
24-25シーズンも熱い戦いが繰り広げられている、ティーンも大注目のD.LEAGUE。ニコラではレポ&試合を見届けたコメンテーターによる独占コメントを配信中! シーズンも折り返し、後半戦に入ったROUND.8レポとなる今回は、なんと! 24-25シーズンで配信ナビゲーターを務めているダンス界のレジェンド・TAKAHIROさんがニコラネットに初登場!! ダンスがもっと楽しくなる着眼点や、TAKAHIROさん的振り作りのイメージなど、貴重なダンストーク盛りだくさんでお届け。ダンスをやっている全ティーン、いや全人類必見です。

–ROUND.8を観戦されて、一番印象に残ったマッチや、チームのパフォーマンスを教えてください。
「どのチームも素晴らしかったですが、その中でも印象的だったのはavex ROYALBRATS(エイベックス ロイヤルブラッツ)です。
D.LEAGUEが発足して5年目ですが、今まで見たことのない作品を見せて、なおかつ勝利を収めた点。何が見たことがないかというと、音楽を流さず、声だけを使ったことです。今までは、”オノマトペ”という効果音のようなものだけを使ったパフォーマンスや、ほぼ無音でパフォーマンスするといったショーケースはありましたが、日常会話をパフォーマンスに落とし込むという試みは初めてだったと記憶しています。それも、使った会話は聞いていて楽しい漫才! ダンスを題材にした漫才をオリジナルで作り、合わせてパフォーマンスも行う。漫才で掛け合いをしている2人に絶妙なダンスのテクニックを混ぜ込んで、より広がりを持たせるという意味で、2人以外のパフォーマーのみなさんが時にはシンクロするように、時には言葉を視覚的に表現するようにパフォーマンスして、”漫才”という言葉の世界ではありますが、すごく写実的に、けれどダンス作品としてパフォーマンスを完成させ、かつ勝利した。とても印象に残っています!」
–ニコラネットでご取材をさせていただくみなさんにお伺いしているので、今回もよろしければお聞かせください! 今ラウンドのMVD(=Most Valuable Dancer。もっとも輝いたダンサーのこと)を独断でお決めになるとしたら、どなたを選出なさりたいですか?
「僕はナビゲーターとしてD.LEAGUEを観ていたので、個人をピックアップするというのは難しいですが……、観客として個人的に、ということで挙げるならば、たくさんいらっしゃいますが、その中でも今、思い浮かんだ印象に残っている方は、Medical Concierge I’moon(メディカル コンシェルジュ アイムーン)の、ロッキン(=ダンスのジャンル)を見せてくださったRihoさん。ROUND.8のファーストマッチでしたが、鮮明に印象に残っています。飛び出しで身体能力の高さを見せつけた開脚ジャンプから、音をしっかり掴むロックダンス。なおかつ、開脚ジャンプのときの股関節や、床からぐっと立ち上がるときの背中などの柔軟性など、フィメールダンサーならではの身体の柔らかさも活かしつつ背筋力でしっかり体をコントロールして、音楽を軽快に見せていったRihoさんのパフォーマンスは印象に残っています」

–TAKAHIROさんが配信コメンテーターを務めていらっしゃる24-25シーズンも、ROUND.8から後半戦ということで折り返しに入りました。シーズン前半、振り返ってみていかがでしたか?
「今シーズンから新しいジャッジシステムとなったのが、やはり大きな変革をもたらしている印象です。昨シーズンまでの採点システムに、今シーズンから新たに”エースパフォーマンス”と、”シンクロパフォーマンス”の項目が追加されました。 シンクロパフォーマンスは、ショーのどこかの6秒〜12秒間を使ってどれだけ動きを揃えられるかという瞬間を作ること。そして、エースパフォーマンスは、ラウンドごとにチームから誰か一人を選出して、その一人の技術、その瞬間のパフォーマンスを評価すること。そのシンクロとエースを取るか取らないかによって、勝敗に大きな影響が及ぼされるようになりました。これまで圧倒的なシンクロ率を武器にしているチームもあったし、そうでないチームももちろんあって、グループ力を武器にしているチームもあれば、個人力を武器にしているチームもあった。なので、このエースとシンクロという新しい評価項目が加算されたことによって、チームバランスが変わりつつあるように感じます。
しかしながら、昨シーズン上位にいたCyberAgent Legit(サイバーエージェント レジット)やKADOKAWA DREAMS(カドカワ ドリームス)などのチームは、初めは苦戦したものの、後半戦になって調整を経て上位に上がってきています。なので、ルールが変わって流れが変わったというのはありますが、ルールが変わっても強いチームは調整してくるんだという驚きもありました。まだ新しいシステムのD.LEAGUEになり8ラウンド目。全部で14ラウンドあるので、まだ流れが見えないところも楽しさですよね!
あとは、ルールの変更によって前半戦はそのルールに翻弄され、「いかにルールに適っていくか」を各チームが探した時期もありましたが、今はそれぞれのチームのプライドとして、ルールに振り回されずに自分たちの見せたいショーケースをどのようにルールに融合させるかというところに最終的な着地点が置かれてるように見えます。それぞれのチームがプライドとメッセージ性を持ってるんだということを改めて感じられる前半戦だったのではないでしょうか」
–後半戦もさらに楽しめそうな着眼点をありがとうございます! たくさんのダンサーがしのぎを削るD.LEAGUEですが、TAKAHIROさんが考える”目を引くダンサー”ってどんな方ですか?
「”オンリーワン”と”ナンバーワン”のどちらも目指している方です。オンリーワンだけを目指してしまうと、ハマる人にはハマるんだけど、届かない人には届かない、『なんかちょっと違うな』という感覚を与えてしまうと思うんです。だけど、「自分がやっているジャンルでのナンバーワンを目指している、けど、オンリーワンでもいたいんだ」という二つの軸を持っている人は、心に刺さるものを魅せてくださるダンサーだなと思います」

–ダンス以外にも通じるものがありますね。では、D.LEAGUEをはじめダンスショーケースをご覧になるときに、TAKAHIROさんはどこに着目されているのか、何に一番注目しているかを教えていただけますか?
「私は、過去シーズンは審査員を務めたこともありますし、今シーズンはナビゲーターという立場でD.LEAGUEを見ているので、D.LEAGUEに関して言うと、” D.LEAGUEというエンターテイメントとしての目線”+”一個人の目線”から見ています。
“D.LEAGUEとしての目線”というのは、大会によって理念が違うというのがポイントです。例えば、ティーンのみなさんのダンスコンテストだったとしても、ティーンらしいフレッシュさや笑顔を評価するコンテストもあれば、テクニックで評価するコンテストも、メッセージ性やテーマ性をどれだけ打ち出せるかを見ているコンテストもありますよね。D.LEAGUEはアートスポーツであり、エンターテインメントでもある側面を持っていて、ジャッジシステムにも、オーディエンス(=観客による投票点)、テクニック(=審査員がつける技術点)、コレオ(=審査員がつける振り付け点)、ステージング(=審査員がつける照明や衣装などを含めた総合的なショーケース点)、エースパフォーマンス、シンクロパフォーマンスという、明確な理念があります。私の立場としては配信ナビゲーターとしてD.LEAGUEの敷居をまたいでいるので、その理念に基づいた目線で見ることを大事にしています。
今回はD.LEAGUEのナビゲーターとして、D.LEAGUEの理念のほうを大切に見ていますが、同時に個人的には、「うわー! やばっ!」とか「負けたけどすごー!」「それだけメッセージを押し出せるのアツい!」「テクニックえぐっ……!」と、実は心の中ではいっぱいワーワー騒いでいます(笑)。
D.LEAGUEは、会場でも観戦できるし、配信でも無料で見られます。見てくださるみなさんは、まずはワクワクするかどうかで楽しんでもらいたいです。僕も今はこうやって解説をしていますが、もともとはどのダンスを見てもわからなかったです。でも過去にダンスを観てワクワクしたグループは何十年経っても大活躍していたりするので、ぜひみなさんの”ワクワクの直感”を大事にしてください!」
–今、ティーンにもダンスをやってる子が多いので、ダンス界のレジェンドであるTAKAHIROさんにぜひ振り作りの面もお伺いしたいです。さまざまなテイストのアーティストを手掛けられているかと思いますが、そのアーティストの良さを引き出すために何からインスピレーションを受けていますか?
「グループや、目の前のアーティストさんによって異なります。たくさんの振り付けをしてきましたが、私は、振り付けは目の前の方に合うオーダーメイドのお洋服のようなものだと思っています。人によって好きな服の色も形も素材も違うように、その方に”今”だからベストマッチして、”今”のその方の感情だからベストフィットして、“今”のオーディエンスに対しているから説得力がある、一つ一つの”今“という点を紡ぎ合わせるのが振り付けです。
振り付けにはたくさんの要素がありますが、例えば音。音の中にはメロディーやビート、ハーモニーがあります。そして人。人は、柔らかい動きが得意な方、あるいは力強い動きが得意な方など、得意なことがそれぞれ違いますよね。そして、裏方で運営なさっている方々の思い。「この子は、この方はこういう道に行ってほしいんだ」、「オーディエンスの方々がこうなってほしいんだ」などという考えもある。そしてステージ。その方がパフォーマンスするステージの形や構成、ミュージックビデオを撮る場合は、その撮影現場の床や環境、周囲の色などが違う。それらすべてによって、”振り付け”という答えが変わってくるんです。さまざまなエッセンスを1つのミキサーに入れて、ぐわーっとかき混ぜて、ポタっと1滴出てくる。それが最適な答えではないでしょうか。
その最適な答えを繋いでいって、繋ぎ目をできるだけシームレスになるように作っていくと、答えが見えるはずです。振り付けって今お伝えしたとおり、たくさんの線が張り巡らされていますが、音や人、空間、今という瞬間、それらが重なる点があるんです。なので、私はそれらのたくさんの状況、情報の中から、1つの”必然”を見つけて繋ぎ合わせ、その方に合うオーダーメイドの服=パフォーマンスを作るイメージでいます」

–そう考えるととてもワクワクしてきます! ティーンの間でも、目標はさまざまですが、ダンスと向き合って振り作りをしたり「ダンスがうまくなりたい」と頑張っている子がたくさんいるので、TAKAHIROさんからぜひメッセージをお願いいたします。
「ダンスに夢中になって、将来仕事にしたいと思っている人がよく言われがちなことがあるんですよ。『好きなことを仕事にしたら、それが好きじゃなくなっちゃうからもったいないじゃん』って。実際に僕も言われました。
でも大丈夫です! 自分は“好きなことはいくらやっても好きだ”ということに気づきました。本当に好きだったら、思いっきり向き合って続けていってほしいです。
そのときに自分にタイムリミットをつけると、より力を発揮できると思います。 例えばD.LEAGUEだと、約2週間に1回パフォーマンスを見せなければいけないという制限があるから、思いっきりみんなが力を出すことができていますよね。自分も昔アメリカで活動していたんですが、初めは一年で結果が出せなかったらダンスを諦めようと思って、自分に制限をかけて始めました。結果的にはアメリカのテレビに出演できるようになってチャンスを掴めましたが、その制限があったからこそだったと思います。
今も「こうでなきゃいけないんだ」というような、みなさんにとって不利な決めつけがあるかもしれませんが、その不利なことをいかにチャンスにできるかがポイントですから、ぜひ、自分の中の制限を乗り越えて、新しい世界に羽ばたいていってください。応援しています!」
–ありがとうございます! 最後に、Dリーグの配信ナビゲーターであるTAKAHIROさんから、まだ会場の熱気を知らないティーンに向けて一言お願いいたします。
「D.LEAGUEはリピートで来場されている方が多い印象です。それはダンスが好きな人ももちろんいっぱいいますし、みなさんと年の近いダンサーの方々が思いっきり人生をかけている姿を見てワクワクハラハラする、という応援の仕方もあるように思います。僕も初めてダンスを観に行ったときはドキドキしましたが、みなさんも初めてだったらなおさらD.LEAGUEを見に来るのがいいかもしれません。何かに夢中になっている人たちは最高にかっこいいですし、勝っても負けても涙する姿もここにはある。熱いもの、そして最高のパフォーマンスが確かにD.LEAGUEにはありますから、ぜひ会場に足を運んでください! (イケメンもいますよ♡)。」

ここからは
D.LEAGUE ROUND.8
全7戦レポート!
【コンテストだけどHAPPYな世界♪】
1st MATCH
Medical Concierge I’moon vs List::X
先攻はMedical Concierge I’moon(メディカルコンシェルジュ アイムーン)。「Power to the woman」をテーマに、今までチャレンジしてこなかったダンスジャンル”ロック”をメインにしたショーケースで、まったく新しい一面を披露!
セットアップの衣装に身を包み、80’sを感じさせるヘアスタイルで登場。ソウル(=ダンスのジャンル)ベースのゴージャスな始まり方かと思えば、パワフルな転調で一気にロック全開に! 振り付けがいかに揃うかで魅せるシンクロパフォーマンスタイムでは、”LOCK”の文字通りカッチリと揃うコレオがまるでお手本のように美しい♪ TAKAHIROさんが名前を挙げたRihoさんは、今回で2回目のエースパフォーマンス。女性らしさと力強さを見せつけ、曲の転調、テンポの変化で観客を引き込み、あっという間の2:15がフィニッシュ!
対する後攻は、現在勢いに乗るList::X(リスト エクス)。前半戦はニッチな振り付けやサウンドで見る者をディープな世界に引き込んできたチームが、テーマに「unmet」を掲げて、HAPPYな世界を生み出します♪
明らかに今までと違う明るいサウンドで始まったショーケース。ジャケットの布使いもさることながら、小道具として使っていた布も巧みに使い、オープニングとラストで印象を残したよ♪ ニュージャック(=ダンスのジャンル)をベースにしたグルービーで軽やかなステップと爽やかな日本語のリリックが相まって、テーマとして打ち出したハッピーを体現。そのハッピーな世界をList::Xらしく、ディープさは残しながらスキルフルに見せつけた!
ジャッジの結果は、5:1でMedical Concierge I’moon(メディカルコンシェルジュ アイムーン)の勝利! エースパフォーマンスを担当したRihoさんは、慣れないロックを頑張ってくれたチームメイトへ、そしてディレクターのMIZUEさんへの感謝を涙ながらに述べました!
【HIP HOP vs HIP HOP!】
2nd MATCH
DYM MESSENGERS vs SEGA SAMMY LUX
先攻のDYM MESSENGERS(ディーワイエム メッセンジャーズ)は「THE PLACE」をテーマに、SPダンサーのYUUSHINさんを迎え、最高の仲間と最高の場所、THE PLACEで最高のショーをお披露目!
ソロで始まったショーケース。全員で入れ替わり立ち替わり使用するステージ中央の小道具のベンチは、位置を変えたり斜めらせて滑ったり、上を駆け抜けたりと第2のステージといわんばかりのインパクト! 途中全員でアウターを脱ぎ、白ロンTで統一されたところで空気が一変。独特な音取りで楽しませたエースパフォーマンス、そして繋がるシンクロは思わず見入ってしまうほど! ベンチから倒れ込んだラストは型にはまらないDYMを体現する印象的なシーンでした♪
後攻のSEGA SAMMY LUX(セガサミー ルクス)のテーマは「Kicks on da beat」。ダンサーが愛してやまないスニーカー=Kicksを用いた、ポップな世界を展開します♪
スニーカーが床をすべる音、そして踏み鳴らす音が織り交ぜられたサウンドと、それに合わせて繰り出されるステップが楽しいショーケースの始まりでガッチリと観客の心をキャッチ。「しー」と人差し指を立てる振り付けで会場が静かになると、キックスの音がより印象的になるシンクロパフォーマンスタイムに突入! なんと、衣装変えならぬスニーカー変えを途中で挟み込み、踏み鳴らすサウンドを変える遊び心満載な仕掛けも♪
ジャッジの結果は、5:1でDYM MESSENGERSの勝利! コメンテーターのEXILE/FANTASTICSの世界さんも認める基礎力の高さを見せつけたDYM。ダンスを楽しむマインドを忘れないショーケースは、後半戦でも輝くこと間違いなし♪
【王者奪還へ、首位へ挑む!】
3rd MATCH
KADOKAWA DREAMS vs KOSÉ 8ROCKS
先攻のKADOKAWA DREAMS(カドカワ ドリームス)のテーマは「11街区13号棟」。未だ負け知らずのエースダンサー4回目となるKELOさんを主軸に、KADOKAWAイズム全開な独創的なショーケースを披露!
病棟の椅子に繋がれたKELOさんが、荒い呼吸のサウンドの中登場。すでに作り上げられた世界で、心臓の震えを表すようなバイブレーションやベッドを使った狂気的なダンスで会場中を震え上がらせます。壊れた機械のような音声で繰り出されるエースパフォーマンスとシンクロパフォーマンスももはや異世界! アップテンポな曲調にシフトしたかと思えば、終盤にまた最初の椅子が登場。今まで見ていたものはうなされた夢だったのか、幻だったのか、鳥肌が止まらないラストに会場がどよめきます……!
後攻のKOSÉ 8ROCKS(コーセー エイトロックス)のテーマは「Futurity」。チームの未来へ繋げる決意表明を作品に打ち出したKOSÉ 8ROCKS。後半戦スタートとなるショーケースは必見!
持ち前のブレイキン(=ダンスのジャンル)を全面に押し出し、ドラムのスネアの音で繰り出されるフットワークの数々が楽しいオープニングの流れで確実なスキルを見せつけるシンクロパフォーマンスを披露! エースパフォーマンスで盛り上がりを作ると、アクロバット技やパワームーブがどんどんと大胆に。中でも逆立ちでステージ中央まで滑り出る演出は、会場中から歓声が! そこからさらにギアを上げた気合い溢れるパフォーマンスでラストまで駆け抜けました♪
結果は2:4でKOSÉ 8ROCKSの勝利! ハイレベルな戦いの中、首位のKADOKAWA DREAMSを下したKOSÉ 8ROCKS。王座奪還への大きな一歩を踏み出したのではないでしょうか!
【世界観同士のぶつかり合い】
4th MATCH
Benefit one MONOLIZ vs avex ROYALBRATS
先攻はBenefit one MONOLIZ(ベネフィットワン モノリス)。テーマとして掲げた「ALUCARD」は、「ドラキュラ(DRACULA)」がその身を隠すときに使っていた名前。今まで潜めていた力を存分に発揮します!
全身黒の衣装に身を包み、逆さ吊りになって登場した姿は紛れもなくドラキュラ! 全員で横一列になったパフォーマンスは、腕のシルエットの綺麗さ、腰につけた布の広がりが美しく、不思議な世界に迷い込んだような感覚にさせられます。ほぼ無音の中始まったシンクロパフォーマンスは、倒れ込む音が会場に響きわたり、生で観戦した人だけが感じられる臨場感! すべての始まりに舞い戻っていくラストも圧巻です!
後攻はavex ROYALBRATS(エイベックス ロイヤルブラッツ)。テーマは「Comedian」! 楽しそうなテーマに期待が高まる会場の中で、その期待を華麗に裏切るステージが披露されるとは、このときはまだ誰も知らなかったのです……!
漫才師の衣装の二人組とお寿司屋さんの板前スタイルの6人で登場。二人の漫才で始まったかと思えば、合間にクセになるタイミングでダンスが織り交ぜられ、ダンスを見ているのか漫才を見ているのかわからなくなるおもしろさ! 驚くなかれ、写真を見ている限りでは音楽が聞こえてきそうですが、会場に流れているのは最初から最後まで漫才の音声のみ! ネタとスキルを感じさせるダンスのバランスが絶妙でクセになるショーケースは、何日経っても頭に残り続けるほど。
結果は2:4でavex ROYALBRATSの勝利! TAKAHIROさんもD.LEAGUE史上初めてとあげてくださった漫才に合わせたダンスは、後世に語り継がれるレベルではないでしょうか。まさに”ダンスとは”を考えさせられる圧巻のショーケースに喝采が集結!
【音を楽しむコレオ力が光るマッチ!】
5th MATCH
LIFULL ALT-RHYTHM vs Valuence INFINITIES
先攻はLIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)。テーマは「Control」! コントロールするのかされるのか、アルトリだからこその表現に期待が高まります!
SPダンサーに堀田 千晶さんを迎えた今回のショーケース。堀田 千晶さんがコントロールされているような、それでいてコントロールしているような始まりはアルトリワールドへの入り口。コンテンポラリー(=ダンスのジャンル)全開かと思えば、途中から激しいサウンドに一変。だんだんとコントロールが外れていくさまは観客を不思議な感覚にいざないます! 歩くこと、そして踊らない”間”さえも当たり前のようにダンスとして成立するのは、さすがの一言に尽きます!
後攻のValuence INFINITIES(バリュエンス インフィニティーズ)のテーマは「Essence」。23-24シーズンのチャンピオンシップで披露しようとしていたステージを、今シーズンの後半戦スタートマッチに持ってきました!
古着風のシャツ衣装でファッショナブルに登場。赤いライトでシルエットが浮かび上がると、ステージを這うようなフットワークで会場を一気に引き込む! ぐわんぐわんと響き渡る音での連鎖する振り付けを挟み曲調を変え、入れ替わり立ち替わり魅せるフォーメーションからは目が離せません! 途中重低音が響き渡る会場では心臓まで震えるほど。和楽器のサウンドを挟んだり強いビートも弱いビートも混ぜ込んだり、まさに音の楽しさを感じるショーケースでした♪
結果は1:5でValuence INFINITIESの勝利。音を楽しみきって観客を楽しませたチームが勝利を掴み、確実に順位をあげていきます!
【青い炎と赤い炎、勝利はどちらの手に】
6th MATCH
SEPTENI RAPTURES vs FULLCAST RAISERZ
先攻のSEPTENI RAPTURES(セプテーニ ラプチャーズ)のテーマは「3度目の氷河期」。過去2シーズン、対戦相手のFULLCAST RAISERZに負けを喫しているラプチャーズは、青い炎を燃やしながらレイザーズを冷やしに行く!
衣装も髪も凍っているように仕上げられ、氷のようなパネルを持って登場したラプチャーズ。全員で氷の城の中に閉じ込められたようなドラマチックなスタートから飛び出すと、エレクトリックな音源で細かな音取りを披露。凍ったようなayumiさんが持ち上げられた瞬間は観客も息を呑みます! 序盤で使った氷のようなパネルはエースパフォーマンス前に使ってその時間を引き立てるなど、最後まで印象的な役回り。ラストは最初の城のようなフレームの中に舞い戻り、抑えきれぬ闘志を氷のように表現!
後攻のFULLCAST RAISERZ(フルキャスト レイザーズ)。テーマは「GET OFF」今回はSPダンサーとしてフィメールクランパー(クランプというダンスジャンルを踊る女性のこと)を3人迎え、勝利を狙う!
壮大な曲調で始まったショーケース。メンズだけで始まり、後ろから力強く歩いてくるフィメールクランパー3人の勢いはチームを鼓舞するオーラ満載! もともとパワフルなダンスジャンルのクランプは、女性が入ることで表現に幅が生まれた印象♪ シンクロパフォーマンスのチェストポップ(大きく胸を弾きあげるような振り)の力強さや豪快なアーム使いは今シーズンイチの思い切りの良さ。キャップを使った技なども混ぜつつ攻めたショーケースをかましました!
結果は4:2でSEPTENI RAPTURESの勝利し、2シーズンぶりのリベンジを果たしました! 今シーズンなかなか波に乗り切れないFULLCAST RAISERZは、次のラウンドに期待です!
【同ジャンルでの負けられない戦い!】
7th MATCH
CyberAgent Legit vs dip BATTLES
先攻のCyberAgent Legit(サイバーエージェント レジット)のテーマは「layered」。いろいろなエッセンスが重なり合うレジットワールド全開の”レイヤード”は見なければ損です!
ゆるやかな音源で始まるかと思えば、直後のアクロバットと細かなバイブレーションでレジットワールド全開に! ブレイキンのソロから曲調を変え、個人のスキルも惜しみなく発揮しつつ、力みがないシンクロパフォーマンスからは余裕を感じるほど。終盤、TAKUMIさんがピンクの照明を背に操るような魅せ方で会場を一層盛り上げるとボルテージはMAX。照明、サウンド、ライティング、そしてポップ以外にもヒップホップやブレイクが重なるダンスの重なり、全てに魅了されるステージングは圧巻でした!
この試合最後に登場したのはdip BATTLES(ディップ バトルズ)テーマは「カタストロフィ」。ポップ(=ダンスのジャンル)を武器にしたレジットを相手にdip BATTLESが選んだのは、自分たちの強みでもあるポップ。同ジャンル同士のマッチ、必見です!
前半の勢いを落とさずに後半へ入りたいdip BATTLES。横1列で手を上げて曲の始まりを待つシルエットに湧き立つ会場! ポップにアニメーション(=ポップダンスの種類。滑らかな振り付け)やヒット(ダンスで音に合わせて体を当てるような振り付けのこと)、側転などアクロバットな技を混ぜたメリハリのある構成で魅せつつ、ビートが上がった瞬間の照明使いでワクワク感が倍増♪ 目立つ音取りではなくなめらかな振り付けでのシンクロパフォーマンスと、ラストのヒットが印象的でした!
結果は4:2でCyberAgent Legitの勝利! エースパフォーマンス票とテクニック票はdip BATTLESが取ったというのも注目ポイント。レジットとしても悔しさは残りつつ、同ジャンル対決はレジットが制しました!
後半戦に差し掛かるROUND.8は、披露したチームが多く、プライドのぶつかり合いがとても熱い戦いでした! まだまだどんでん返しが期待できるD.LEAGUE。今後の展開からも目が離せない!
本日開催されているROUND.9は、Dリーガーに登場いただき独占レポートを更新予定。公開をお楽しみに♪
Photo/Fujii Daisuke
©︎D.LEAGUE 24-25