ネットやメディア、口コミなんかで当たり前のように言われていることだけど、考えてみるとなんでなのか知らなかったり「本当なのかな」って思うこと、あるよね? この『美容の常識に”なんで”?』では、そんな素朴な疑問を信頼できる専門家にリサーチ! ティーンのみんなにもわかりやすく解説するよ!
第1回のテーマは「ビタミンC」。美白に効果があるってよく聞くけど、それってなんで? どんな取り入れ方をしたらいいの? そんな疑問を、スキンケアや日焼け止め商品などの会社「ナリス化粧品」の研究開発部・寺内さんに取材しました!
Q1:ビタミンC配合スキンケア商品に美白効果があるのはなんで?
ビタミンCには、メラニン色素(褐色または黒色の色素)を作る酵素(チロシナーゼ)の働きをブロックする働きがあるので、作られすぎたメラニン色素がたまってできるシミを防ぐ働きがあります。また、できてしまったメラニン色素を薄く戻す作用もあります。この2つの作用で美白効果があると言えます。
Q2:ビタミンC配合のスキンケアには他にどんな効果がありますか?
- 肌トラブルや老化の原因となる活性酸素の発生を抑えたり、取り除く作用。これを抗酸化作用と言います。
- 肌の弾力性を保つのに必要なコラーゲンの生成を促す作用。
この2つの作用でニキビやニキビ跡のケア、開き毛穴や毛穴詰まりの改善効果、若々しい肌を保つ効果、肌のシワやたるみの改善効果が期待できます。
Q3:ビタミンC配合のスキンケア商品を選ぶときのポイントは?
ビタミンCは化粧品に配合する場合、単体では肌への浸透性が悪く、安定性も悪いため、ほとんどがビタミンC誘導体という化合物にして肌への浸透性や化粧品としての安定性を高めています。純粋なビタミンCは酸化して変質しやすいので、ビタミンC誘導体であるかどうかを確認してください。
一般的にビタミンC(誘導体)配合の化粧品を選ぶ際には、その配合量によって効果が大きく変わると考えられます。配合量は、医薬部外品であるか化粧品かが目安になるので、「医薬部外品」と商品に書かれているかを見てみましょう。
化粧品はビタミンCの安定性を保つために微量しか配合されていない場合があります。医薬部外品はビタミンCが主剤となっていることが多く、厚生労働省に許可を得た濃度が配合されています。
※化粧品と医薬部外品の違い…化粧品はそれぞれの企業が自主基準により開発をしています。医薬部外品は、厚生労働省により認可されたもので配合量などの一定の基準を満たしたものです。
Q4:ビタミンC配合の商品を使うときの注意点は?
ビタミンCの配合濃度によっては、肌に合わない場合や乾燥する場合があります。配合量が高いと効果も高いですが、刺激になる可能性も高いのです。チクチクしたかゆみなどの違和感や肌に赤みがないかなど、肌に合うかどうか確認してから使用することが必要です。
またビタミンCによって肌が乾燥することもあるため、十分な保湿ケアをしながら使うと安心です。
また、使用期限が記載されているアイテムは、必ず期限を守って使い切ることが重要です。一般的な化粧品の場合、使用期限が書かれていないと未開封の状態で3年の保存期間があるとされています。あくまで未開封の状態ですので、開封後は早めに使い切るようにしましょう!
Q5:ビタミンCと相性の良い成分は?
ビタミンCと同じ抗酸化作用を持つビタミンEやアスタキサンチン、グルタチオンなどの成分は、ビタミンCと一緒に使用することでより効果が高まります。
トラネキサム酸やナイアシンアミドも医薬部外品の美白有効成分として使用されますが、ビタミンCとは作用が異なります。単一の美白成分だけでなく作用が異なる美白成分を組み合わせて使うと、より高い美白効果を発揮しますよ!
◆プラスワンポイント◆
ビタミンC配合の化粧品を選ぶときのさらなるポイントとして、ビタミンCの肌への浸透を意識すると、さらに良いと思います。化粧品には水溶性のものと油溶性のものがあり、肌にはその両方が必要です。
一般的にビタミンCは水溶性でお肌に浸透しにくく、不安定。一方ビタミンC誘導体にはいくつかのタイプがあり、水溶性(アスコルビルグルコシド等)よりも油溶性(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)、それよりもさらに浸透しやすい両親媒性(パルミチン酸アスコルビルリン酸Na)がより効果的なので、スキンケア商品を選ぶときの参考にしてみてください!
ふだん何気なく使っている「ビタミンC=美白」だけど、詳しく知るとこんなに奥が深いんです!
次にドラッグストアなどで商品を選ぶときには、ぜひ成分や表記にも注目してみてね。
みんなも正しい知識で美を極めよう!