恋の劇

CAST中瀬梨里

作者：ニノ子だい

2024.05.31

中学校に入学して、１年。

もうすぐ後輩が、入学。

私は後輩に、
何を教えることが
できるだろうか。

最近、なにもかも
上手くいかない。

テストも悪いし、
好きな人に、フラれたし。

もうモテ期は、
終わったみたいだし。

ワカナ「りーこ！」

リリ「わっ！
ビックリしたぁー！」

ワカナは私の神友で、
よく相談にも、のってくれる。

ワカナ「どうした？
最近、元気ないぞ！」

リリ「そうかな？
なにもないよー」

ワカナ「嘘だ（笑）」

リリ「うん。嘘」

ワカナには、
素直な気持ちでいられる。

ワカナ「なにがあったん？」

リリ「まえ、リョウ先輩に
告ったらフラれたし、
テストも、いい点とれないし。
いいことなし」

ワカナ「どうせ、
私よりもいい点、
取ってるんでしょ」

リリ「そんなわけない」

中１の１学期中間テストで、
私が５教科全部、
最高点を取ったためなのか、

私は、頭がいいって、
思われている。

あれは、たまたまだった
だけなのに。

ワカナ「私、今回はよかったよ」

でも、ワカナに負けるとかは
論外だ。

ワカナは、本当にバカだ。

普通に最低点、
取る子だもん。

リリ「数学は？」

まず、私が、
１番点の悪かった教科の
点数をきいた。

ワカナ「７７点！」

リリ「嘘だ！」

ワカナ「失礼な。ホントだし」

ワカナに負けた・・・
ついでに私は、６３点。

ワカナ「数学よりもいい点数、
取ったんだぁー」

リリ「何点？」

ワカナ「１００点！」

リリ「すごい！」

ワカナ「ミサキ君に
認めてもらえたの？
付き合おうって」

リリ「よかったじゃん」

あのワカナに、
負けるとは。

ワカナ「リリも、
恋成功させなきゃ」

リリ「えっ、あっうん・・・」

こうして、私は、
勉強と恋と、

ついでに部活を
両立させれるよう、
修行を開始した。

ワカナ「これは、
胆って漢字を書くの。
ほら、大胆不敵の胆！
わかる？」

ワカナに教えられるとか、
ちょっと、恥ずかしいけれど。

でも本当に、
勉強も負けてるし。

リリ「わかった」

素直に、聞き入れる。
だって、神友だもん。

ワカナ「部活は、必ず・・・」

ワカナの部活１０ヶ条も
何回も聞いた。

覚えたよ。

ワカナ「告白はシンプルに」

何回も公園で
練習したね。

ワカナ、ありがとう！

☆．．．．☆．．．．☆．．．．☆

ついに、このときがきた。

リョウ先輩は、
卒業するんだ。

その卒業式の日。

私は前日に、
『放課後に公園に来てください』
と、言っておいた。

返事は、きかなかったけれど。

・・・・・・・・・・・・

そして、卒業式が終わった。

私達中１は、先輩方に
花束を渡したり、
花道を作ったりした。

ワカナ「いよいよだね」

リリ「うん」

ワカナ「いってきな。
リリの仕事は、全部、
ワカナがやるから」

リリ「ありがとう」

私はこっそり、
学校を抜け出して、
公園に向かった。

その少しあと、
中３の先輩方は、
帰ったんだって。

私は公園で、
１０分待った。

リリ「リョウ先輩」

リョウ「あぁ。中瀬。
なんか来たけど。なんだよ。
卒業式の日の放課後に
呼び出しちゃってよ」

リリ「最後に
伝えたいことがあって」

リョウ「早く言えよ」

リリ「やっぱり、好きです」

リョウ「え。俺も。
普通に好きだし」

びっくりした。

その衝撃で、涙が
溢れ出てきた。

リョウ「泣くなよ。
最近部活も、頑張ってたし。
笑顔が多くなってから、
かわいいなぁ、
なんで俺、振ったんだろうって、
思ってたんだ」

リリ「付き合ってください」

リョウ「ありがとな」

リリ「あっ。
卒業おめでとうございます」

私は、前もって用意していた
プレゼントを渡した。

リョウ「ありがとな。ありがとな」

メアドを交換して、
また会おうと言って。

先輩は小走りで、
帰っていった。

ワカナ、成功したよ。
ありがとね。

神友に心から
感謝します。

＊Ｅｎｄ＊