恋の天気予報

CAST広瀬 まのか広瀬 まのか

作者:ぽぽっと

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.05.16

まのか「・・・今日も1日雨だった」





わたしは部屋の
カーテンを閉めて、
ひとりベランダに出た。





窓の外は、
じめっとした空気の中で
ザーザーと雨が
降り注いでいる。





部屋に戻り、
毎日つけている日記帳を
手に取った。





そして、今日の欄に
書き込んでいく。





『恋の天気 曇り』と。





わたしは広瀬まのか。
毎日、日記帳を
つけているんだ。





書く内容は、1日で
起こったこととか、
振り返りとか。





横に、天気を
書く欄もあるの。





そこに書いてるんだ。





『恋の天気予報』を。





わたしには、
好きな人がいる。





隣に住んでいる、
幼馴染のえいと。





幼稚園、小学校、
中学校と
ずっと一緒だった。





高校は離れ離れに
なったけど、
いつも毎日一緒にいたんだ。





でも、えいとはイケメンで
クラスの人気者。





いつも一緒にいるのに、
何か遠く感じてしまって。





好きだと気づいたのは
1年前。





でも、ちょうど
受験と重なってたから
自分の気持ちに蓋をしてた。





終わったら
告白しよう・・・って。





でも、えいとは人気者だから
わたしにみたいに
告白する人がいっぱいいて。





その波に流されて
わたしは告白
できなかったんだ。





そのまま2ヶ月。





とうとう高校生に
なった私は
ほとんどえいとと
顔を合わせることないまま、
過ごしていた。





だから、自分の恋を
進展をさせようと、
日記に書き始めたの。





今の自分の気持ちを
天気に変換させて。





晴れは順調。





曇りは進展なし。





雨は悪いことがあった。





雷は・・・破局。





みたいにね。





ここ最近は
ずっと曇り。





家が隣なんだから
会いに行けばいいのに、
なぜかできないんだ。





わたし、ずっと
このままなのかな・・・













.*





あむ「まのか!
おはよう」





次の日。





学校へ向かってると、
後ろから隣の席の友達、
あむに声をかけられた。





まのか「あむ。
おはよう」





あむ「今日は晴れたね。
最近ずーっと雨だったから
気分も落ち込みっぱなし
だったけど、
やっぱ晴れると嬉しいね」





あむは、
おひさまみたいに
明るい子。





わたしに1番最初に
声をかけてくれたんだ。





優しくて可愛くて、
仲良くなれて
嬉しいんだ。





あむ「そうそう。今度ね、
うちの中学校で
卒業生が集まろう! って
話になってるんだ」





まのか「へえ、そうなんだ」





あむ「今も楽しいけどさ、
やっぱ中学の子とも
会いたいな~って
思ってたからさ!
楽しみ!」





中学の子と
集まるのか。





なんか
羨ましいな。





って思ってたら、
その日の夜。





なな『まのか!
今度の日曜空いてる?
卒業したニコ中生で
みんなで集まって
話そうよ!』





って親友のななから
LINEが来たんだ。





まのか『空いてるよ!
集まりたいね!』





なな『グループで流したら、
ほとんどの子が
空いてるって!』





ほとんどの子・・・って、
えいともくるのかな。





わたしは今日の
日記帳を開いて、
書いた。





『恋の天気 曇りのち晴れ』













*.





そして日曜日・・・





なな「まのか!
久しぶり!!」





まのか「なな~
会いたかったよ~!!」





久しぶりに会えたなな。
髪もくるくる巻いてるし、
一層オシャレになってる!





他にも部活の友達とか、
クラスの子とか、
みんなでお店に集まってる!!
この雰囲気懐かしいなあ。





なな「あれ、もしかして、
れん?
だいぶ雰囲気変わったね」





れんはサッカー部の
エース。





成績優秀で
うちのクラスでも
みんなから
好かれてたっけ。





まのか「あっ・・・」





そんなわたしの目に
止まったのは
その横で友達と
おしゃべりしてる、
えいと。





会うの、
何ヶ月ぶりだろう。





背が高くて、
くしゃっと笑うと
可愛いその顔。





まじかで見るのも
久しぶりだ。





まのか「ななっ、
ちょっとまってて」





なな「え?
まのか!」





わたしは、ななを置いて
えいとの元へ駆け寄った。





まのか「えいと・・・
久しぶり」





えいと「まのか!
めっちゃ
久しぶりじゃん!」





あ・・・
覚えててくれた。





嬉しくて
口角が上がる。





まのか「あ、あのさ。
高校楽しい?」





えいと「おう、
めっちゃ楽しいよ。
高校でさ、おれ
剣道部に入部したんだぜ。
厳しいけど、
毎日充実しててさ!」





まのか「え、けんど、」





くるみ「え~っ!!
えいととかのん、
付き合ってるの!?」





突然響いた大声に
皆んながシンと
静まった。





みんな「えええ!?!?」





まのか「えっ、今・・・?」





わたしは
えいとを見た。





彼はグッと
歯を噛み締めた。





みんな「えいと、
そうなの!?」





みんな「かのん~
そうだったんだね」





みんな「おめでとう!!」





えいとと
かのんのところに
人がたくさん
集まってくる。





わたしは胸が
引き絞られた。





一歩、二歩と
後退りをする。





えいとがぎゅっと
顔をしかめた。





わたしは
後ろを向いて
走りだした!!





えいと「まのか!!」





えいとの声にも
止まらない。





わたしは、いつの間にか
降っていた雨のなか、
家に向かって走り出した。













.*





家に帰った私は、
びしょ濡れの体のまま、
部屋に入る。





そして日記帳を
取り出す。





半月間、
毎日書き続けた、
恋の日記。





でも・・・えいとが
付き合ってたなら・・・
もう、
こんなのおしまいよ!!





私はページを
破り切ろうと
紙を手に持つ。





えいと・・・
ばいばい。





えいと「まのかッ!!!」





まのか「えっ・・・」





後ろを振りむくと、
えいとの姿。





まのか「な、なんで・・・」





えいと「剣道で持久力が
高まったんだよ」





まのか「え・・・」





えいと「・・・まのか」





彼は私の目の前に
立った。





そして、私の手に持った
日記を自分の手に
持ち替えた。





えいと「おれがかのんと
付き合ってるのは、
ただのデマだよ。
おれの好きな人は・・・
まのかだから」





まのか「えっ?
えっ、でも・・・」





えいと「まのか。
お前のことが好きだ」





心を撃ち抜いてくる、
えいとの告白。





まのか「・・・わたしも!!
大好き!!」





雨で濡れたわたしの体は、
心を熱くする熱と
暖かい彼の視線で
明るくなっていたんだ。







*end*

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