お前が好き。
作者:美柚
近藤ユラ、高1。
茶色くてふわふわした髪、
日本人離れした端整な顔立ち、
頭脳明晰で性格もいい。
まさに、俺の理想といって
いいくらいだ。
俺は前川タスク、高1。
同クラで幼馴染みなのに
話せない俺は、
本当に小心者だよな・・・
今日は、いつになく大雨だ。
まあ、梅雨だからな。
帰ったら道場で剣道をする。
さあ、帰るとするか。
・*。・ 靴箱にて ・。*・
ん? ユラちゃん!!
なんで・・・泣いているんだろ。
タスク「ユラちゃん、何があったんだ?」
ユラ「傘が折られて・・・」
ユラちゃんは、
有名なオーディションに受かってから、
女子に妬まれてる。
ニコラ学園で1番モテている
同クラの岡田ナミは、
特にそうだろうな。
他の男子は気づいてないけど、
俺は聞いてしまったんだ。
ユラちゃんへの悪口を。
タスク「そういうの、
汚い女子とかがする事だろ?
気にすんな。帰ろう」
ユラ「でも、傘無いし・・・」
勇気を出せ、俺!!
一緒に帰ろうと誘うんだ!!
タスク「俺の傘、入れてやるよ。
家近いしさ」
ユラ「ありがとう♪」
ヤベェ、
笑顔が超かわいいんだけど!!
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
翌日・・・
ユラちゃんのあの笑顔が
忘れられなかった。
朝、登校すると。
ユラ「ねえ、昨日ノート忘れたから、
写させてくれない?」
タスク「いいけど」
珍しいな。
あのユラちゃんが
ノートを忘れたなんて。
授業が始まる前に、
ユラちゃんがノートを返してくれた。
授業が始まって、
ノートをとろうとすると、
ノートの隅にキレイな字で、
================
貸してくれてありがとう!
放課後、屋上に来て。
================
えー!!
期待していいんだろうか。
・*。・ 屋上にて ・。*・
ユラちゃんは、待っていた。
タスク「ユラちゃん、
待たせてゴメン!!
どうしたんだ?」
ユラ「実は、タスク君のことが
ずっと前から好き・・・」
ナミ「タスク~♪」
うわ、ナミだ。
ナミ「ゴメン、
さっきのやり取り聞いちゃった♪」
ユラ「え・・・」
ナミ「悪いけど、
タスクはあたしの彼氏なの。
邪魔しないでね(笑)」
コイツ、
どこまで性格悪いんだよ。
俺はそのとき
何も言えなかった。
ユラ「ごめんね、
さっきのことは忘れて。
じゃーね!!」
タスク「あ・・・」
ユラちゃんは、
走って帰ってしまった。
俺がユラちゃんを傷つけた、
何も言わなかったから。
俺は自分を責めた・・・
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
それ以来、
ユラちゃんとは
一言も話さなかった。
親友で、剣道仲間の
タイヨウに相談した。
タイヨウ「お前、ホントにモテるよな~!
ナミはいつも笑顔だけど、
性格悪いって驚いた。
近藤の事が本当に好きなら、
ナミをふって、
告白すればいいんじゃね?」
タスク「そうする。ありがとな!」
靴箱に行くと、
ナミ「タスク~♪
カレカノだし、一緒に帰ろ~」
タスク「俺、お前と付き合うと
言ってないぞ」
ナミ「じゃあ付き合っちゃう?」
タスク「ゴメン、ナミ。
俺は他の子が好きなんだ」
ナミ「最悪!!
誰にもふられたことが無いのにー」
ナミの表情が変わった。
タスク「わりーな」
女子って怖いな。
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
帰り道、公園で
ユラちゃんを見つけた。
ユラ「あ、タスク君!!」
ユラちゃんは
俺から目をそらす。
ユラ「ナミちゃんと
付き合ってるんでしょ?
私と話したらダメなんじゃないの!?」
「ナミと付き合ってない。
あれはナミのついた嘘なんだ」
俺はユラちゃんを抱きしめた。
「え・・・」
「俺は・・・お前が好き」
「私も!」
その日からユラと呼び、
付き合うことになった。
ナミがまた妬むんじゃないかって?
大丈夫。
靴箱でのやり取りを
ストーカー的な人たちが見てて、
暴露したから。
今ではあだ名が悪女。
自業自得ってやつ。
俺は何年経っても
ユラ・・・お前が好き。
☆Happy end☆
*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。