！」

ひかる「しおり、いぶきくんと
一緒になれるといいね！」

しおり「うん！」

りひと「いぶき、何班だった？」

いぶき「５班！」

ゆうり「え、わたしも５班！
よろしくねっ！」

しおり「どうしよう・・・
４班だった」

ひかる「わたしがもし５班だったら
しおりに代わるよ！」

しおり「ありがとう！」

ひかる「ごめん、わたしも４班だった」

しおり「一緒じゃん！　楽しみー！」

ひかる「そうだね！」

カレーを作ってる間、
いぶきに目がいってしまった。

しおり「いぶき、ゆうりちゃんと
しゃべってる」

ひかる「だいじょうぶ！
自信持って！」

カレーを作り終わって、
ゆうりちゃんのとなりに座る
いぶきを見つけた。

目が合う。

ひかる「いぶきくんの班のカレー、
もらってきたら？」

しおり「そんな・・・
申しわけないよ」

いぶき「野澤！
カレー、ちょうだい？」

しおり「もちろん！
お皿、かして」

いぶき「ありがとう！」

カレーを美味しそうに
食べるいぶき。

かわいいな～！

しおり「どう？」

いぶき「美味しい！
・・・ね、となり座っていい？」

しおり「うん///」

後かたづけを終え、
バスに向かっていると、
いぶきから声をかけてくれた。

いぶき「野澤・・・じゃなくて、
しおり、好きだよ」

しおり「わたしも!!
よろしくね！」

・。・:・°・。・:・°
・:・

１０年経って、わたしは
いぶきと結婚した。

いまでもわたしは
あのときのカレーの味を
覚えている。

＊ｅｎｄ＊