小さな頃から

CAST戸部 光翔戸部 光翔

作者:H・T

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.07.08

ぽろぽろ・・・





俺は戸部コウショウ、
高1。





今泣いてたのは・・・
林メアリ。
同じく高1。





幼稚園からの
幼なじみ。





実は俺ら
2人には・・・





それぞれ
お互いしか知らない
誰にも言えない
秘密がある。





俺は周りには
見せないけれど、
本当は小心者で泣き虫。





メアリは夜が苦手で、
夜になると
1人で行動できない。





家の中でも。





メアリが
夜が苦手なのには
ある理由がある。





今から10年前。





メアリは東日本大震災が
起きた日の夜、
ミオコという妹を亡くした。





ミオコは地震で
瓦礫に挟まれ、
夜が明けるまで
助け出してもらえず、
亡くなってしまった。





メアリはそれ以来、
夜に1人で行動できなく
なってしまった。





あれから10年間、
俺はメアリと
いつも一緒にいた。





メアリは一時期
フラッシュバックが激しくて、
俺が宥(なだ)めないと
パニックを起こして
しまっていたから。





今はそんな症状こそ
出ないけれど、
夜は1人で行動できない。





だから、夜から朝まで
共働きで夜遅くにしか
帰ってこれないメアリの
両親の代わりに
隣の俺の家で過ごしてる。





俺の両親も事情を知ってるし、
俺の妹、ココハも
知ってるからだ。





メアリはココハと
同じベットで寝て、
何かあったら隣のベットで
寝てる俺を起こしにくる。







そんなある日。





メアリが
起こしてきた。





「どした?」





「コウショウ・・・
明日土曜日だし
公園行きたいんだけどいい?」





「おお。いいぞ」





「じゃあ、
明日12時にね」





「分かった。
おやすみ」





「おやすみ」













*。・ 翌日 ・。*





朝にメアリを家に帰し、
俺は公園に行く準備をした。





12時。





公園に着いた。





でも・・・
メアリが来てない。





「メアリー?」





返事がない。





なんでだろ。





「きゃああ!!!」





「メアリ!!」





俺は駆け寄った。





「メアリ!
どし・・・」





そこにいたのは
クラスの同級生の
ナナだった。





「おい! ナナ!
何してんだよ!」





「何って。
メアリと話してただけ
じゃない」





「違うだろ!
メアリ、
怪我してるじゃないか!
いじめてたんだろ!」





「ちっ」





ナナは去っていった。





「メアリ。
昨日の夜起こして
きたのって・・・」





「うん・・・ナナから
連絡が来て。
怖くなって」





「そっか。
よく頑張ったな。
もう無理しなくて
いいんだぞ」





「コウショウ・・・
うっうっ・・・」





俺はメアリの頭を
優しく撫でた。





その後、
俺の家に連れて帰り、
怪我を手当てした。





「メアリ・・・
小さな頃から本当に
我慢強いやつだな。
もういいんだぞ。
俺がいる時は我慢なんか
しなくていい。
泣きたい時ぐらい
思いっきり泣けよ。
助けられなくてごめんな」





「コウショウ・・・
ありがとう」





俺とメアリは
2人で泣き明かした。













・。・。・。・。・。・。・。・。





あれから10年。





俺とメアリは結婚し、
俺の家族とメアリの家族で
同居することになった。





そして、メアリは夜でも
1人で行動できるようになった。





これからもずっと
一緒にいような。







*end*

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