汗っかきな体質が嫌だ（中2）2023.06.20保健室

　私はとても汗をかきやすい体質です。中1の夏に学校に登校すると、背中に汗をかいて制服にしみていて、下着が透けてしまうことがありました。それで、男子にバカにされたこともあります。他にも少し走ったり、体育の授業だけで顔が真っ赤になり、汗をすごくかいてしまいます。汗をかくことは悪いことではないけど、この体質が嫌いです。今年も、夏が来ると思うと気が重いです。何か改善方法はありませんか？（中2・たちかわたちれむちゃん）

普段から運動で汗をかこう！インナーや冷感グッズを使うのも

　みなさんもご存じの通り、汗をかくのは体温を下げるために必要なことです。背中は体を冷やすため、顔は脳を冷やすために汗をかきます。でもそれが異常に強い多汗症（たかんしょう）の人は、生活に支障をきたすので困ってしまいますね。夏はイヤだなあ、という気持ちはよくわかります。運動時の体や顔の汗は制汗剤や薬では抑えられませんから、うまくつき合う方法を考えましょう。
　普段、汗をかかないようにと思って体を動かさないでいると、急な運動をした時に一気に汗をかいてしまいます。むしろ普段から軽く汗をかく程度の運動をしてください。特にぽっちゃりした体型の人は皮下脂肪が厚く体に熱がこもりやすいですから、ダイエット目的ではなくても体を動かしてみましょう。　また、汗をかかないように水分制限するのは危険です。水分はしっかりとって、サラサラの汗をかくようにしましょう。バランスのよい食事をし、十分な睡眠をとり、夏でもお風呂にゆっくりつかってリラックスするなど、体調管理も大切です。
　汗で濡れた衣服は人目につきますし、自分でも気になりますよね。学校に行くときは接触冷感素材で吸湿性（きゅうしつせい）のあるインナーを着るとよいかと思います。リュックなど背負うタイプのバッグや、フードつきの衣服はさけましょう。首に巻くクールタオルも効果がありますから、便利なグッズはうまく利用してくださいね。
　顔がほてってまわりの目が気になった時は、恥ずかしがらずフーッと深く息を吐いて気持ちを落ち着かせましょう。リラックスすれば顔のほてりや汗は早く引きます。汗を清潔にするよう対策しつつ、堂々と夏を楽しんでください！（皮ふ 科医・細野久美子先生）

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ニコラ2023年10月号「誰にも言えない心とからだの悩み nicola保健室」より転載