
“瞬間を残したい”という気持ちは誰一人として欠けず、共通認識でした(川口)
お二人の覚悟、将一さんの覚悟全てが『愛』(高杉)

──実在の方を演じるうえで、どのような想いで撮影に臨まれたのでしょうか。
川口「映像に残す、映画化してたくさんの方へ届けると決まった以上、責任もプレッシャーも大きくありました。ただ、和さんは本当に魅力的な方で、素敵なご家族で、可愛いお二人で。記録として自分が何か残せるのであれば……という思いに至るまで時間はかかりましたけど、本当に家族の愛の話ですし……。一人の逞しいママ、女性がいたんだよ、ということを知ってほしい・伝えたいという気持ちにだんだんとなっていきました。撮影中も撮影が終わってからも、果たしてあの演技で良かったのか、ということはわからない。みなさんに観ていただいて、届いて、どう受け取ってくださるのかが、一つの目指していたゴールでもあると思います。過程の正解はわからないまま、スタッフもキャストも誠実にそこに向き合っていた。その、“瞬間を残したい”という気持ちは誰一人として欠けず、共通認識でした」
高杉「川口さんの仰った通り、最初はやっぱり、自分がどういう想いで演じていくのか迷った記憶があります。僕も迷っている中で、自分自身『こういう風に届けたい』という想いはなんとなくあったけれど、それも自分の中で確定したものではなかった気がしていて。迷いの中で将一さんと出会って決定していった、という方が大きいかもしれません。お二人の覚悟、将一さんの覚悟全てが『愛』。その『愛』が自分たち(映画)が関わることになったからこそ、多くの人へ広がっていくといいのかなという気持ちでいます。何よりも“彼女(和さん)がいた”ということ、この手記があって、映画になることで、知ってもらえるからこそ、形が大きくなっていって、伝わる愛があるのかな、回っていくのかなと、思います」
──和さん、将一さんを演じられたことで自身の考えや生き方に影響を受けた部分はありますか。
川口「毎日がくること、その日常が過ごせることが当たり前ではなく、『幸せ』であると、分かっていなかったわけではないけれど、一日一日の重さや尊さを改めてすごく感じました。家族の偉大さや、一人ではないという安心感というのは、自分に置き換えたときに、大きいものだったのだと、実感しました」
高杉「ただただ仲良く過ごせることの凄さや日常を送ることの素晴らしさは、やっぱり改めて実感しました。『一日の重さ』とか、そんなことを考えずに過ごさなくていいとは思うけど、なんでしょうね……今の時代は色々な情報に溢れているから、他の人の良いところを見る機会は多いと思うけど、やっぱりそれぞれに、良いところ以外の部分もたくさんあるし。そういうものに取り憑かれず、自分の素晴らしい日常に目を向ける機会をもらえたことが、自分にとっての一つの変化かなと思います」
ポジティブなメッセージとして受け取ってもらえたらそれでいい(川口)
想いを伝えることは恥ずかしいことではないと思うから(高杉)
──家族の物語を演じたからこそ、見てくださる方、また、大切な人へ伝えたい言葉はありますか。
川口「どう受け取っていただいてもいいと思うし、正解はないと思います。作品自体も何かを問いかけるようなものではないと思うので、ただただ、そこにいたんだよということを、何か、ポジティブなメッセージとして受け取ってもらえたらそれでいいのかなと思います」

高杉「僕自身変わった部分でいうと、家族に対して、素直に言葉を言うようになりました。大好きだよ、愛してるよって言葉を感謝を込めて言うことに対する恥ずかしさって『よくない』とは実感していて。今年の父の日にも『I LOVE YOU』って書いた手紙を送りましたよ!郵送で。想いを伝えることは恥ずかしいことではないと思うから、それができるようになったな、と。ま、父からは、僕の誕生日に手紙の一通もなかったですけど(笑)。メッセージはきましたけど(笑)。そういうのはすごく、大事だと思います」

──最後に、色々な選択肢の中で悩み、揺らぐ10代へ向けてメッセージをいただけますでしょうか。
川口「悩んでいるその瞬間も、あっていいと思います。悩みがあって当然だし、そういう経験を経て、友達や家族、自分の今いるコミュニティと繋がって誰しもが成長していくと思うから。難しい年代だと思うけど、そこでの人の出会いや自分が何を選んだとしても、どれも正解だと思う。悩んでいることはネガティブなことではなくて、今しかないこの時間を後悔ないように過ごせていたら、悩んでいることすら正解なのかなと思います」
高杉「悩みというものは、“自分の問題”なので、なかなか解決できないことも多いと思うけど。そして悩みだからこそ、素直になれないこともあるはず。どんなことがあっても、その自分を多くの方が知って支えてくれている部分はあると思うから。なかなか気が付くことができなくても、必ず愛されているから安心できる部分は、きっとたくさんある。全力で今の状況や環境を楽しんでもらえたらいいなと思います」
<川口さん&高杉さんの中高生時代エピソード>
Q.中高生の頃に選択した、人生が動いたと感じるターニングポイントは?
A.芸能界デビューしたこと。
「この世界の入り口に間違いなく立ったなというきっかけは、やっぱりニコラでモデルデビューしたことです」(by川口)
A.高校に進学したこと。
「そこまで悩んではいなかったけど、学生を続ける選択をあのときにできて良かったと思う。社会人になることって意外と簡単。学生生活ってやっぱりすごく限られた時間で、自分がその選択を選べたということは大事だったと思うし、色々な人に感謝するべき部分。でも、さまざまな選択肢があって、悩めるということはいいことなのかなと思います」(by高杉)
Q.高校生時代の自分を一言で表すと?
A.反抗期(笑)。(by川口)
「大人に見られたくて、難しい年頃ですよね」
A.無鉄砲(by高杉)
「(高校生の頃から)変わっていないんです、あまり。学生の頃って、ある程度ノリと勢いでイケる部分もあるじゃないですか。今思うとそれなりに学生生活楽しんでいたのかなと思います」
PROFILE
●川口 春奈(かわぐち・はるな)

1995年2月10日生まれ、長崎県出身。2007年に雑誌「ニコラ」のオーディションでグランプリを獲得。その後ドラマ「東京DOGS」(09/CX)にて俳優デビュー。自然体な飾らない雰囲気と、作品と役柄への熱量・愛情が多くの人を魅了し、話題作へ絶えず出演。「ニコラ」では「ハルル」時代を築いてくれた、レジェンドOGの一人♡
●高杉 真宙(たかすぎ・まひろ)

1996年7月4日生まれ、福岡県出身。2009年に俳優デビュー。端正なルックスと、繊細かつ解像度の高い心理描写で確かな演技力を示し、大河ドラマ「光る君へ」(24)や、「今夜、秘密のキッチンで」(26/CX)など幅広い作品へ出演。ニコラ読者世代からの人気も高い、実力派俳優!
Information
映画「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」
Story
青森で暮らす遠藤和(川口春奈)と将一(高杉真宙)。時にぶつかりながらも「一分一秒、一緒にいたい」と願うほど、かけがえのない日々を過ごしていた。しかし、和に突如つきつけられたのは“ステージIVの大腸がん”というあまりに残酷な宣告だった。「わたしたちの子供に会うこと」和の願いを聞いた将一は……。人を愛し、人に愛され、希望を持って歩み続けた和さんの愛の記録。
配給:東映 原作:遠藤和「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」(小学館刊)
©遠藤和/小学館 ©2026「ママがもうこの世界にいなくても」製作委員会
【川口春奈さん】シャツワンピース¥61600/RUMCHE (contact@rumche.com) チェーンモチーフリング¥61000、透かしデザインワイドリング¥87600、極細ツイストリング¥38300、ネックレス¥76900/全て富士越(株式会社富士越☎︎050-1794-7707/東京都中野区中央5-2-1 第三ナカノビル3階) シューズ¥130900/SERGIO ROSSI (セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス☎︎0570-016600)
Photo/Fujii Daisuke Stylist/Nagisa Ogata(川口さん分),Yonosuke Kikuchi(高杉さん分) Hair&Make/Mikako Takamura(川口さん分),Sayaka Tsutsumi(高杉さん分)


















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