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彼女には泣く場所なんてあったのかな

CAST堀口壱吹堀口壱吹

作者:akira_uk

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.07.20

彼女には泣く場所なんて
あったのかな・・・





**-・.・***・.・-**





俺の名前は、イブキ。
ニコラ中高等学園に通ってる。





僕はあまり友達は作らない。
むしろ作ろうとは思わない。
人は必ず離れていく。





こんな俺でもひとりだけ
心を許すやつがいる。





俺の幼なじみのルナだ。





俺は幼稚園にあがる前
母親に捨てられた。





俺は親父に育てられた。





物心ついたときから
俺とルナはずっと一緒だった。





今でもあいつはけっこうモテて
それに友達作りがうまい。





何もしなくてもあいつには
人が寄ってくる。





友達なんてすぐに作れるのに
ルナは・・・





「私はイブキといたいから、
周りがどうこう言っても気にしない。
私はイブキのそばにいる!!!
オケイィィィィぃ?????怒怒」





イブキ「あっ、はい、りょかーい」





こんな風にいつも
そばにいてくれる。





母親のことも知ってるから。





ルナは俺の全部知ってる。
だから。





うそをついても結局は
最後は見抜かれて
ボコボコにされる・・・笑笑





そんな彼女のことを13年間見てきて、
ルナを好きな気もちは変わらなかった。











*。・ ある日 ・。*





ルナ「イブキ、弁当食べよう!」





イブキ「おう!」





ルナ「あっ、そうだ。
今日唐揚げだよぉー。あげる!」





イブキ「マジ!? いいの??」





ルナ「うん! 全部あげる!」





イブキ「えっ、それはちょっと
申し訳ないよ・・・泣泣」





ルナ「いいの!!! はい?
それにほら、私
ダイエットしてるし・・・汗」





俺は毎回こんな感じで
ルナの言葉に甘えて
色んなことをしてもらってる。













*。・ ある日の放課後 ・。*





イブキ「お前、何飲んでんの???」





ルナ「あぁっぁっっぁ・・・汗汗
(やばい、ばれる)
風邪薬飲んでんの!
心配しないで!!
ほらほら、帰るよーーー」





あいつ、
変なことしてねーよな。





あの日は眠れなかった。





クスリ、やってんのか?
アイツ。





そんなことねーよな・・・
めっちゃ心配だった。





次の日の授業、
あいつはしょっちゅう
トイレに駆けこんでた。





クスリの副作用?
妊娠? つわり?





って俺は、何考えてんだっつーの!!!怒怒
ルナがそんなことする訳ねーよな・・・





弁当もあの日から
持ってこなかった。





正直もう、アイツに
何かあったらいやで
俺は真っ先に聞いた。





イブキ「お前、最近おかしくね?
変なことに巻きこまれてんの?
悪いことに手染めてんの?」





ルナ「ちょっとーーーー、やめてよ!!!
冗談はその辺にしといて・・・笑笑
ダイエットしすぎて貧血かなーー?笑笑」





イブキ「おいっ、ルナ」





どこかいってしまいそうなルナの腕を
俺は自分に寄せて、あいつの顔を見た。





アイツはガリガリに
やせ細っていた。





そしたら・・・
ふいに・・・ルナが・・・





俺にキスをした。





周りがキャーキャー
言いはじめたけど





正直それどころじゃない。
キスどころじゃない。







ルナは俺にキスをしながら
泣いていた。













**-・.・***・.・-**





その後お昼のキスも
何事もなかったことかのように
いつも通りに接し、
家でまた色々と話した。





ルナの家は、俺の隣。





だからベランダから
移動できる距離なんだ。





まぁ何かといって便利。













*。・ 家 ・。*





ピロン・・・





俺はちょうどその時
親父のご飯を作っていた。





毎回夜遅くに帰って来て
疲れ果てている。





だからせめて僕ができるのは
夜ご飯を作ること。





ルナのラインを見たのは
着信が鳴って15分後だった。





「ベランダに来て」





やっべ・・・





俺はすぐに窓を開けて
ベランダのポールをよじ上り
アイツのベランダにいった。





ルナの姿はなかった。





またアイツとのチャットを開けても
新着はなかった。





ピンポーン。





俺ん家? 親父???





すぐに開けた。





「ルナママ・・・
どうかなさいました?」





ルナ母「病院に!!!!!! 病院に来て!!!!」





ルナの母親は汗だくで
サンダルで俺のところに来て
「病院に行け」って
どういうことだよ?













*。・ 病院 ・。*





ピポ、ピポ、ピポ・・・





機械の音が
病院中に響き渡った。





俺は彼女の手を
ずっと休むことなく
力強く締めつけた。





慢性の脳腫瘍。





俺はこいつが死んだら
どうしたらいいんだよ。





こいつがいたから
俺は前の俺よりも強くなれた。
ルナが俺を強くしてくれた。





こいつがいたから
俺は毎日、何気ない会話で
笑うことができた。





人目を気にせず
堂々といれたのは
ルナがいたから・・・





俺がしょっちゅう
母親のことで悩んで
挙げ句の果てに泣いた時も
アイツはそばにいてくれた。





俺のことをやさしく包んでくれて
コイツとならなんでも乗り越えられる、
そう思った。





薄っぺらい友情などいらない。
傷の舐め合いなんていらない。





俺には、お前がいたから。
俺には、ルナがいたから。





ピーーーーーーーーーーーーーーーーー





俺の泣き声は誰よりも大きく
ルナの手がもう汗でベタベタになるくらい
握っていた。







お前は俺の全部を知ってた。





俺が・・・ブロッコリー嫌いなとこ
(名前からして不気味じゃん)





俺のくしゃみ変な音するとこ
誰からも好かれないところ
唐揚げが大好きなところ





水を飲むときは必ず
ワイングラスに入れて飲むところ・・・笑笑





挙げるとキリがないけれど
こんなにも俺を知り尽くしている
お前のことを
誰よりも知っていると思っていた。





お前のことを何も知らなかったのは
俺だった。





重い病気なのに
クスリとか妊娠とか
くだらんこと考えて
俺はアイツのこと、何も知らなかった。





俺が泣いてた時、アイツは
そばにいてくれた。





あいつには





泣く場所があったのかな。





俺はそれを思いながら
ルナが死んだ次の朝まで
床に座りこみ
彼女の手を握りしめ
絶えることなく涙を流した。





後悔





ただこの言葉が
俺の頭の中によぎる。





何もしてやれなかった。







ピロン。







**-・.・.・***.・・.・-**
ルナ:新着メッセージがあります
**-・.・.・***.・・.・-**





うそだろ・・・





ラインを開くために真っ先に
スマホに手を伸ばしたが
彼女の手を離すことなく
彼女のラインを読んだ。





――――――――――――――――――――――――――
イブキへ

いつまでも私の手握ってんじゃないよ!!!
イブキ、お母さんのことで泣いてた時
どんなに時間が経っても
イブキはいつもギューってして私から離れなかったよね?
私はイブキのこと全部しってるんだから。ねっ?

病気のこと黙っててごめんなさい。
でも、私も知った時にはもう遅かった。
イブキ、私は13年間あなたの横顔だけを見て来た。

好き。
ずーっと隣でそれを見ていたかった。
先に消えてしまいごめんなさい。
許して。。
イブキはひとりなんかじゃないんだから。
私がすぐ隣にいる。

私よりもいい人見つけてちゃんと子どももいて
幸せな家庭に築けたら空を見上げてごらん。
永遠と続く空の下。
不可能なことなんてないって思えるよ。
下を見ないで上向いて。
私はいつだって、イブキが見上げた
すぐそこにある景色に立っています。

                  ルナ
――――――――――――――――――――――――――





床に座りこみ
朝日が照っていた。





画面はもう涙でぬれていた。





下を向こうとしたけど
彼女の言葉が胸に刺さり
俺は上を見あげた。





するとベッドに寝ていたルナが
笑って涙を流していた。





いつだってお前は
俺の見る景色の中にいる。





ありがとう、ルナ。





お前はいつだって俺の
親友
彼女
バディーだ。





人はいつしか離れていく
そういうもんだ。





俺の母親は
俺の前から姿を消した。





ルナもだ・・・





いや





お前の前から消えたのは
俺の方だな。





遠く続くこの空の下。





ルナは俺のことを
またやさしく包んでいる。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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