ちょっぴり近くてちょっぴり遠い

CAST八田 大翔八田 大翔

作者:ユリ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.08.14

オレ、八田大翔。
みんなからは、
ハアトってよばれてる。
中学2年生。





自慢じゃないけど
クラスでは結構
人気者のほうかな。





そんなオレには
ちょっとした秘密がある。





それは、小さい頃、
ぶくぶくのおでぶで、
弱虫だったこと。





もちろん、
今ではそのことは
みんな知らない。





・・・





1人をのぞいたらだけど。





オレはその頃のことを
思い出した。





オレには
幼馴染がいた。





その子の名前は
中村未来実。





くるちゃんって
よんでた。





くるちゃんは
とっても可愛くて、
優しかった。





だから、泣き虫のオレを
いつもなぐさめてくれた。





あの優しさを
オレは忘れない。





くるちゃんが
いなかったら、
オレはきっと弱虫のまま
だっただろう。





そう。
くるちゃんは
オレの初恋の相手。





でも、オレが6歳のとき、
くるちゃんは引っ越した。





しばらく
手紙のやり取りをしたが、
それは1年も続かずに
終わった。





それ以来
くるちゃんとは
会っていない。







「くるちゃん
どうしてるかなー」





ワカナ「はい。
今なんて
言いましたかー?」





ニヤニヤ





げっ。
こいつはワカナ。





くるちゃんが
引っ越したあとにすぐ
くるちゃんの家だった家に
引っ越してきた。





仲はいいけどこいつ
地獄耳なんだよなー。





ワカナ「ねえねえええ。
今さー。
『くるちゃん』って
いってましたよね。
前言ってたあの幼馴染で
初恋のヒトでしょ?」





「ちょ、おま、
声デカすぎ」





見ると、クラスのみんなが
ニヤニヤして
こっちを見ている。





「あー。もう。最悪。
ワカナ覚えてろよ。
今日の放課後
お説教してやるからな」





ワカナ「はい。残念。
今日はうち
彼ピとデートなんですよー」





ワカナがあっかんべーを
しながら言う。





ああもう。
リア充うらやましいぜ。













*。・ 帰り道 ・。*





「そういえば今日
早く帰らないと
いけないんだった」





オレはダッシュで帰る。





とそのとき。





バッサー





「いってー」





誰かと
ぶつかってしまった。





「ご、ごめんなさい
ってええっ。
い、池さん?」





なんと
ぶつかってしまったのは
同じクラスの
池さんだった。





池さんは小6のときに
同じクラスに
転校してきたコ。





池未来実ちゃんっていう。
くるちゃんと同じ名前・・・





それから、中1でも
同じクラスだった。





でも、誰とでも話せるオレでも
池さんと話したことがなかった。





なぜかって、
池さんがギャルだからだ。





ギャルってなんか
コワイんだよなー。





ぶつかっちゃったよー。





やっぱなんか言われそう。





池さん「え、大丈夫。
ケガしてない?」





えっ?





オレは予想外すぎて
言葉を失った。





池さん「大丈夫?」





「あ、うん」





池さん「ならよかった。
あんま道で
走らないほうがいいよ。
じゃあまた明日」





池さんクールに
行っちゃったよ。





池さんってあんなに
優しかったんだ。





オレは次の日
池さんに声をかけた。





「ねえねえ。
昨日◯◯見た?」





「え、急にどした?www
見たよ。
◯◯よくなかった?」





池さんはノリが良くて、
楽しかった。





クルミって呼び捨ても
するようになった。





オレはその日、勇気を出して
ワカナと親友のヨシトと
クルミをよんで
カラオケに行った。





ワカナとクルミは
大親友になったし、
その後クルミは
クラスのみんなと
うちとけた。





いつしか、オレは
クルミのことを
好きになっていた。





だから、オレは
クルミに
告白することにした。





「クルミ。好きです。
付き合ってください」





クルミ「ハアト・・・
ウチも好きだけど
ごめん。
付き合えない」





「・・・そっか。
でも、ありがとう。
また明日ね」





クルミ「まってハアト。
ウチの話
聞いてくれる?」





「え、うん」





クルミ「隠してたことがあって
実はウチね、
ハアトのおさななじみの
クルミなの」





「え、でも」





クルミ「引越した後、
10カ月くらいして
ウチの両親が離婚しちゃって。
で、どうしていいか分からなくて
ハアトがくれた手紙も
読まなくなっちゃったし
不登校になってギャルになって・・・
お母さんもめちゃめちゃで
それでおばあちゃんの家がある
ここに戻ってきたの。
でもウチ変わっちゃったから
ハアトのこと好きだったけど
こんなに変わったウチのこと
知られたくなくて隠してたの。
でも、ハアトが好きなのは
変わったウチ。
ハアトには、昔のクルミのこと
好きになってほしかった。
だから・・・付き合えないの」





「待って。
オレも本当は
くるちゃんのことが
好きだった。
クルミのこと好きになったのは、
クルミがくるちゃんと
どこか似てたからなんだ」





クルミ「そう・・・だったの?」





「クルミ、オレ、
一生クルミのこと・・・
いや、くるちゃんのこと
大切にするから
付き合ってください」





クルミ「・・・ハイ/////」





オレ、
気づかなかったよ。





オレの好きな人は、前から
ちょっぴり近くて
ちょっぴり遠くにいたんだ。







*end*

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