ホワイトバレンタイン

CAST前川佑

作者：オレンジヨーグルト

2023.03.14

俺は、前川タスク。
中学３年生。

突然だけど、俺は、
幼なじみの吉本レイナが
好きだ。

あれは、２月１４日・・・

・＊。・　２月１４日　・。＊・

「はい、コレ！
毎年恒例の！」

そう言ってレイナは
放課後、
俺にチョコを渡した。

レイナは、
毎年２月１４日に
俺にチョコをくれる。

それで俺は、３月１４日に
コハナにお返しする。

それが恒例になっていた。

「うん。ありがと！」

もちろん渡されたのは
義理チョコだとおもうけど、
とっても嬉しかった。

「お返し、楽しみだな～！」

ニコニコしながら
笑っていた。

可愛いな笑顔・・・
って！　しっかりしろ、俺!!

「お、おう！
楽しみにしといて！」

照れ隠しをしながら
自信満々に言ったけど
今年は何をかえそうかな・・・

そう考えて
当日になってしまった。

俺とレイナは
行く高校が違うので、
今みたいに毎日会わなくなる。

そうしたらレイナに
気持ちを伝えられない！

そうして今日に
イチゴタルト
（レイナの大好物）を渡し、
告白しようと決意した！

でも・・・
告白なんて
どうするんだろう・・・？

告白なんて
当然したときないし・・・

そんなとき
女子が話している声が
聞こえた。

「相変わらず
恋愛マスターれん様
スゴいよね！」

「ホント、ホント！
女子のハートを
わしづかみだもん！」

恋愛マスターれん？
誰それ？

俺は、女子のハートを
わしづかみというワードが
気になった。

「呼んだかい？
俺が恋愛マスターれんだよ」

そこに現れたのは
クラスメイトの
内田れんだった。

コイツが
恋愛マスター？

「呼んでないけど。
まぁ、質問したいことは、
あるけど」

「やっぱり。
どーせ吉本のことだろう」

「はっ！
ちげっーし！（図星）」

「まぁ、
質問したいことって？」

「俺の友達の話
なんだけど・・・」

れんにレイナが
好きだと当てられた俺は
恥ずかしくて
あくまでも友達の話として、
告白はどうするのかを
れんに聞いた。

「うーん。
シンプルでいいと思うよ」

恋愛マスターの答えは
意外な物だった。

「『好きです。
付き合ってください』
これだけでいいの？」

「ストレートに
言った方が伝わるでしょ。
それに、タスク君みたいなタイプは
余計にストレートでいいとおもう」

「なるほど。
って、友達の話だから！」

何だよ・・・
タスク君みたいなタイプはって・・・
でも、妙に納得。

「幸運を願うよ。じゃ」

さすが、
恋愛マスターだな。

「ねぇ・・・レイナに
告白するんだよね？」

そう聞いてきたのは、
レイナの親友、林ミオコ。

「恋愛マスターとの話
聞いちゃた。ゴメン」

ミオコは、手で
ゴメンのポーズを作った。

「だから！
あれは友達の話で・・・」

「もう分かってるよ」

恋愛話大好きなミオコに
全てを知られたと
さとった。

「３月１４日の放課後
オレンジ色に染まった教室で
告白すると、
結ばれるらしいよぉ～。
放課後は、人がいないように
私がするから！」

「う、うん。
分かったよ」

一応協力してくれる
ってことか。

「じゃまた～！」

かなり強引だったけど
ミオコは、多分
ミオコなりに
気をつかってくれたのか・・・？

・＊。・　放課後　・。＊・

ひとけが
全くない教室。

そういえば教室が
オレンジ色に染まってる。

「よータスク！
お返しくれるの？」

と言いながら
レイナが入ってきた。

「お、おう！　これっ」

持っていたイチゴタルトを
渡した。

「わっ！　私が好きな
イチゴタルトじゃ～ん。
ありがとう～！
めっちゃ嬉しい！」

レイナの無邪気な笑顔を見て
自然に口にだしていた。

「好きだ。
だから、付き合ってほしい」

「えっ・・・？」

笑顔から一転、
驚いた顔をしている。

やっぱりダメか・・・？

「めちゃくちゃ嬉しい！
私も好きです！
だから、付き合って！」

～ｅｎｄ～